痛々しく甘いチョコレェト

山田 みつき

116 でたらめ出版 /でたらめ出版と名付けたい

書店に急いで駆け
込むとどのコーナ
ーに向えば良いの
か解らなくなった


夕哉『広っ。マジ
此処の本屋広過ぎ
だよな。で、望は
何を探してんの?


望『あとで教える
からさっ今ちょい
待ってよ。』

夕哉『うん?』

ジャンル分けされ
たコーナーを小走
りで走る。

"詩集"

このコーナーを見
てみた。
色々な人が書いた
詩集が並んでる。
少し外れた場所に
黄色っぽい様な表
紙に赤い字体の本
を見つけた。

望『ねぇ、なんか
この本変じゃない
?色合いが悪いっ
て言うかさ。』

夕哉『どれ。うん
少し色合いが悪い
よな、しかも赤い
字ってさ。タイト
ルが痛々しく甘い
…?あれ作者、お
前と同じ名前だ。


望『ちょ!見るな
待って!』

まさかとは思った
ケド。
多分だけど…
僕の本らしき物あ
った。
発売日っていつだ
ったっけ?
しかもタイトルも
違うし作者も。

手にとって見てみ
ると…
作者『望・真冬』
と書いてある。
タイトルも間違え
ている。

意味が解らない。
てか出版社間違っ
てんだろーが!
こんな失敗許され
る訳が無い。
僕は急いでレジに
持って行き、会計
を済ませた後に、
本をパラパラめく
った。

苛々しながら見て
いたから何を書い
てあるのかが解ら
なかった。
てか出版社の間違
いか?
印刷会社の間違い
なのか?
どっちだったとし
ても作者は僕だけ
なのに真冬は本の
中だけしか関係な
いだろうが。
しかもタイトルも
間違えている。

もの凄い絶望に追
い込まれて諦めに
近い感覚になった

僕は死んだ様な目
で1ページ目をめ
くった。

コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品