2話 冒険家

モニュメン

 地図を何度も見ながら数時間歩き続けてようやくたどり着いた。
 町の市場は活気に溢れている。

おっちゃん「おい、そこ黒髪のねーちゃんこの魚どうだい？」

夢華「い、いえ…遠慮します」

夢華（だってお金ないもん……）

 夢華は軽く町を散策し、今後の事について考えた。

夢華「もし私が転生したとして、戻る方法があるかどうかを調べないと……その為にはRPGで良くお世話になる酒場に行って情報集めだ〜〜」


酒場

 酒場内に入った夢華が真っ先に話しかけたのが酒場のマスターだった。

夢華「あの〜〜。私、この世界とは違う世界に来た者なんですけど、元の世界に帰る方法を知っている又は知っている人物を知りませんか？」

酒場のマスター「ビール一杯、銀貨なら100枚」

夢華「あの〜〜」

酒場のマスター「鳥の丸焼き、銀貨なら200枚」

夢華「あの〜〜私この世界のお金持ってません」

酒場のマスター「なら出て行ってくれ。何も注文しない客に情報はあげられないよ」

？？？「じゃあこの子に鳥の丸焼き1個」

 背が高く、金髪の髪に耳が長く、上半身の胸部を鉄プレートにして、動きやすく、防御力もある装備になっており、腰に長さ1m近くもある剣が鞘に収められていた。

酒場のマスター「あいよ。……悪いが別世界から来た奴を元の世界に戻す方法なんて知らないな。まずお前の脳を疑うぜ。頭でも打ったかい、お嬢ちゃん？」

夢華「真面目に質問してるのに……あ、情報を得る為に協力してくれてありがとございます。お金は持ってないんですけど………」

？？？「ああ〜〜いいんだよそんな事は、困った時はお互い様だろ。君は〜その格好を見る限り僕達と同じ冒険家のように見えるけど、まだ登録してないのかい？」

夢華「冒険家？」

？？？「簡単に説明すると、こう言った酒場や情報屋、又はギルドからの依頼を受けて、成功した報酬で食べて行く職業さ」

夢華「ほうほう」

？？？「冒険家にはランクが存在し、ランクによって受けれる依頼が変わって来る。ランクが高いと報酬が多い依頼を受ける事が出来る。その分、依頼内容は難しくなるけどね」

夢華「ランクはどうやって決めるんですか？」

？？？「ランクはその人の活躍によって上がったり、下がったりする。良い活躍をしたり、周りからの評価が良くなると、ギルドからランク昇格の手紙が届く。素行が悪かったり、違法行為をすると降格をされる。ランクは下からF、E、D、C、B、A、S の順番さ」

夢華「冒険家になるには？」

？？？「ギルドに行って、窓口員に冒険家になりたいと言えば、その場で冒険家になる為の書類が渡され、それにサインするともう冒険家だ。なった後は窓口員から詳しい事の説明を受けて、このワッペンを貰う」

 冒険家が見せたのはCのマークが付いているワッペンだった。

夢華「C……」

？？？「もちろん最初に渡されるのはFのマークが付いているワッペンだけどね」

夢華「冒険家……」

？？？「ランクを上げて知名度を高めれば、もしかしたら君を元の世界に帰せる方法を知ってる人に会えるかもよ」

夢華（このまま何もしないって訳には行かない。冒険家になって色んな人に会って情報を集めるのもありかもしれない……）

夢華「分かりました。私、冒険家になります。ギルドはどこですか？」

？？？「ギルドはこの店を出て左に行くとギルドって書かれてる看板を付けてる建物が見えるはずだよ」

夢華「ありがとうございます」

クリス「俺の名前はクリスだよ」

夢華「ありがとうございますクリスさん。私の名前は夢華です」

クリス「頑張れよ〜〜夢華〜〜」

夢華は止まらない。自分の世界に戻る為に。