痛々しく甘いチョコレェト

山田 みつき

28 過呼吸 /ペースが狂ってるの。うまく息が出来ない

今日は望を何処か
連れて行ってあげ
よう。
美味しいお酒も飲
みたい。
早く会いたい。

私はタクシーで、
急いで家に向かう

凄く近い距離なの
に。

息を切らして部屋
のチャイムを鳴ら
してみた。
笑顔で走ってくる
、望を期待する。

「ピンポーン」

あれ?
何度か鳴らしてみ
たけど望は出なか
った。
寝てるのかな?

鍵を開けて
部屋に入って
みると

電気付けっぱなし
そして
静まったいつもの
部屋。

望が居ない。

過呼吸が始まった


―どうしよう
望が居ない。

…どうしよう
居ない。
望が居ない…!

―私は
望の携帯番号を知
らなかった。

”聞いておけば良
かった…!”

いつも居るものだ
と何処かで安心し

私は肝心な
何かをいつも
見落としていて、
大切なモノに目が
行き届かない。

望が居なくなった
のも、きっとあの
子なりに何かあっ
たのかもしれない


ねえ私は
どうしたらいい?
肝心な時
こうやって
解らなくなって
ねぇ望

私はどうしたら
いい?

過呼吸が一気に
増していく。

呼吸が乱れて
苦しいよ。
助けて
苦しいの。

何て馬鹿なんだろ
う。
こんな事考えて又
どうにも出来ない
の?

私は急いで
家を飛び出した。

待っててね
絶対
探すから。

コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品