新・痛々しく甘いチョコレェト
19
ついに長谷川部長は、長谷川編集長となって、吉井真冬は吉井部長に一気に這い上がってしまった。
いつもよりも早く終わった。
それもそうだろう。
私の仕事なんて減ってゆくばかりなんだろうね。
此処の職場は、年末は忙しいけれど、今の私には会社から用を任される事すらも無く、時間を無駄にあける結果になってしまってゆくのであろう。
色んな事を考えた。
ー私にだって、向かう先はない。
その時だった。
会社のビルの陰に、汚らしい黒い靴が見えた。
その足は、震えているみたいだった。
恐る恐る近付いてみた。
すると自らその人は起き上がって、私に声を掛けて来た。
『やあ。どうだい?切ないだろ?』
何だかとても腹が立った。
無視して歩こうとする私の前に、はばかって語り続ける。
『社内で降格したんだって?其れはどうもご苦労さま。仕方ねぇんじゃないの?あれ?出版会社って夢を世間様に与えてくれるんだよね?』
私は言葉を返してしまった。
私「ええ、そうよ。貴方みたいな、みすぼらしい人間では無くて、時間とお金を有意義に利用しながら手に取るのが読書。読書となんて無関係なのに知った様な顔しないでくれる?」
『決め付けるの?怖いお姉さんだなぁ。これからお父さんとお母さんが食事作って君の事待っているのかい?お帰りなさいって。へへ。』
私を馬鹿にしてる。
とても嫌いな類の人間。
論破して、踏み潰してやろう。
私「悪いわね、少年。君もいつか解る時が来るわ。そうやっていつまでも不良気取ってなさい。親が泣くわ。あとね、残念。因みに私は一人暮らしなの。」
『ねぇ、ロックは聴く?』
私「聞かないわ、興味もない。」
『ねぇ、どんだけ優秀なの?勉強教えてよ?』
私「貴方よりもずっとコッチ(頭)の方はね。」
『ピアスとか開けたのはいつ?』
私「高校の時なんじゃないの?皆やるでしょ!」
『酒と煙草やったのはー?』
私「20の頃じゃないの?馬鹿みたいな育ちじゃあるまいし。」
『へぇ、今じゃヘビースモーカー!そしてこの前はテキーラショット!』
私「な、なんでそんな事迄、貴方が知ってるのよ!」
『あっ、やっぱりそうなんだ!知らないけど何となくだよ、何となく!』
私「…何となく生きてるとそんな風になれるのね、羨ましい限りだわ。そろそろ良いかしら。」
私は壁にもたれ、煙草を吸った。
私よりも背が低く、今迄自分がヘコヘコしてたのにとても優位になっている感じが馬鹿らしく思えたのは否定しない。
『ロングのメンソールだ。オレと一緒だね!あ、今度、原稿用紙また届くから。降格したんでしょ?オレが昇格させてあげるよ。じゃね!』
そう言い放って、駆け出してどこかへ行ってしまった。
私の何もかもを知っている。
ストーカー??
怖くなって、怯えていると社員が降りてきた。
須藤「お疲れ様です!井川さん、未だ残ってたんですか?」
私「須藤君…いや、須藤主任。貴方が主任に上がる前に届いた原稿、見せてくれないかしら?」
須藤「ああ、あんなもの、とーっくに棄ててしまいましたよ。気にしない方が良いですよ!きっと誰かの悪戯ですってば。」
私「違うの…。今ね、私の事、どう考えても張ってた人物が居たの。若い男の人。不良っぽい。」
須藤は鼻で笑った。
須藤「ストーカー?大丈夫だと思いますよ!(笑)怖くなったらいつでも電話下さい!夜中でも駆け付けるんで!まぁ、美人だと色々大変なんですね!僕、これから急がないとだ!友達が昇格祝いに飲み会してくれるんです!じゃ、お疲れ様です!」
私は…先程の子生意気な彼を…追い掛けた。
いつもよりも早く終わった。
それもそうだろう。
私の仕事なんて減ってゆくばかりなんだろうね。
此処の職場は、年末は忙しいけれど、今の私には会社から用を任される事すらも無く、時間を無駄にあける結果になってしまってゆくのであろう。
色んな事を考えた。
ー私にだって、向かう先はない。
その時だった。
会社のビルの陰に、汚らしい黒い靴が見えた。
その足は、震えているみたいだった。
恐る恐る近付いてみた。
すると自らその人は起き上がって、私に声を掛けて来た。
『やあ。どうだい?切ないだろ?』
何だかとても腹が立った。
無視して歩こうとする私の前に、はばかって語り続ける。
『社内で降格したんだって?其れはどうもご苦労さま。仕方ねぇんじゃないの?あれ?出版会社って夢を世間様に与えてくれるんだよね?』
私は言葉を返してしまった。
私「ええ、そうよ。貴方みたいな、みすぼらしい人間では無くて、時間とお金を有意義に利用しながら手に取るのが読書。読書となんて無関係なのに知った様な顔しないでくれる?」
『決め付けるの?怖いお姉さんだなぁ。これからお父さんとお母さんが食事作って君の事待っているのかい?お帰りなさいって。へへ。』
私を馬鹿にしてる。
とても嫌いな類の人間。
論破して、踏み潰してやろう。
私「悪いわね、少年。君もいつか解る時が来るわ。そうやっていつまでも不良気取ってなさい。親が泣くわ。あとね、残念。因みに私は一人暮らしなの。」
『ねぇ、ロックは聴く?』
私「聞かないわ、興味もない。」
『ねぇ、どんだけ優秀なの?勉強教えてよ?』
私「貴方よりもずっとコッチ(頭)の方はね。」
『ピアスとか開けたのはいつ?』
私「高校の時なんじゃないの?皆やるでしょ!」
『酒と煙草やったのはー?』
私「20の頃じゃないの?馬鹿みたいな育ちじゃあるまいし。」
『へぇ、今じゃヘビースモーカー!そしてこの前はテキーラショット!』
私「な、なんでそんな事迄、貴方が知ってるのよ!」
『あっ、やっぱりそうなんだ!知らないけど何となくだよ、何となく!』
私「…何となく生きてるとそんな風になれるのね、羨ましい限りだわ。そろそろ良いかしら。」
私は壁にもたれ、煙草を吸った。
私よりも背が低く、今迄自分がヘコヘコしてたのにとても優位になっている感じが馬鹿らしく思えたのは否定しない。
『ロングのメンソールだ。オレと一緒だね!あ、今度、原稿用紙また届くから。降格したんでしょ?オレが昇格させてあげるよ。じゃね!』
そう言い放って、駆け出してどこかへ行ってしまった。
私の何もかもを知っている。
ストーカー??
怖くなって、怯えていると社員が降りてきた。
須藤「お疲れ様です!井川さん、未だ残ってたんですか?」
私「須藤君…いや、須藤主任。貴方が主任に上がる前に届いた原稿、見せてくれないかしら?」
須藤「ああ、あんなもの、とーっくに棄ててしまいましたよ。気にしない方が良いですよ!きっと誰かの悪戯ですってば。」
私「違うの…。今ね、私の事、どう考えても張ってた人物が居たの。若い男の人。不良っぽい。」
須藤は鼻で笑った。
須藤「ストーカー?大丈夫だと思いますよ!(笑)怖くなったらいつでも電話下さい!夜中でも駆け付けるんで!まぁ、美人だと色々大変なんですね!僕、これから急がないとだ!友達が昇格祝いに飲み会してくれるんです!じゃ、お疲れ様です!」
私は…先程の子生意気な彼を…追い掛けた。
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