テンプレ幼なじみに俺は憧れを抱かない
第20話 水着イベント 後編
亜梨須side
私は自分の買ってきた水着を着てやっと、海へと敗戦をしに向かった。
海に着くと、妃愛蕾さんと進がビーチボールを使って遊んでいた。
······すごく、楽しそうだ。
私も混ざりたい。
進と遊びたい。
進、時々、妃愛蕾さんを見て、
顔を赤くして、目を逸らしてる……。
私にもあんな反応をしてくれるのかな……?
うぅ……、恥ずかしいけど、行くしかないよね。
私は今、来たかのように今まで隠れていた木陰から出た。
「き、着替え終わったわよ」
進の反応は……、
私の方を少しだけ見て……、
「遅かったな、亜梨須。待ちくたびれたぞ」
とだけ。
すごく素っ気なかった。
妃愛蕾さんには、あんな反応していたのに!
私にはそれだけ!?
水着への感想とかもないの!?
―――まあ、進が妃愛蕾さんに、水着が似合ってるって、堂々と言ったとも思えないんだけど……。 
せっかく勇気、出したんだけどなあ……。
「悪かったわね! 
女の子は準備に色々と時間がかかるの! 」
「まあまあ、亜梨須ちゃん落ち着いて。
進くんも、女の子が着替え遅くなるのは仕方ないことなんだからね。
······ちゃんと、私にやってくれたみたいに褒めないとダメだよ? 」
まさか、妃愛蕾さんが、進を叱ってくれるとは思わなかった。思わぬ助け舟だ。
あれ? 今、妃愛蕾さん、私にやってくれたみたいにって言わなかった?
もしかして、妃愛蕾さんの水着を進が褒めたっていうの!?
あの、超鈍感で! 素直じゃない進が!?
どうしよう、そっちの方が気になって仕方がなくなってきた。
私が内心すごく動揺していると、
「······あー、亜梨須。
なんだ、その、妃愛蕾さんに、言われたからって訳じゃないけど、その水着すごく似合ってると思うぞ? 」
············え?
ふわぁ!?
あの、進が私のことを褒めた!?
お世辞だって分かってても嬉しいんですけど!
「あ、ありがと。
お世辞だったとしても、嫌な気分じゃないわね……」
「そっか……」
あぁ、もう!
そんなこと言われて、私が平静で居られるわけないじゃないー!
どうしてくれるのよ! 進!
私の頬はさっきから緩みっぱなしだろう。
進から、顔は逸らしてるから、
見えてないはずだけど……。
私は、進と妃愛蕾さんの二人に、翻弄されることで頭の中が幸せと混乱の渦に飲み込まていた。
***
進side
俺と妃愛蕾さんは、亜梨須を待っている間ビーチボールで遊んでいた。
それだけで、俺の内心は今すごく動揺していた。
なぜなら、今目の前でビーチボールを打ち返す度に揺れる大きな存在感を放つものがあったからだ。
これはまずい。
俺も健全な男子高校生。
さすがに、これは刺激が強すぎるため、自粛し、視線はできるだけ、避けるようにしていた。
そんな時に、ちょうどやってきたのは……、
「き、着替え終わったわよ」
俺は一瞬それが誰なのか、分からなかった。
いや、分からないはずもないし、
頭では理解しているつもりなんだけど。
来たのは、もちろん、亜梨須だった。
いつもと違うのは水着を着ているという点である。
亜梨須が着ているのは薄い水色のビキニだった。
妃愛蕾さんよりも、際どい感じの……。
失礼なことを言うようだが、亜梨須には妃愛蕾さんほど、例の俺を動揺させた原因のあれがない。
しかし……、だ。
亜梨須は普段見慣れない、しかも、際どい水着を着ているのだ。
普段、あんな残念なやつでも、
見た目だけなら、学園二代美少女にも選ばれちゃうようなやつである。
そんなやつが、普段の俺に見せる残念な感じを無くして、際どい水着を恥ずかしそうに着ていて、儚げな雰囲気を出していたらどうだろう?
