テンプレ幼なじみに俺は憧れを抱かない
第16話 幼なじみだから
亜梨須side
私は見てしまった。
進と妃愛蕾さんが、進の部屋で……。
やっぱり、二人は好き同士なのかな……?
だとしたら、私は邪魔だ。
・・・・・・本当は寂しいけど、二人に今は会わない方がいい。
じゃないと、私が泣いてしまいそうで……。
そんなことを、私の部屋のベッドの上で、下を向いて、考えていた私の頭の中では、何度も進と妃愛蕾さんのあのシーンが再生されていた。
私は進とデート出来て、とても嬉しくて、もう何も心配することは無いと思っていた。
でも、妃愛蕾さんに勝てなかった。
進に私は何も言えずに、妃愛蕾さんに負けたんだ。
そう思うと、私の胸は締め付けられ、
苦しくなり、目から自然と涙が零れる。
・・・・・・私は、もう二人の恋を応援しよう。
私の大好きな幼なじみと、仲のいい友達が付き合うことはとてもいい事だ。
そう、思い込もうとしても、私の心がそれを拒絶する。
その時だった……、
私の部屋の扉が、荒々しく、叩かれたのは……、
「おい! 亜梨須! 」
進だ。
「・・・・・・なに? どうしたの、進? 何か用?」
私はどうしても震えそうになる声を抑えながら、進に冷たく聞き返す。
「えーとな、亜梨須。
言うのが遅くなってしまって、悪いんだが、さっきの俺と妃愛蕾さんとの事を亜梨須たぶん、誤解してるぞ」
誤解?
誤解っですって?
あれの、どこに誤解があるのかしら。
私の心は冷めていく。
「・・・・・・何言ってるのか、分からないけど、誤解なんてしてないわよ?私。
進と妃愛蕾さんが付き合ってるんでしょ?
だから、私が二人っきりにしてあげたのに……」
自分でも、今の私がすごく嫌な女になっているのは分かる。
それでも、止められない。
「それが、誤解なんだって!
俺と妃愛蕾さんは、そんな関係じゃないんだって!
さっきのは、俺が愛妃蕾さんのことを泥棒かなんかだと思っちまって……、
それで、押し倒したら妃愛蕾さんで、そこを亜梨須に見られたんだ」
へえ……。
「どうして、そんな言い訳するの?」
「言い訳じゃない!」
「言い訳じゃない……、
もし、それが本当ならどうして、私にそれを言いに来るの……?
私にとっては関係のないことでしょ?
言いに来たってことはやっぱり、やましいことをしてたのよね?」
あぁ……、彼を傷つけるためだけの言葉が口から溢れてくる。
もう、やめて!私がそう思っても、最後になるであろう言葉が出てくる。
「ねえ、進……。どうしてなの?」
「それは……」
進が扉の前で言い淀み、
そして……、
「亜梨須に誤解されたままなのが嫌だったから……」
「え?」
彼から予想外の言葉が出た。
「うん、やっぱりそうなんだと思う。
お前に誤解されたままなのが、嫌なんだよ……、俺は。
お前には今まで通りの俺の幼なじみでいて欲しいから、だから、俺はお前に伝えに来た」
なによ、なによ……それ。
「・・・・・・私だって、私だって、
今まで通りが良かったわよ……、
だから、進と妃愛蕾さんが、一緒にいるのを見て、自分でも分からないぐらい動揺して……」
でも、進が幸せならそれでいいかなって思えて。
「・・・・・・そっか」
進はそれだけ、答える。
「ごめんね……、進。今日は帰って……」
「あぁ、分かった……」
進が自分の部屋の扉を閉める音がした。
***
翌日……
 
進side
亜梨須大丈夫かなあ……。
今の俺はその事だけが頭に残っていた。
そりゃ、亜梨須の立場になって考えてみたら、自分の友達と幼なじみが部屋で片方か押し倒されてたらなんてことになってたら、俺だって勘違いするし、亜梨須がそんな感じになってるとか考えるだけで、めちゃくちゃモヤモヤする。
はあ……。
今、俺は寮の前にいる。
亜梨須が来てるくれるのを待っているのだ。
いつもなら、逆なのにな。
風邪はもうすっかり治っている。
妃愛蕾さんの、あのお粥がだいぶ効いたみたいだ。
妃愛蕾さんに、お礼言わないとな……。
俺がそんなことを思っているうちにもどんどん時間は過ぎてゆく……。
SHR8分前になった今、もう、亜梨須が来てくれるのは期待しない方がいいだろう……。
だから、俺はもう学校へと1人で向かうことにした……。
その時、
「進、あんた、何、私を置いて、先に行こうとしてるのよ」
後ろから亜梨須か文句を言いながらやってきた。
「それは、お前が遅いからだろ……」
俺は苦笑混じりに、亜梨須に言ってやる。
「あら? 昨日、私に不快な気分を味わわせた人に言われたくないわね」
うぐっ!
「まあ、いいわ、
それより、遅れちゃうわ。
進、走って学校に行きましょ」
「あぁ、うん」
そして、俺と亜梨須はいつも通り一緒に学校へと向かった。
亜梨須side
昨日のことは進を信じた。
でも、妃愛蕾さんは、やっぱり進のことが好きだと私は思う。
だから、来週から始まる、
夏休み中に、私は進に告白したい。
進、絶対夏休み中の予定とかないし……。
今度、海にでも誘ってあげよう。
そう思いながら、私は学校まで全力で進と走った。
私は見てしまった。
進と妃愛蕾さんが、進の部屋で……。
やっぱり、二人は好き同士なのかな……?
