テンプレ幼なじみに俺は憧れを抱かない
第26話 夏の終わりは……
亜梨須side
目が覚めると、もう夕方だった。
少し寝すぎたかな……。
お昼寝のつもりだったが、どうやら、寝すぎてしまったみたいだ。
私はベッドから降りて、眠気を覚ますために、洗面所へと向かい、顔を洗った。
冷たい水が肌に触れて気持ちいい。
タオルで顔についた水滴を拭き……、
ふと鏡を見ると、鏡の中の人物が一瞬誰か分からなかった。
そこには死んだような目になり、やつれた顔の少女がいた。
今の私の姿だ。
そういえば、ここ最近鏡を見ていなかったなあ。
私は洗面所を出ると夕食の準備をするため、台所に向かった。
何を作ろうかなと思って冷蔵庫の中を見ると、そこにはもうあまり食材が残っていなかった。
あれ? 買い忘れてたっけ?
そういえば、最後に買い物に行ったのはいつだったかな……。
全然、思い出すことが出来ない。
仕方が無いので、私は夕食の材料を買いに行くため、スーパーに行くことにした。
***
外の空気は夕方ということもあってか、少し肌寒かった。
こういう寒さみたいなものを感じると、夏が終わるんだなあって私は毎年のことながら思っている。
いつの間にか、スーパーに着いていたようだ。
私はスーパーの中に入り、買い物をした。
買い物を終えて、また、もと来た道を戻った。
***
夕食を終えて、しばらく経った頃……。
そろそろ、お風呂に入ろうかなあ。
私は着替えを持って脱衣所へと向かう。
浴槽の蓋を開けて、浴槽の中に入った。
お風呂の湯気が浴室を満たしていく。
肩まで浸かると、心地のいい温かさが体全体に広がってきた。
―――すでに湯気でいっぱいになり周りがぼやけている浴室の中で私は一人、あの時のことを思い出す。
あの、お祭りの日の事だ。
あの日、私は聞いてしまった。
妃愛蕾さんが進に告白するのを……。
そして、進もそれをOKして……。
それから、先のことは私には分からない。
私はその事実を受け止めきれずに、その場から逃げるようにして去ったからだ。
思わず、泣いてしまったし……。
あれから、進には、
『ごめん、用事があるから先に帰る』
とだけ、メールで送り、それ以来全く会っていない。
ホントのことをいえば、進と妃愛蕾さんの関係が凄く気になっている。
もし、あの時の告白が聞き間違えだったら?
そう思う自分も確かにいるのだ。
でも……、もし、本当なら。
私は立ち直ることが出来ないかもしれない。
七夕の時に進にちゃんと思いを伝えるって決めたはずなのに。
だから、二人に聞く訳には行かない。
もうすぐ、長かった夏休みも終わる。
そうしたら、学校に行くことになり、嫌でも進と妃愛蕾さんを目にすることになってしまう。
その時になったら、私は二人と、自然に話すことが出来るんだろうか?
自分では、無理だと思っている。
だったら、二人とは合わないようにするのか?
それはとても寂しい。
じゃあ、どうすれば……。
そんな思考を繰り返していくうちに、わたしの意識は薄れていき……。
―――いけない、いつの間にか寝てしまっていたようだ。
私は少し冷めてしまったお風呂から出た。
***
寝る前、布団の中に入っても同じことを考えてしまう。
どうすればいいんだろう?
私はどうするべきなんだろう?
ねえ、誰か私に教えてよ……。
私のそんな願いは、誰にも聞いてもらえず、ただ、時間だけが過ぎていくのであった。
目が覚めると、もう夕方だった。
少し寝すぎたかな……。
お昼寝のつもりだったが、どうやら、寝すぎてしまったみたいだ。
私はベッドから降りて、眠気を覚ますために、洗面所へと向かい、顔を洗った。
冷たい水が肌に触れて気持ちいい。
タオルで顔についた水滴を拭き……、
ふと鏡を見ると、鏡の中の人物が一瞬誰か分からなかった。
そこには死んだような目になり、やつれた顔の少女がいた。
今の私の姿だ。
そういえば、ここ最近鏡を見ていなかったなあ。
私は洗面所を出ると夕食の準備をするため、台所に向かった。
何を作ろうかなと思って冷蔵庫の中を見ると、そこにはもうあまり食材が残っていなかった。
あれ? 買い忘れてたっけ?
そういえば、最後に買い物に行ったのはいつだったかな……。
全然、思い出すことが出来ない。
仕方が無いので、私は夕食の材料を買いに行くため、スーパーに行くことにした。
***
外の空気は夕方ということもあってか、少し肌寒かった。
こういう寒さみたいなものを感じると、夏が終わるんだなあって私は毎年のことながら思っている。
いつの間にか、スーパーに着いていたようだ。
私はスーパーの中に入り、買い物をした。
買い物を終えて、また、もと来た道を戻った。
***
夕食を終えて、しばらく経った頃……。
そろそろ、お風呂に入ろうかなあ。
私は着替えを持って脱衣所へと向かう。
浴槽の蓋を開けて、浴槽の中に入った。
お風呂の湯気が浴室を満たしていく。
肩まで浸かると、心地のいい温かさが体全体に広がってきた。
―――すでに湯気でいっぱいになり周りがぼやけている浴室の中で私は一人、あの時のことを思い出す。
あの、お祭りの日の事だ。
あの日、私は聞いてしまった。
妃愛蕾さんが進に告白するのを……。
そして、進もそれをOKして……。
それから、先のことは私には分からない。
私はその事実を受け止めきれずに、その場から逃げるようにして去ったからだ。
思わず、泣いてしまったし……。
あれから、進には、
『ごめん、用事があるから先に帰る』
とだけ、メールで送り、それ以来全く会っていない。
ホントのことをいえば、進と妃愛蕾さんの関係が凄く気になっている。
もし、あの時の告白が聞き間違えだったら?
そう思う自分も確かにいるのだ。
でも……、もし、本当なら。
私は立ち直ることが出来ないかもしれない。
七夕の時に進にちゃんと思いを伝えるって決めたはずなのに。
だから、二人に聞く訳には行かない。
もうすぐ、長かった夏休みも終わる。
そうしたら、学校に行くことになり、嫌でも進と妃愛蕾さんを目にすることになってしまう。
その時になったら、私は二人と、自然に話すことが出来るんだろうか?
自分では、無理だと思っている。
だったら、二人とは合わないようにするのか?
それはとても寂しい。
じゃあ、どうすれば……。
そんな思考を繰り返していくうちに、わたしの意識は薄れていき……。
―――いけない、いつの間にか寝てしまっていたようだ。
私は少し冷めてしまったお風呂から出た。
***
寝る前、布団の中に入っても同じことを考えてしまう。
どうすればいいんだろう?
私はどうするべきなんだろう?
ねえ、誰か私に教えてよ……。
私のそんな願いは、誰にも聞いてもらえず、ただ、時間だけが過ぎていくのであった。
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