異世界転生 〜奴隷からの成り上がり〜
竜の谷攻略戦5
あれから順調に攻略は進んで行った。しかし、俺は最初の若竜討伐以来、檻の外に出しては貰えなかった。変わりにほかの奴隷達が徐々に減っていった。帰ってきた人ももちろん居たが、ほとんどは帰ってこなかった。理由は分かり切ってきる。
囮に使われているのだ。最初の若竜以来1回も竜に出会っていないのは、こちらが先に竜を見つけ、その度に奴隷を囮にして接触を避けていたのだ。
俺は防御魔法が使えるから囮にされてはいない。もちろん、死にたくないからほっとしている気持ちもあるが、やはり先程まで近くにいた人が帰ってこないのは辛い。
そういう事を繰り返しているうちに3日が過ぎた。毎日奴隷達が減って行くかわりに兵士達は戦わなくて済んでいる。
「全軍停止!」
その声で俺は目を覚ました。顔を上げると目の前には大きな門があった。
「ここが最奥の門だ!これより我々は最古竜と戦うことになる!ここで休息をとり、攻略を再開する!全軍心してかかれ!」
「「はっ!!!」」
どうやらこの門の奥にいる最古竜を討伐すれば攻略戦は終わるらしい。
だけど正直若竜の討伐を見ていたので不安しかない。
「この軍隊で最古竜に勝てるのか?」
俺の疑問に答えるものはなく、着々と準備が進められていく。
そして、何も起きないまま3時間ほどが経過した。
「全軍!これより攻略を再開する!
最古竜を討伐すれば我々はこの竜の谷を初めて制覇することになる。それは他の国への抑止力となり、我国が繁栄するための第1歩である!」
「「はっ!!!」」
「全軍、前進せよ!」
その声とともに軍隊は再び動き出した。
しかし、異変はなんの前触れもなく突然起きた。
一瞬地面が揺れたかと思うと、最前線にいた兵士達が消えたのだった。
「なっ?!
どうなっている?!なぜ最前線の兵士達が消えたのだ?!」
ルーザーが俺の前の馬車の中で叫んでいるのが聞こえる。
すると、
「我の住処を荒らす不敬な人間共よ
1匹残さず始末してくれるわ!」
と、とてつもなく大きい声が竜の谷全体に轟いた。
ハッとして門の方を見ると、門が開いており、その奥には最古竜と思われるとてつもなく大きい竜が1匹こちらを睨んでいた。
「最古竜だ!全員隊列を組め!」
「隊長!上空に数十匹の竜の姿を確認!こちらに向かってとんできております!」
なんと、竜の谷の、それも最奥の門に近い所に生息していたほかの竜よりも強い竜が最古竜の声に応じてこちらに向かって来ていたのだった。
「全員退避!全速力で逃げよ!王女様を最優先に逃がせ!奴隷を使って足止めをしろ!」
隊長がそう叫ぶと奴隷の檻が降ろされ、全員が外へ出された。すると、ルーザーがそこへ来て、
「よいか、貴様らはここで我々が逃げるための時間をつくれ!嫌ならば即刻この場で処刑する。なお、この場から生きて帰還できたものは奴隷から解放することを約束しよう。」
周りを見ると全員が絶望した顔をしていた。
それもそうだ。生きて帰れるわけがない。たとえ生きていたとしたても重傷であることには間違いはない。結局のところ死ぬ運命なのだ。
奴隷達がルーザーに反論する前にルーザーは馬車に乗って逃げて行った。
この場には奴隷だけが残された。
全員が呆然としていると、後ろから追いかけてきた竜たちの足音が近づいてきた。
「・・・嫌だ。死にたくない。
嫌だァ”ァ”ァ”ァ”ァ”!!!!
