MACHINE ACTOR 〜最強の種族だけど弱い自分の成長までの物語〜

幻想のおやゆび姫

戦闘学園、そして雷色(きいろ)い閃光

あの後しっかりと服を貰って気が付いたら朝が来ていた。
「街は初めてなんだろ?俺が一緒に回ってやるよ」
と青い人が言ってくれたので街を案内してもらっている。
ちなみにこの青い人はハイル・ウォーガンフと名乗ってくれた。
街はとても賑やかで活気溢れており、神もとい魔神とは程遠そうだった。
「ハイルさん、魔神は襲って来ないんですか?」
「そこまでわかんないのか...まぁいいが。
魔神はそんなに沢山沸いてこない、なんせ元々神だからな。そんなに数はいない。だがその眷族の魔人や魔神の魔力から生まれた魔獣などは特に昼間に沸いて出るんだ。」
「夜じゃないんですね」
「あぁ、夜は天使の加護が施される時間だからな、魔の者達は魔神や魔人の元へ帰るんだ」
「そーなんですか...」
つまり魔人にも夜があるわけで
人間と変わらず休むから俺が来てビックリしていたのか。
そんなことを話しながら歩いているととても大きな学校のようなものが見えてきた。
「あれって学校ですか?」
「学校...ではないな、あれは"戦闘学園"といってな、魔の者に対抗する人材を育てていr」
「じゃああそこに入れば戦ったり出来るんですかね!?」
とてつもなく食い気味で話しかける。
それもそのはず、俺はかっこいいことが好きだし憧れているわけで、異世界に来たのなら戦ってみたい
「あ、あぁ。戦えるぞ。学園では戦闘実習で魔獣を倒しに行くこともあるし、学園戦闘祭と言った大会のようなものもある。」
「俺...あそこに入りたいです!!!!!!!!!!!!」
「まぁ、お前は面白いことが出来るやつだからな、確かにいいかもしれんな」
面白いこと?なんのことだろう
「一応俺もここの教師として昼は働いているからな、校長に話してみるとするか」
「本当ですか!ありがt」
話をしながらその学園の校門らしき前辺りまで来た、その時だった、目の前を雷色きいろの閃光が走った。
「.........!?」
一瞬反応が遅れる。そしてまた閃光が来て、目の前で止まった。
そいつは制服姿でちょっとトゲトゲした金髪、目は黒くまるでとても先を見ているかのようだ。身体はまるで雷を帯びているかのようにバチバチと鳴っている。
「センセ!こんな時間に珍しいっすね!」
「...ボルト、お前雷魔法は帯電させやすいからあまり街で使うなと言っただろ」
「いやぁ!それがですね!センセ!遅刻しそうなんすよ!」
キーンコーンカーンコーン
「遅刻じゃねぇか」
「ん?センセがデカくて気づかなかったが」
「ん?」
「センセ、なんですかこの女、転入生ですかぇ?」
「女言うな、一応男ではある...と思ってんだからさ」
「二人とも落ち着け。ボルト、こいつは...そう言えばお前、名前は?」
本当にそう言えばそうだな、名前言ってなかったや
「俺は村雨...」いや待てよ?異世界に来たんだからどうせなら名前変えちまおうぜ?
冒険とか勇気とか確かブレイブだったからブレイバー...とか?うん、いい名前だ。
いやでも...それだけだと...うーん...
「俺の名前は...」
「アクト、アクト=ブレイバーだ」
もうこれでいいや、適当にアクト。変ではないと思う。
「アクトか...女っぽくはねぇな」
「だから違うって」
「だから二人とも落ち着けと何度言わせる。アクトは訳あって今は俺が見ている。学園には多分入るだろうな」
「マジすかセンセ!こいつ入るんすか!」
「こいつ言うな」
「おいお前、アクトっつったな!どんな魔法が得意なんだ!?ちなみに俺は雷魔法だ!」
「俺は...まだよく分からない」
「...はぁ?何言ってんだお前は──」
「お前はさっさと授業を受けに行けボルト。遅刻だぞ」
「あっ!そうだった!センセ!また後で!あとアクト!お前もな!」
そう言ってボルトと呼ばれた青年はこんどは走って校舎へと入っていった
「あの。ハイルさん、俺の魔法って...」
「安心しろ、学園に入ればそこら辺のことは分かるようになる。改めて聞こうか、アクト。学園に入るか?」
なんだかすごく騒がしかった。雷みたいなやつが忙しなくやって来て、通り過ぎて、まるで大勢の人と話した後みたいにドッと疲れた気がする。だけど──
「入る!学園に入ってかっこよくなってやる!」
これからがとても楽しみだ








「うわっ、パパなんか変な人連れてきてるんだけど...」
「...」
「あはははっ!見てっ!レインが遅刻だ!」
「...」
「なんか話してる...なにしてるのかな」
「...あいつ、中々の魔力量だ。私と同じくらいだろう。だが何か違和感を感じる」
「エイト?」
「...メイ、あいつが入ってきたらどうする?」
「知らないけどぉ、楽しくなりそうなんだよね?エイト!」
「...」
「センセ!遅れましたぁ!」
「あ、レイン来た」
「...」
「メイ!おもしれぇやつ見つけた!自分の得意魔法もわかんねぇ女みてぇな自称男だ!」
「...ねぇ、エイト。本当に楽しくなりそうなの?私的にはつまらなさそうだけど。レインが面白いって言ってるし」
「なんだとどチビ!」「今なんて言ったのこのチンピラ!」
「...余計楽しみだ」

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