最弱な能力《スキル》でもあり最強の能力《スキル》でもある俺の能力《スキル》 ~どうにも俺は対人間には使えるけど、対モンスターにはほぼ使えない能力《スキル》だったらしい~。

鶉 夜宿

第12話

 受付嬢への冒険者登録を済まして、証明書をもらい、すっかりと冒険者となった静波は、ミラの背中を追いかけつつあるところへと向かっていた。 
 それは、ミラのパーティーメンバーのところだ。
 基本、冒険者は一人でも仕事が出来るのだがミラさんがどうしても来てほしいとお願いされた。
 一体、何事かと仕方なくついてきた静波。

「なあ、ミラさんのパーティーメンバーに俺がなんの用なんすか?」

「それは秘密です」

人差し指を口に添え、なにを考えているのか分からない笑みを浮かべてながら人を掻き分けて進んでいく。
 ため息をつきながら、こっそりと逃げようとした瞬間………、テーブルで腰かけている二人の少女たちのもとに行く。

「待ってたわよミラ。遅かったじゃない」

「すいません。ちょっと遅れました」

「…………」

話でたぶんこの二人の少女たちがパーティーメンバーだと解釈できた。
 一人は机に手をのせミラと会話を弾ましている。
 容姿は黄金色の腰まである滑らかな髪に、輝いて見える薄紫の瞳、特徴的な尖っているような耳。たぶんエルフだ。
 年齢は自分と同じくらいか。
 シンプルな灰色のコートにその華美な装飾は特になく青色にレモン色が少々といった服を着こなしているところが見える。
 横のもう一人は小柄な少女で、ブラウンに染めてあるようなまるで綿毛のようにふわふわしてそうな髪に獣人族の特徴ともいえるその上の髪と同じ色の耳が垂れて生えている。
 真紅の瞳、表情の分かりにくい顔をしている。
 身軽そうな白色と朱色が喧嘩をしないように混じりまるでチャイナ服のようであり、そして汚いフードを頭から掛けている。

「もう、ミラが待ち合わせの時間決めたのに……….。
 当の本人が遅れてくるって………」

「すいませんってさっきも言ったでしょ。……もうっ」

静波はその女子たちの会話に戸惑っている様子だった。
 
(自分は一体、なにしにここに来たのだろう、ていうか、自分だけ場違いじゃねぇ?) 
 
その清々しい顔でその光景を眺めているか、そーっと、逃げようか試みるか悩む。

(いや、ここはもう逃げるか……)

再度、足先をそーっと遠くへ遠くへと逃げようとする。

「逃げないでくださいね?」

が、その選択はミラによって虚しく散った。
 居づらいところになぜこうも逃げられないのだ。
 静波はそう思った。

「あっ、そうでした。二人に紹介したい人がいるんですよ」

 すると、なにかを思い出したかのように静波の手を引っ張り、二人の前に紹介する。

「この人、一緒に冒険者登録をした静波さんなんだけど、この人をわたしたちのパーティーに入れたいと思うんだけど、いいですか?」

「「え?」」

「………………」

……………………………。
 沈黙。そしてーーー。

「「えぇーーーっ!?」」

一人を除いて、二人は驚きの表情を見せたのであった。

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