まだ死にたくないよぉぉぉぉ!!!!!」
奴隷のうちの1人がそう言って走り出した。すると、
「お、俺もまだ死にたくない!」
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」
「逃げてやる!まだ死んでたまるか!」
全員が散り散りに逃げ始めた。追ってきていた竜はそれぞれの奴隷を追って行った。
1匹は俺の方に向かって突進してきた。
「死んでたまるかぁぁぁ!!!!!」
俺はそう言って全力で逃げ出した。
囮に使われているのだ。最初の若竜以来1回も竜に出会っていないのは、こちらが先に竜を見つけ、その度に奴隷を囮にして接触を避けていたのだ。
俺は防御魔法が使えるから囮にされてはいない。もちろん、死にたくないからほっとしている気持ちもあるが、やはり先程まで近くにいた人が帰ってこないのは辛い。
そういう事を繰り返しているうちに3日が過ぎた。毎日奴隷達が減って行くかわりに兵士達は戦わなくて済んでいる。
「全軍停止!」
その声で俺は目を覚ました。顔を上げると目の前には大きな門があった。
「ここが最奥の門だ!これより我々は最古竜と戦うことになる!ここで休息をとり、攻略を再開する!全軍心してかかれ!」
「「はっ!!!」」
どうやらこの門の奥にいる最古竜を討伐すれば攻略戦は終わるらしい。
だけど正直若竜の討伐を見ていたので不安しかない。
「この軍隊で最古竜に勝てるのか?」
俺の疑問に答えるものはなく、着々と準備が進められていく。
そして、何も起きないまま3時間ほどが経過した。
「全軍!これより攻略を再開する!
最古竜を討伐すれば我々はこの竜の谷を初めて制覇することになる。それは他の国への抑止力となり、我国が繁栄するための第1歩である!」
「「はっ!!!」」
「全軍、前進せよ!」
その声とともに軍隊は再び動き出した。
しかし、異変はなんの前触れもなく突然起きた。
一瞬地面が揺れたかと思うと、最前線にいた兵士達が消えたのだった。
「なっ?!
どうなっている?!なぜ最前線の兵士達が消えたのだ?!」
ルーザーが俺の前の馬車の中で叫んでいるのが聞こえる。
すると、
「我の住処を荒らす不敬な人間共よ
1匹残さず始末してくれるわ!」
と、とてつもなく大きい声が竜の谷全体に轟いた。
ハッとして門の方を見ると、門が開いており、その奥には最古竜と思われるとてつもなく大きい竜が1匹こちらを睨んでいた。
「最古竜だ!全員隊列を組め!」
「隊長!上空に数十匹の竜の姿を確認!こちらに向かってとんできております!」
なんと、竜の谷の、それも最奥の門に近い所に生息していたほかの竜よりも強い竜が最古竜の声に応じてこちらに向かって来ていたのだった。
「全員退避!全速力で逃げよ!王女様を最優先に逃がせ!奴隷を使って足止めをしろ!」
隊長がそう叫ぶと奴隷の檻が降ろされ、全員が外へ出された。すると、ルーザーがそこへ来て、
「よいか、貴様らはここで我々が逃げるための時間をつくれ!嫌ならば即刻この場で処刑する。なお、この場から生きて帰還できたものは奴隷から解放することを約束しよう。」
周りを見ると全員が絶望した顔をしていた。
それもそうだ。生きて帰れるわけがない。たとえ生きていたとしたても重傷であることには間違いはない。結局のところ死ぬ運命なのだ。
奴隷達がルーザーに反論する前にルーザーは馬車に乗って逃げて行った。
この場には奴隷だけが残された。
全員が呆然としていると、後ろから追いかけてきた竜たちの足音が近づいてきた。
「・・・嫌だ。死にたくない。
嫌だァ”ァ”ァ”ァ”ァ”!!!!
まだ死にたくないよぉぉぉぉ!!!!!」
奴隷のうちの1人がそう言って走り出した。すると、
「お、俺もまだ死にたくない!」
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」
「逃げてやる!まだ死んでたまるか!」
全員が散り散りに逃げ始めた。追ってきていた竜はそれぞれの奴隷を追って行った。
1匹は俺の方に向かって突進してきた。
「死んでたまるかぁぁぁ!!!!!」
俺はそう言って全力で逃げ出した。
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