新・痛々しく甘いチョコレェト

山田 みつき

8

その後も、女は、やはり無口なまま。
言葉が解らなくなって、有りきたりな台詞なんて吐いてしまって。

私「な、…何て呼べば…?」

そう言うと、女は嗤って、高いヒールの爪先で、小馬鹿にするみたいにして、私の股間にツン、と入れてきた。

私は性格上、カッとなったけれど、きっとこの女には適わない何かを感じたみたいに、何故か涙を零してしまった。

女「…大丈夫?御免ね。私も…どうかしてるから気にしないで。でもね…?大切なものが無いなんて、軽々しく言わない事よ。…嗚呼、名前は…貴方が勝手に決めれば良いじゃない。」

様々な角度から彼女を観ては、負けた気がしてならなくて、横顔も美しく、美貌が嫉妬を覚えさせる私を背徳に駆り立てた。

私は、この女を『麗華』と呼ぶ事にした。

私「れ…麗華。麗華さん。」

麗華「なぁに?それイメージ?」

その聞き方、首の傾げ方、何処かで見た気がするのは気のせいだろうか?

何故?
私は女になんて興味はない。

私は口を開く。

私「ヒモを…飼った事が……ありますか…?」

私の発言は彼女を加速させた。
彼女は私を憎しみの瞳で見て、其れから放った。

麗華「…ヒモ?ないわよ。皆と同じ事言うのね。私は交際した男は一人だけなの。其れも好きじゃない男。名前は健二…?とゆう名前らしいの。」

私はようやく理解したのかもしれない。
この人…。

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