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ダンジョンコアになった俺は最強のダンジョンを目指す!

宇宙 のごみ

初! 侵入者 続



 ダンジョンの森林階層




 俺達は侵入者の元へ向かう。
 同じような景色。木々の合間を縫って暫く進むと遠目で人影が見えてくる。




「……ルナ」


「うん、分かってる」


 そう言うとスピードを落として気配を消す。
 目標の周囲に脅威や魔力は感じられない。


「入ってきたのは盗賊一人か」


 偵察だろうか、戦力事情を調査してるのか辺りを見回すようにしている。


「作戦通りに行こう」


「分かった、行ってくるね。だから……待ってて」
 そう言ってルナは魔力強化を施して急速に接近する。




「…………。」
 さて、俺の考えが正しければ俺たちはここで大幅な戦力上昇に期待できるはずだ。




 うん、俺も移動始めるか。 
 すぐに援護が出来るところまで。

























 なんとか戦況が見やすい位置まで移動する。
 ルナの先制、盗賊の背後から剣が振るわれた。






 それに合わせるように盗賊風の男は何かを感じ取ったのか身構える。






 ――――ギィン!


 そしてルナの不意打ちであったはずの剣戟は大振りのナイフで受けられた。


 ルナは少しだけ驚いた表情を見せたがすぐに剣を引いて体制を立て直す。


「ウヒュー、あぶねえ! いいねぇ。部下に聞いてた通りだ! ここのダンジョンマスターは女だ!」


 下卑た笑みを浮かべ舌舐めずりしているしているこの男は髭を生やしていて、まさに盗賊。お頭って感じだ。
 しかし、なんだこいつは。
 さっきからルナを舐めまわすように見ている、嫌悪感しかない。






 ただ、それとは別の話として、こいつ不意打ちの攻撃を受け止めた。
 出来るやつの可能性が高い。




 ルナもその言葉にか、攻撃を防がれたことに対してか、顔をしかめている。










「……貴方にはここで死んでもらう」




「――――行きます。 "ブラインド"」


 闇属性初球魔法、相手の視覚を阻害する用途につかわれる魔法。
 ルナを中心に黒の煙のような霧状の魔力が噴出し、資格を奪っていく。
 因みに俺も何も見えない。


「ははは! これも報告通りだ。思った通り。"ウィンド"!!」 
 風を発生させる魔法だ。コボルがよく使う魔法の劣化版、しかしルナの作り出した魔力を霧散させるのには十分だった。


 盗賊はニタリと笑う。


 霧に紛れて攻撃しようとしていたルナの剣先はまたも盗賊に阻まれ、届かない。
 ルナは明らかな対処の速さに攻めあぐねているようだ。


 やはり……慣れている。




 これは懸念事項でもあり、俺たちが望んでいたこと。


 ――――効率化。


 俺はこの世界の事を知らない、ルナも人間社会の事は詳しく知らないだろう。
 おそらく、ダンジョンマスターと戦う時の行動パターン。
 魔法に対する対処やダンジョンに対する対処、そして潰し方。
 そんなものが定型化している、そんな動きをしているように見える。




「はは、ふひ。このダンジョンも当たりだ。女だ! 魔族は美人が多くて楽しませてくれる!! 金になりそうだ……」


 こんな屑みたいなやつがいるのか。
 またってことは1度目じゃない……。


 最低でも2度、ダンジョンを潰している。
 ルナは奴隷になんかさせない。


 俺はダンジョンコア、魔王を魔王たらしめる者。
 敵対するやつ、お前らの仲間、一人だって残さず肥やしにしてやる。






 ……だが、今は我慢。
 餌を撒く段階だ。


 ルナは攻撃を当てようと魔法を織り交ぜた攻撃で盗賊へ攻撃している。
 その様子は普段、ルナと戦闘訓練をしている俺から見ると手を抜いている事が如実にわかる。


「そういえばお前、魔族の癖に初っ端で特大魔法使わないのかと思ったら、落ちこぼれかぁ」


 明らかな挑発、これは最高戦力であろう者の能力を測る戦い。
 やはり向こうは確実にダンジョンを潰す準備が整えてあるんだ。




 そもそも何故、攻撃をしないのか。なぜ戦力の確認をする必要があるのか。
 その答えは―――― "ダンジョンの格"だ。


 ダンジョンレベル。俺たちダンジョンコアは破壊された際に、宝を生み出す。
 それはいままで蓄えた力、ダンジョンレベルに応じて"魔剣"だったり"力"だったりより良いものが生み出されるようになっている。


