テンプレ幼なじみに俺は憧れを抱かない
第30話 班決めの時の孤高のぼっち(笑)
進side
修学旅行。
それは学生にとって大きなイベントである。
本来の意味では学を修めるために行く旅行、という意味であるが、同級生と共に遠い地へ行き、その場所でしか出来ない体験をして共通の思い出とするというのが現代の高校生達にとっての意味となるだろう。
·····いや、どちらも似たようなものか。
まあ、とにかくだ。
この修学旅行というのは学生にとっては、とても意味あるものであり、心待ちにしているものでもあるというのは分かってもらえただろう。
そんな修学旅行が間近に迫っている今の俺の心境は……、
「2人余っているので、この2人をどこかのグループに入れてあげて下さい〜」
率直に言って、
この世からそんなもんすぐに消えちまえ、
である。
現在、俺のクラスでは修学旅行での班を組んでいるところだ。
修学旅行の間、ほとんど、一緒にいることになるので、当然、仲の良いもの同士で組むことになる。
班の数は、部屋なども一緒になるため、男18人から4グループ。
もう分かっていただけただろう。
つまりは、調理実習の時と状況が完全に一緒である。
いや、少し違ったか、今回は、前回休んでいた田辺くんもいる。
うん、あれだな。
別に一人が二人になった所で、この居心地の悪さは全く変わらないな。
むしろ、さっきから田辺くんが俺の方をチラチラと見て、俺がその視線を感じ、田辺くんの方を見ると、目を逸らすという状況のため、前回はなかった気まずさが増えてさらに悪化している。
はあ……。
正直、班とかいいんで、一人で行動させて欲しい。
だいたい、集団行動が苦手な俺が複数人と行動を共にするというのが間違っているのだ。
ん?
一人意識をトリップさせている間になんか騒がしくなってるんだが。
「田辺、うちの班に来いよー」
「おいおい、田辺はうちの班に来るんだぞ」
「いや、田辺はうちの所に来たいそうだ」
田辺くんの人気が怖い。
え、なんで、ほんとうにそんなに人気なの?
俺が知らないだけで、お前って実はクラス中の人気者だったのか?
どうやら、彼が余ったのも班同士が互いに牽制し合っていたかららしい。
当人の田辺くんは、「あはは……」と苦笑しながら、俺の方に視線を向けてくる。
知らねえよ。
なんなの?
そこから、しばらく経って結局はジャンケンとなり、田辺くんの班は決まった。
「天羽君を入れてくれる班はいませんかー? 」
先生も残り物の俺の扱いに困っている様子だ。
先程までの田辺くんの奪い合いとは打って変わって、不気味なほどまでに静まり返った教室。
一足早く、グループ決めが終わった女子達はこちらを見て、暇そうに早く終わらないかなーという顔をしている。
亜梨須の方に視線を向けると、同情と、憐憫の眼差しを向けてくる。
妃愛蕾さんの方に視線を向けると、頑張れ〜と視線で訴えかけてくる。
·····地獄のようなこの状況で修学旅行のことを好きになれるわけないだろう。
「天羽、良かったらうちの班に来ないか? 」
なんか、この光景前も見たな。
困り果てた俺とクラスメイトを救ったのは皆の人気者、高橋明くんでしたー。
·····全てを綺麗に丸く収めることのできるイケメン、嫌い。
***
というわけで、こうして修学旅行の班決めが終わった俺であった。
これは余談だが、亜梨須と妃愛蕾さんは同じ班になったらしい。
良かったね。
最近の俺の悩みは孤高のぼっちであることの弊害が世の中には多すぎることだ。
2000pv突破ーー!
修学旅行。
それは学生にとって大きなイベントである。
本来の意味では学を修めるために行く旅行、という意味であるが、同級生と共に遠い地へ行き、その場所でしか出来ない体験をして共通の思い出とするというのが現代の高校生達にとっての意味となるだろう。
·····いや、どちらも似たようなものか。
まあ、とにかくだ。
この修学旅行というのは学生にとっては、とても意味あるものであり、心待ちにしているものでもあるというのは分かってもらえただろう。
そんな修学旅行が間近に迫っている今の俺の心境は……、
「2人余っているので、この2人をどこかのグループに入れてあげて下さい〜」
率直に言って、
この世からそんなもんすぐに消えちまえ、
である。
現在、俺のクラスでは修学旅行での班を組んでいるところだ。
修学旅行の間、ほとんど、一緒にいることになるので、当然、仲の良いもの同士で組むことになる。
班の数は、部屋なども一緒になるため、男18人から4グループ。
もう分かっていただけただろう。
つまりは、調理実習の時と状況が完全に一緒である。
いや、少し違ったか、今回は、前回休んでいた田辺くんもいる。
うん、あれだな。
別に一人が二人になった所で、この居心地の悪さは全く変わらないな。
むしろ、さっきから田辺くんが俺の方をチラチラと見て、俺がその視線を感じ、田辺くんの方を見ると、目を逸らすという状況のため、前回はなかった気まずさが増えてさらに悪化している。
はあ……。
正直、班とかいいんで、一人で行動させて欲しい。
だいたい、集団行動が苦手な俺が複数人と行動を共にするというのが間違っているのだ。
ん?
一人意識をトリップさせている間になんか騒がしくなってるんだが。
「田辺、うちの班に来いよー」
「おいおい、田辺はうちの班に来るんだぞ」
「いや、田辺はうちの所に来たいそうだ」
田辺くんの人気が怖い。
え、なんで、ほんとうにそんなに人気なの?
俺が知らないだけで、お前って実はクラス中の人気者だったのか?
どうやら、彼が余ったのも班同士が互いに牽制し合っていたかららしい。
当人の田辺くんは、「あはは……」と苦笑しながら、俺の方に視線を向けてくる。
知らねえよ。
なんなの?
そこから、しばらく経って結局はジャンケンとなり、田辺くんの班は決まった。
「天羽君を入れてくれる班はいませんかー? 」
先生も残り物の俺の扱いに困っている様子だ。
先程までの田辺くんの奪い合いとは打って変わって、不気味なほどまでに静まり返った教室。
一足早く、グループ決めが終わった女子達はこちらを見て、暇そうに早く終わらないかなーという顔をしている。
亜梨須の方に視線を向けると、同情と、憐憫の眼差しを向けてくる。
妃愛蕾さんの方に視線を向けると、頑張れ〜と視線で訴えかけてくる。
·····地獄のようなこの状況で修学旅行のことを好きになれるわけないだろう。
「天羽、良かったらうちの班に来ないか? 」
なんか、この光景前も見たな。
困り果てた俺とクラスメイトを救ったのは皆の人気者、高橋明くんでしたー。
·····全てを綺麗に丸く収めることのできるイケメン、嫌い。
***
というわけで、こうして修学旅行の班決めが終わった俺であった。
これは余談だが、亜梨須と妃愛蕾さんは同じ班になったらしい。
良かったね。
最近の俺の悩みは孤高のぼっちであることの弊害が世の中には多すぎることだ。
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