だとしたら、私は邪魔だ。
・・・・・・本当は寂しいけど、二人に今は会わない方がいい。
じゃないと、私が泣いてしまいそうで……。
そんなことを、私の部屋のベッドの上で、下を向いて、考えていた私の頭の中では、何度も進と妃愛蕾さんのあのシーンが再生されていた。
私は進とデート出来て、とても嬉しくて、もう何も心配することは無いと思っていた。
でも、妃愛蕾さんに勝てなかった。
進に私は何も言えずに、妃愛蕾さんに負けたんだ。
そう思うと、私の胸は締め付けられ、
苦しくなり、目から自然と涙が零れる。
・・・・・・私は、もう二人の恋を応援しよう。
私の大好きな幼なじみと、仲のいい友達が付き合うことはとてもいい事だ。
そう、思い込もうとしても、私の心がそれを拒絶する。
その時だった……、
私の部屋の扉が、荒々しく、叩かれたのは……、
「おい! 亜梨須! 」
進だ。
「・・・・・・なに? どうしたの、進? 何か用?」
私はどうしても震えそうになる声を抑えながら、進に冷たく聞き返す。
「えーとな、亜梨須。
言うのが遅くなってしまって、悪いんだが、さっきの俺と妃愛蕾さんとの事を亜梨須たぶん、誤解してるぞ」
誤解?
誤解っですって?
あれの、どこに誤解があるのかしら。
私の心は冷めていく。
「・・・・・・何言ってるのか、分からないけど、誤解なんてしてないわよ?私。
進と妃愛蕾さんが付き合ってるんでしょ?
だから、私が二人っきりにしてあげたのに……」
自分でも、今の私がすごく嫌な女になっているのは分かる。
それでも、止められない。
「それが、誤解なんだって!
俺と妃愛蕾さんは、そんな関係じゃないんだって!
さっきのは、俺が愛妃蕾さんのことを泥棒かなんかだと思っちまって……、
それで、押し倒したら妃愛蕾さんで、そこを亜梨須に見られたんだ」
へえ……。
「どうして、そんな言い訳するの?」
「言い訳じゃない!」
「言い訳じゃない……、
もし、それが本当ならどうして、私にそれを言いに来るの……?
私にとっては関係のないことでしょ?
言いに来たってことはやっぱり、やましいことをしてたのよね?」
あぁ……、彼を傷つけるためだけの言葉が口から溢れてくる。
もう、やめて!私がそう思っても、最後になるであろう言葉が出てくる。
「ねえ、進……。どうしてなの?」
「それは……」
進が扉の前で言い淀み、
そして……、
「亜梨須に誤解されたままなのが嫌だったから……」
「え?」
彼から予想外の言葉が出た。
「うん、やっぱりそうなんだと思う。
お前に誤解されたままなのが、嫌なんだよ……、俺は。
お前には今まで通りの俺の幼なじみでいて欲しいから、だから、俺はお前に伝えに来た」
なによ、なによ……それ。
「・・・・・・私だって、私だって、
今まで通りが良かったわよ……、
だから、進と妃愛蕾さんが、一緒にいるのを見て、自分でも分からないぐらい動揺して……」
でも、進が幸せならそれでいいかなって思えて。
「・・・・・・そっか」
進はそれだけ、答える。
「ごめんね……、進。今日は帰って……」
「あぁ、分かった……」
進が自分の部屋の扉を閉める音がした。
***
翌日……
 
進side
亜梨須大丈夫かなあ……。
今の俺はその事だけが頭に残っていた。
そりゃ、亜梨須の立場になって考えてみたら、自分の友達と幼なじみが部屋で片方か押し倒されてたらなんてことになってたら、俺だって勘違いするし、亜梨須がそんな感じになってるとか考えるだけで、めちゃくちゃモヤモヤする。
はあ……。
今、俺は寮の前にいる。
亜梨須が来てるくれるのを待っているのだ。
いつもなら、逆なのにな。
風邪はもうすっかり治っている。
妃愛蕾さんの、あのお粥がだいぶ効いたみたいだ。
妃愛蕾さんに、お礼言わないとな……。
俺がそんなことを思っているうちにもどんどん時間は過ぎてゆく……。
SHR8分前になった今、もう、亜梨須が来てくれるのは期待しない方がいいだろう……。
だから、俺はもう学校へと1人で向かうことにした……。
その時、
「進、あんた、何、私を置いて、先に行こうとしてるのよ」
後ろから亜梨須か文句を言いながらやってきた。
「それは、お前が遅いからだろ……」
俺は苦笑混じりに、亜梨須に言ってやる。
「あら? 昨日、私に不快な気分を味わわせた人に言われたくないわね」
うぐっ!
「まあ、いいわ、
それより、遅れちゃうわ。
進、走って学校に行きましょ」
「あぁ、うん」
そして、俺と亜梨須はいつも通り一緒に学校へと向かった。
亜梨須side
昨日のことは進を信じた。
でも、妃愛蕾さんは、やっぱり進のことが好きだと私は思う。
だから、来週から始まる、
夏休み中に、私は進に告白したい。
進、絶対夏休み中の予定とかないし……。
今度、海にでも誘ってあげよう。
そう思いながら、私は学校まで全力で進と走った。
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