王国の騎士

吟遊詩人

決着

「くっ…!」

どれだけ撃ってもそれが致命傷になる気配がない…ずっと走らせてるせいで馬も走るペースも落ちている。
銃の弾ももう残りが少ない…
【引くか?】
いや、まだ手はある…
【ヤツの光線は撃つまでに時間が少し掛かる】これは2発目を撃たれたときに得た確信だ。あの後生存者の騎士隊の面々が逃げようとした際に気づいた。
そして何より人数がある程度固まらないと撃つことはない、人数が多いとこが優先…
推測ではあるがな。
そしてバラバラに逃げろと私が指示をだし逃げた騎士隊の面々が実力者を集めてくれているハズだ。

言うならば持久戦、馬の速度からこちらの方が断然有利
…とは言い切れないな。
持久戦なのは変わらないがそれは前にいた連中だって行っていたハズだならば何故虐殺をされた?
光線は街の被害で分かる。恐らく私が来るまでに2、3度しか撃たれていなかった。

…動きを止めた?
怪物がこちらを見ている…何をするつもりだ?

【だぁ】

毎度の糞みたいな鳴き声

【だぁ、だぁだぁ?だぁだぁたぁ、】

違和感

「引くぞ!!!」

大声を上げる。馬を思い切り走らせ距離を取る。何かが異常だ、今までパターンとは違う

【怪物が走り出した】

赤ん坊の見た目だけありハイハイでだ。


だが、早すぎる、
距離がつまる
早く…

離れろ…
距離を開けろ…

「畜生が…」


…追い付かれた、

手が伸びる

目と鼻の先、指が当たりそうだ

                             笑う。

アイツが、
そして
ヤツの目に映る私が、

「…取って置きだ、くらいな」

銃剣をヤツの目に突き刺す。
そして
銃剣に取り付けられたスイッチを入れ怪物が悲鳴を上げる隙に離れる。

【ゴオォォォ】

…エネルギーを溜める音

ヤツが目を押さえる
馬を走らせる

【ドォゴォォォン】

空気を切り裂く雷にも似た爆音
騎士隊の首席として渡された私の銃剣に設備された特殊な機能、【フルバースト】反動が大きく持ったままに使用すれば反動で腕が吹き飛び使用者の半身を失うほどの破壊力
固定する必要があった。
なるべく柔らかい部位に刺すなどをして…

「やって…やったぞ…」

体制を保てなくなり馬から転がり落ちる…

いい馬だ、私が落ちた際に暴れる訳でもなくゆっくりと足を止め私のそばにいる…
驚き、踏まれ、蹴られそのまま死ぬような事がなくて良かった。なんてのんきなことを思ってしまう









【だァァァァ】

…動けないんだ

【だァァァァあだぁァ】

嘘だと言えよ

【だァ?】

馬が逃げる
まて、いくな、私を、
俺は、死にたくない
助け…

うつぶせの私の目に、ヤツが除き混む

肉が剥がれ片目がとれ、骨がむき出しになった

怪物が、いる

【捕まれる】
【持ち上げられる】
【視界が上がる】
【腕がぶらりと力なく垂れ下がる】

【怪物が、口を開く】

「助け

言葉が終わるより先に落とされる










衝撃はない、だが生きて…いる?
「僕は君に敬意を評する」
誰かの声、優しくどこか安心させてくれる声

「眠っていてくれ後は僕たちが相手をする」
抱き締められる、

意識が…途切れる

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