だから、俺は一瞬誰だか、分からなかった。
そして、屈辱的だが、俺は見惚れてしまった。
その美少女に……。
そんな自分のなけなしの意識を振り絞り、妃愛蕾さんの時のようにならないように、亜梨須からすぐに目を離した。
実に、ここまでの俺の思考時間は、1秒程である。
人間やればここまで出来るものなのだ。
「遅かったな、亜梨須。待ちくたびれたぞ」
何事も無かったように、俺は振る舞う。
「悪かったわね! 
女の子は準備に色々と時間がかかるの! 」
うん、いつもの亜梨須だ。
「まあまあ、亜梨須ちゃん落ち着いて。
進くんも、女の子が着替え遅くなるのは仕方ないことなんだからね。
······ちゃんと、私にやってくれたみたいに褒めないとダメだよ? 」
でも、妃愛蕾さんには、怒られてしまった。確かにそうなんだろうけど……。
俺はちゃんと、意識せずに、それを言えるだろうか?
······まあ、無理だろうな。
でも、ここで、言わないとそれはそれで意識されてると、思われて癪なので······、
「······あー、亜梨須。
なんだ、その、妃愛蕾さんに、言われたからって訳じゃないけど、その水着すごく似合ってると思うぞ? 」
内心凄いことなってはいたんだが、
何事もないかのようにまた、振る舞いながら、亜梨須に感想を俺は述べる。
そう言うと、亜梨須は、
「あ、ありがと。
お世辞だったとしても、嫌な気分じゃないわね……」
俺とは反対の方向を向いてそう言った。
「そっか……」
実は、お世辞じゃなくて、本音だなんて、バレたら、恥ずかしいなあ······。
俺達はその後、少しビーチバレーをして、
海で泳ぐことにしたのであった。
600pv突破しました!
前回のサブタイトル今回のに、合わせるため変更致しました。
私は自分の買ってきた水着を着てやっと、海へと敗戦をしに向かった。
海に着くと、妃愛蕾さんと進がビーチボールを使って遊んでいた。
······すごく、楽しそうだ。
私も混ざりたい。
進と遊びたい。
進、時々、妃愛蕾さんを見て、
顔を赤くして、目を逸らしてる……。
私にもあんな反応をしてくれるのかな……?
うぅ……、恥ずかしいけど、行くしかないよね。
私は今、来たかのように今まで隠れていた木陰から出た。
「き、着替え終わったわよ」
進の反応は……、
私の方を少しだけ見て……、
「遅かったな、亜梨須。待ちくたびれたぞ」
とだけ。
すごく素っ気なかった。
妃愛蕾さんには、あんな反応していたのに!
私にはそれだけ!?
水着への感想とかもないの!?
―――まあ、進が妃愛蕾さんに、水着が似合ってるって、堂々と言ったとも思えないんだけど……。 
せっかく勇気、出したんだけどなあ……。
「悪かったわね! 
女の子は準備に色々と時間がかかるの! 」
「まあまあ、亜梨須ちゃん落ち着いて。
進くんも、女の子が着替え遅くなるのは仕方ないことなんだからね。
······ちゃんと、私にやってくれたみたいに褒めないとダメだよ? 」
まさか、妃愛蕾さんが、進を叱ってくれるとは思わなかった。思わぬ助け舟だ。
あれ? 今、妃愛蕾さん、私にやってくれたみたいにって言わなかった?
もしかして、妃愛蕾さんの水着を進が褒めたっていうの!?
あの、超鈍感で! 素直じゃない進が!?
どうしよう、そっちの方が気になって仕方がなくなってきた。
私が内心すごく動揺していると、
「······あー、亜梨須。
なんだ、その、妃愛蕾さんに、言われたからって訳じゃないけど、その水着すごく似合ってると思うぞ? 」
············え?
