異世界転生 〜奴隷からの成り上がり〜

ぴえろ

試練

「痛ぇ、どこだここ?」

俺は頭から地面に落ちていた。どうやらどこかの洞窟の中らしい。太陽の光が一切差してこない。しかし、洞窟の中が見えるのはそこら中の壁に張り付いて緑色に発光している苔のおかげだ。鑑定眼で見てみると

緑光苔
洞窟の中に群生しており、淡い緑色に光る。また、洞窟内の水の成分によっては青色に光ることもある。

「異世界では定番だな
しかし、試練を〜とか言ってたけどどんな試練だ?全く想像がつかん」

そんな事を考えながら進んでいると、ふと違和感を感じた。流石にこの洞窟内での違和感は危険だと思い、必死になって違和感の正体を探した。しかし不自然な所は見当たらない。鑑定眼を発動して洞窟内を見たが、異常無しと出るばかりだ。

「いや、洞窟内は不自然なんかじゃない!俺がおかしいんだ!」

気付いた時には視界が白くぼやけ、手足が痺れてその場に倒れ込んだ。

「クソ!麻痺か!それに倒れているから分かるが何か近付いてくる!しかも複数体!やばい!こんな手足が痺れてまともに動けない状態で戦えってのか?!これが試練の正体か!」

そう叫んだ途端、目の前の角から全身鎧を着込んだスケルトンが姿を見せた。しかも、後続からも続々と現れ、合計で50体にも及んだ。鑑定眼で確認すると

スケルトン・オーバーデッド(全身鎧)
上位のスケルトンが突然変異した存在。平均レベルが300を超える。Sランク迷宮「死神の迷宮」(未発見)にのみ存在する希少種

「クソが!でも殺らなきゃこっちが殺られる!あの謎の声の主に会って竜王を殺せるだけの力を手に入れるんだ!せっかく生き延びたんだ!意地でも生き延びてやる!」

そう叫ぶと未だに力の入らない手足を無理やり動かし、スケルトンの群れの中に突っ込んで行った。





「おらぁぁぁ!!!!死ねやあぁぁ!!」

そう叫びながら双剣を無我夢中で振り回している。最初は冷静に倒していたが、途中からは冷静にしていると殺られると理解し、やたらめったらに振り回している。
もう何体倒したのかも分からない。
そして、もう何回切り付けられたのかも覚えていない。既に痛みは無くなり、指先の感覚も麻痺してきた。

カラン

その音でふと我に返った。今倒したスケルトンが最後の1匹だったのだ。すると、

(よくぞ試練を乗り越えた。これより汝に道は開かれる。我が前にこられよ)

すると再び足元に石板が現れ、発光しだした。

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