痛々しく甘いチョコレェト

山田 みつき

16 君の声 /真冬さん、ぼくは誰も信じられない

真冬さんに触れられて、ぼくは涙に埋もれ
ていた。

とても居心地良いのに
ぼくには何かが足りない。

真冬さんは
ぼくよりも5、6つも年上で。
今迄どんな経験をして来たのとか考えると嫉妬してしまう自分。

真冬さんが、本気で誰かに頼った事がないのは何となく解って居たとしても•••

真冬さんが片思いだとかで好きだった人が居るんだろうかとか、ぼくに行った事は誰かにした事なんじゃないかと考えると憂鬱で、所謂の可愛い者にならば、誰でも手を出すんじ
ゃないかとか想うと嗚咽がする。

この部屋で、今迄どんな事が行われていたのだろう。

ぼくに植えた薔薇は、誰かに重ねたのかとか、哀しく寂しい気持ちになる。

•••真冬さんはやっぱり大人なんだなあ。
何処か手が届かない場所に居る。

ぼくの夢の女は、音を立てて崩れ堕ちていく
感じがした。

ぼくは夢見がち。
奇跡とか信じては、守ってくれる優しい掌が、出逢う事をしない。

―貴方に出逢った。

夢の女は、身を引いたのだろうか。

それとも

真冬が

キミが

貴方だったのか?


嗚呼、鬱。

君の声
薄れていって
嗚呼、少し
余韻がある様。

真冬さんごめんね。

ぼくは、やっぱり、寂しい。

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