ふわぁ!?
あの、進が私のことを褒めた!?
お世辞だって分かってても嬉しいんですけど!
「あ、ありがと。
お世辞だったとしても、嫌な気分じゃないわね……」
「そっか……」
あぁ、もう!
そんなこと言われて、私が平静で居られるわけないじゃないー!
どうしてくれるのよ! 進!
私の頬はさっきから緩みっぱなしだろう。
進から、顔は逸らしてるから、
見えてないはずだけど……。
私は、進と妃愛蕾さんの二人に、翻弄されることで頭の中が幸せと混乱の渦に飲み込まていた。
***
進side
俺と妃愛蕾さんは、亜梨須を待っている間ビーチボールで遊んでいた。
それだけで、俺の内心は今すごく動揺していた。
なぜなら、今目の前でビーチボールを打ち返す度に揺れる大きな存在感を放つものがあったからだ。
これはまずい。
俺も健全な男子高校生。
さすがに、これは刺激が強すぎるため、自粛し、視線はできるだけ、避けるようにしていた。
そんな時に、ちょうどやってきたのは……、
「き、着替え終わったわよ」
俺は一瞬それが誰なのか、分からなかった。
いや、分からないはずもないし、
頭では理解しているつもりなんだけど。
来たのは、もちろん、亜梨須だった。
いつもと違うのは水着を着ているという点である。
亜梨須が着ているのは薄い水色のビキニだった。
妃愛蕾さんよりも、際どい感じの……。
失礼なことを言うようだが、亜梨須には妃愛蕾さんほど、例の俺を動揺させた原因のあれがない。
しかし……、だ。
亜梨須は普段見慣れない、しかも、際どい水着を着ているのだ。
普段、あんな残念なやつでも、
見た目だけなら、学園二代美少女にも選ばれちゃうようなやつである。
そんなやつが、普段の俺に見せる残念な感じを無くして、際どい水着を恥ずかしそうに着ていて、儚げな雰囲気を出していたらどうだろう?
だから、俺は一瞬誰だか、分からなかった。
そして、屈辱的だが、俺は見惚れてしまった。
その美少女に……。
そんな自分のなけなしの意識を振り絞り、妃愛蕾さんの時のようにならないように、亜梨須からすぐに目を離した。
実に、ここまでの俺の思考時間は、1秒程である。
人間やればここまで出来るものなのだ。
「遅かったな、亜梨須。待ちくたびれたぞ」
何事も無かったように、俺は振る舞う。
「悪かったわね! 
女の子は準備に色々と時間がかかるの! 」
うん、いつもの亜梨須だ。
「まあまあ、亜梨須ちゃん落ち着いて。
進くんも、女の子が着替え遅くなるのは仕方ないことなんだからね。
······ちゃんと、私にやってくれたみたいに褒めないとダメだよ? 」
でも、妃愛蕾さんには、怒られてしまった。確かにそうなんだろうけど……。
俺はちゃんと、意識せずに、それを言えるだろうか?
······まあ、無理だろうな。
でも、ここで、言わないとそれはそれで意識されてると、思われて癪なので······、
「······あー、亜梨須。
なんだ、その、妃愛蕾さんに、言われたからって訳じゃないけど、その水着すごく似合ってると思うぞ? 」
内心凄いことなってはいたんだが、
何事もないかのようにまた、振る舞いながら、亜梨須に感想を俺は述べる。
そう言うと、亜梨須は、
「あ、ありがと。
お世辞だったとしても、嫌な気分じゃないわね……」
俺とは反対の方向を向いてそう言った。
「そっか……」
実は、お世辞じゃなくて、本音だなんて、バレたら、恥ずかしいなあ······。
俺達はその後、少しビーチバレーをして、
海で泳ぐことにしたのであった。
600pv突破しました!
前回のサブタイトル今回のに、合わせるため変更致しました。
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