 まるで殺し合うように出来たシステム。


 更にこの世界にはダンジョンが複数あるとルナに聞いた時から、普通に戦って戦力補強していたんじゃやられる、そんな確証にも似た予感がしていた。


 人間とは極度に効率化を測りたがる生き物だ。
 ダンジョンの攻略も、モンスターの攻略も効率化されていると考えた。
 それを逆手に取る。


 ルナの正面からの剣戟、そのすべてが回避されている。
 そして盗賊はむしろ、回避することだけに集中しているように見える。 


「はは、こいつ!魔力強化の密度も人間と変わらねぇ!!」




「…………。"ダークランス"!!」


 ルナの周りから槍をかたどった魔力の塊が出現する。
 その数、10本程だろうか。
 ルナは打ち合いながら魔法を展開、全てが盗賊に向かって射出される。


 あれ? ルナちょっと怒ってない? そんな魔法、予定にないぞ!


――――ドォン! ドォン!


 木々は倒れ、土は爆ぜていく。
 土煙を派手にまき散らす、だが、おそらく……。




「――――残念!」


「中級魔法をあの数撃って、無傷……」


 ルナは驚くような表情をしている。
 そう、魔力を使った形跡ないのに盗賊は無傷だった。


「入る前に貼ってるからなぁ!魔力障壁、無駄にならなくて助かったぜ!ハハッハァー!」


 そんなものまであるのか。
 警戒しておかなきゃならない部分だな。




「この魔族はほんと可愛いじゃねえか。弱いし、俺が飼ってやりたいくらいだ。」


 そう言って盗賊は床へ何かを叩きつける


 ――――途轍もない音と共にまばゆい光が放たれる。
 とてつもない視覚、聴覚への衝撃




 離れていた俺でこの衝撃
 ルナは発生源からかなり近い!


 これは……スタングレネードのような……!?
 想定外だ!


 しかし、このタイミングだ!
 飛び出すタイミング。これを待っていた!!




「――――ルナ!!!」
 未だに耳鳴りと目まいが残る中、茂みから駆け出して剣を振るう。
 魔力強化は普段の半分ほどの力で施す。




 お前は偵察していたやつらの仲間だ。
 それは最初のルナとの会話で実証済み。


 つまり、お前の過度な煽りは、俺をあぶりだすためのモノ!!


「やっとでてきたかぁ!もう一人!」


 まるで答え合わせ。
 俺の考え通りだ!


「ははは!こいつぁ傑作だ!また雑魚の魔族。美味しいダンジョンを見つけたもんだぜ!」


「黙れ!!」
 怒りの熱に浮かされた演技をして、剣を振るう。 


「おっとぉ!」
 くっ、これも躱すか!
 若干狙いに行ったのに! こいつに一発くらい当てたかった。




「じゃあそろそろ俺は帰るわ! 精々残りの時間楽しんでくれよ!」
 そう言ってダンジョン出口へ駆けていく。
 ずっと出口へ逃げれるような位置取りで戦っていたからな。


 俺の実力を確認してすぐに撤退。
 あれが定型通りなんだろうな。




 さて……。


「ルナ、大丈夫?」
 ルナはスタングレネード……のようなものを近くで食らっているため、まだ立てないのか片膝を付いた状態だ。




「ごめん、もう少し早く出てくればよかった」
 続けて謝罪する。




 暫く近くで背中をさすってあげる。
 どうやら感覚が戻ってきたようだ。


「最後に失敗しちゃったよ……。」


「いや、あれは俺も想定外だった。今度から気を付けないと。」
 俺も若干食らってしまったからなぁ。
 反省しなきゃ。


「あ、そうだ。私の演技どうだった?」
 そう言ってルナはニヤっとする。


「迫真だったね。俺も途中でルナが怒ってると思ったよ」


「まあね」
 そういってフフンと鼻を鳴らす
 ルナ絶対怒ってたけどね、途中!
 ダークランス10発とか予定になかったよね?






 でもまぁ、これであの盗賊は俺たちを"養殖"。
 ダンジョンレベルを引き上げるために自分たちの制御可能だと思われるレベルまで引き上げるようしてくれる筈だ。




呑み込もうじゃないか。すべてを。

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