世界がきえるその時まで

大空 ヒロト

カレー

今日の夕飯はカレーだ。母さんが仕事のため俺たちで作らなくてはならない。

「よし作るか」

「うん!…」

幻は母さんのエプロンをつけてやる気まんまんだ。俺がやるからいいといったのだが手伝うと言ってきかなかった。

「ちなみにカレーの作り方しってるか?」

「………しらない」

「ですよねー」

不安だ。

「まぁおおまかに説明すると野菜を切って肉と炒めて水を入れて煮込んでルーをとかせば完成だ」

「わかった。がんばる…」

「じゃあ玉ねぎをきってくれるか?」

「うん」

俺は切り方を教えじゃがいも、人参の皮をむいていく。

「でもカレーはそんなに難しくないから、おぼえような幻ってうわ!」

俺が振り向くと幻の目から涙が大量にながれていた。

「しゅう~目が痛い………」

「言ってなかったな、玉ねぎはいたくなることがあるからな。ほら幻じゃがいも切ってくれ、俺が玉ねぎやっとくから」

「うぅ、いたい……」

こうしてなんとかすべての食材を切り終え炒めていく。そして水を加え煮込みにはいった。

「どうだ幻、じゃがいもとかやわらかくなったか?」

ぷす
幻がさいばしをさして確認する。

「ささった」

「よし、じゃあルーをいれるか」

「これ?」

幻はルーの入った箱をもっていた。

「あぁそれだよ。明日の分もだからそれ全部いれちゃってくれ。俺はごはん盛っとくからな」

俺はごはんを盛っていく。俺と幻の2つ分。

「いれられたかー?」

「うん」


「キャァァァァァァァァーーーーー!?箱からだしてぇぇぇぇぇぇぇぇーーー」

鍋の中には箱ごと○ーモン○がういていた。俺は急いで取り出す。なんとか間に合ったようだ。

「ま、幻。俺が悪かったが箱からだしていれてな」

「ごめん」

「いいよ、次からな」

「うん!」

そして

「よし、これで完成だ!」

「完成…」

ごはんの上からカレーをかける。いろいろあったけどとってもおいしそうだ。ふたり手をあわせ

「いただきまーす!!」

ぱく ぱく

「やっぱりうまいな、幻はどうだ?」

「おいしい」

「そうか、良かったな」

「うん、もっといろいろやってみたい」

「それも良いかもな、まぁ俺に教わるより母さんに教わった方がいいとおもうけど」

「ううん、修がいい……」

「俺か?」

「うん」

「まぁおまえがいいならいいけど…よしわかった俺がもっといろいろ教えてやるからな」

「うん!ありがと」

幻は笑顔でこっちを向いた。俺は一瞬ドキッとしてしまったがふりはらう。そして俺は幻にいろいろ教えていきたいとおもった。とりあえずはこの楽しい時間を大切にしようと。

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