痛々しく甘いチョコレェト

山田 みつき

26 財布 /「暖かな」中身

初仕事はやっぱり
何も感じなかった

別に何の抵抗もな
い、抜け殻。

新人と言う肩書き
で私は沢山の人に
接客したが、スグ
に仕事を覚える要
領の良い私は、新
人の肩書きが怖か
った。

私は次第に
「演じる」事を覚
えて、仕事は楽々
こなしていった。
気付けば結構な月
日が経過していた


昼の仕事も普通に
出来てた。

気が付くと、私は
仕事以外に何もし
てない。
フと、財布の中身
を数えてみると
カナリの額になっ
ていた。

財布は膨らんで
今にも破裂しそう

昔扇子みたいに万
券で仰いでみたい
とか下らない事を
考えたよ。

今なら余裕で出来
てしまうから逆に
それをしようとし
ない。

私はチョッピリ泣
いて
財布からお金を
抜いて銀行に
入れる事にした。

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