ダンジョンコアになった俺は最強のダンジョンを目指す!

宇宙 のごみ

Sランク、その真価





 ミラは今は泣きつかれたのか、寝てしまったので取り急ぎ作成した100DPの個人部屋で寝かせている。
 最近は忙しくて色々と考えられていなかったが、今回の件で盗賊を20人近く倒したのでDPが10000近くに増えて、ダンジョンのレベルも現在15まで上がっている。


 一息ついたところで、リストを開いて現状の確認を行っているところだ。


[NEW]
・ダンジョンレベルが10を超えたため、機能開放を行います。
・ダンジョンコアと白凪裕也の親和率が50%を超えました。
・ダンジョン内で新種のモンスターが誕生しました。


 暫く開いてなかったので色々ニュースが溜まっているなあ。
 今、このニュースの新種のモンスターに関しては既に分かっていることだ。
 池いっぱいの"ボイドスライム"が合体してCランク"ボイドスライム・ヒュージ"になっている。


 これはルナが嬉しそうに報告してきたので先んじて知っていた。
 紫色に黒の斑、そんな毒々しいスライムを腕に纏わせているルナを見たときは本当に狂気を感じたよ。「かわいい~」とかなんとか言ってたが何処からどう見ても禍禍しい毒の塊だった。


 そして、このニュースの中でも目につく、親和率。
 ダンジョンコアの俺としてはかなり気になることだが、これに関しても目星は付いていて、今まで体表に出てきていたコアが体内に深く埋まってきた事から読んで字の如く、"俺とコアが親和してきた"ということなんだろう。
 良いことなのか悪いことなのか判断が付きにくいが、感情に呑まれやすくなっているのはこいつのせいだろう。と予測している。




「とりあえず、開放された機能を見てみようか」
 そう言って、ルナに操作を促す。


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[機能開放]
・ダンジョンモンスターの管理が可能になります。
・召喚可能モンスターが増えました。
・作成可能なものが増えました。
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 新機能に関しては俺は大体理解しているので特に気になる項目は無かった。


「ねぇ、ユーヤ。ダンジョンモンスターの管理ってどんなの?」


「あぁ、新機能については説明するよ」


「ダンジョンモンスターの管理 これは一覧表示で現在のダンジョンモンスターの数が確認できる機能だね。実際にやってみてよ」




 そう言うとルナはリストを操作して、新しく追加された『MANAGEMENT(管理)』の項目を選択する。
 この機能はダンジョン内の味方モンスターを一覧表示して管理する機能だ。


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Rank[SS]
 - ルナ・アルフィス<MASTER>
 - 白凪裕也<CORE>
Rank[S]
 - コボル・アルフス<NAMED>
 - ミラ・セレティア<UNIQUE>
 - エンジェル<UNIQUE>
Rank[C] 
 - ボイドスライム・ヒュージ×1
Rank[D]
 - ウルフ×6
Rank[F]
 - ゴブリン×14
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 そうして"管理"によって表示された情報は予想を上回っていた。


 ……!?


「……エンジェルってこんなに強かったのか?」
 スライムがSランクとは。
 横目でエンジェルの方を見ると得意げな顔をしている。ような気がする。


「ミラってSランクなの……?」


「ほう」
 思わず、一緒に見ていたコボルとルナの二人も各々が驚きの声をあげているようだ。


 ルナと俺がSSランクに位置している、という事に関してはダンジョンコアやダンジョンマスターなので理解できる。ランクというのは人間を基準として見たときの種族としての危険値を表すため、無条件でその位置のランクを与えられるからだ。


 しかし、ミラとエンジェル。
 二人……いや、一人と一匹が正確に仲間として認識されているということ。
 そして双方がSランクに位置していること。


 うん、特に後者が気になる。


「…………ミラは晩成型の魔族なんじゃないか?」
 ミラに関してはとりあえず、可能性としてありそうな事をあげていく。
 考えてみるとどんなに落ちこぼれだと言ってもSランクに位置する種族であるミラが初級魔法までしか使えないなんてあるだろうか。


「うーん、私はその種族を知らないかも……。でも、落ちこぼれと言われる私でも3歳位の頃には中級魔法は打てたし、周りの人たちもそれ以上に出来ていたからミラが晩成型っていうのはありえる……かも」


 3歳の頃から中級魔法? 正直それはそれでかなり驚きの情報な訳だが。
 良い歳こいた俺が"成長グリドル"とかいうチート使って中々習得できなかった中級魔法を3歳で習得は少しショックだ。


「そ、そうか、まぁこれはミラが起きたらちょっといろいろ聞いてみるしかないな」
 なんか恥ずかしくなってきたので早々に話題を切り替える。
 それに、もっと気になるのはエンジェルだ。


 なんでこのスライムが……


「エンジェル、お前……戦えるのか?」
 なんか、Sランクだと知ってからこいつをみると少し強そうに見えてくる。


「キューン!」


「ルナ、なんて言ってる?」
 俺はスライム語が分からないので、通訳をお願いする。
 いや、もう多分スライムですらないんだろうけど。


「もちろんっす! って言ってるよ」


「まじか、ちょっとコボルと戦ってみる?」


「キュン!」
 そう言うとルナの頭からエンジェルが飛び降りる。
 これは戦うという意思表示なんだろう。


「……俺か」


「コボル、エンジェルを殺さないでね」
 ルナはコボルに念を押している。
 ルナは当たり前のようにコボルが勝つと思っているようだが、俺は何故だかエンジェルに期待をしていた。
 正体不明のSランクのスライムもどき。
 異世界生まれの俺としてはワクワクしないわけがない。
 これは確実に何かを隠している強キャラだ。




 思わぬ展開になったがこれでエンジェルの正体に迫れる。


 ん? ていうか、ルナにエンジェルの種族を聞いてもらえばいいだけじゃ……。
 そんなことを考えつつもやはり楽しみな俺はそれを口に出さない。


 そして、コボルとエンジェルの戦いが始まる。







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