痛々しく甘いチョコレェト

山田 みつき

102 『痛々しいチョコレェト』 /冷たいアスファルト。霞む未来に生きる今日と確かな愛

何をしても楽しく
なかった。
それは私が『何を
しても楽しめない
』癖とは別で、望
と一緒に二人で楽
しんでいた事が欠
けているから。

時間が長い気がし
ていた。
毎日が重かった。
後ろめたい気持ち
になる気持ちがあ
るけれど、もうそ
んなものはすぐに
消えていた。

私は今夜の仕事を
していない。
辞めてしまったの
だ。
でも思った。
私は働かないとい
けないんだ。
明るい未来すら、
仕事がないと作り
出せないのだ。
昼間の仕事では、
今の状態を満足い
かせられないと、
やっぱり思った。
私は働く。
引っ越し資金は貯
めた。
でも生きていく分
、もう少しは稼ぎ
たい。
そして本当の意味
で夜の仕事を上が
ろう。
私達はアスファル
トの上で転げ回る
子供達だ。
でもそれは誰かに
笑われたとしても
私達には『それが
現状』で有り、『
そうする事でしか
なかった』のだ。
そんな毎日を作る
スレスレの私達に
は、いきなり夢見
がちな明日なんて
笑ってしまう程に
遠いのだ。

私達はこのスレス
レな現状に生きな
ければ明るい未来
もないわけなのだ


そこに愛がない訳
ではない。
私達は、そう、ア
スファルトで転げ
回る、甘くて痛い
、『痛々しいチョ
コレェト』なのだ。

コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品