テンプレ幼なじみに俺は憧れを抱かない

九夜空猫

第13話 そして進は〇〇になる

進side
亜梨須とのデート(仮)があった土曜日から2日後、つまり、今日は月曜日である。

俺は月曜日が嫌いだ。
だから、今日はもうベットの中で、ゴロゴロすることに決めたのだ。

なぜか、体がめちゃくちゃだるいし。
俺の中の学校行きたくない勢が勢力を増し続ける。

そんなことをベッドの中で考えていた時、
玄関の扉の鍵が開き、
中に入ってきたのは、亜梨須だった。

「進ー。
何してんのよ、遅刻するわよ」

亜梨須はそう言って俺のベッドに近づき、俺のかけていた布団を剥ぎ取った!

「亜梨須……、布団をそっと俺の上に戻して、俺を置いて学校に行ってくれ……。
なぜか、今日の俺はいつも以上に学校に行きたくないんだ」

俺は眠たくて、なにも考えられない頭でそんなことを言う。

亜梨須は、
「はあ?何言ってんのよ……。
馬鹿なこと言ってないで学校行くわよ。
ほら!」
亜梨須は俺の手を掴んで引っ張り、俺の事を起こそうとする。

亜梨須は布団の中から、引きずり出した俺の顔を見て……、
「進、あんた顔すごく、赤いんだけど……、
ちょっと、進、おでこ触るわよ」
亜梨須は俺のおでこに触れて……、
「なにこれ!?熱っつ!」
「はあ?熱い?
んなわけ……、お前の手が冷たすぎるんだろ」
「進!あんた自分の熱測ってみなさいよ!」
そう言われて、俺は棚から体温計を取り出し、自分の体温を測ってみた。

「熱なんて、あるはずねえだろ……」
そう思いながらも、俺は亜梨須の言葉に従ってしまうあたり、根っからの小市民なのだろう。

測り終えたな……。
俺が体温計を見ると、そこに書かれていた数字は……、

39.3℃

うおぉ……。

「進、何度だったの? 見せなさい!」
亜梨須に体温計を奪われ……、
「39.3℃!? あんた、具合悪いんならすぐ言いなさいよ!」
亜梨須は俺に布団をかけ、今度は寝かせようとしてくる。
「いや、大したことないから……、
俺、別に具合悪くないから……」
「そんなに熱があって具合が悪くないわけないでしょ!
先生に連絡して、今日は学校休みなさい!」

亜梨須の叫び声は頭に響くなあ。
合法的に学校を休めるのに全然嬉しくない。

「わかった……」
俺は学校に連絡して、風邪を引いて熱が出たので今日は休みますとの旨を伝え、電話を切った。

何気に高校生になって初めての欠席だ。
俺は案外勤勉なやつだったみたいだ。

電話を終えた俺はベッドに横になった。
亜梨須はもう学校に行ったみたいだ。

ずっと心配されるのも迷惑だし、それはいい。

あれ?そういえばなんか枕が涼しくて気持ちいいような……。

あ、これ氷枕だ……。
亜梨須が準備してくれたのか……。
全く気づかなかった。
こんなことにも気づかないなんて俺はだいぶ弱っているらしい。
俺はこの眠気に逆らわずに寝ることにした。

***
亜梨須side

大丈夫かなあ……進。

これ絶対私が原因よね……。
土曜日進と一緒にデートをして、色んな場所に行った。
進はそのせいで風邪になったと私は思う。

だから、今日学校が終わったら進をお見舞しに行く。

朝のSHR前に私はそんなことを考えていた。

「亜梨須ちゃん、今日進くんと一緒に来なかったの?」
「進が風邪みたいで今日学校休んだのよ」
「えぇ! 進くん大丈夫かなあ?」
「あいつならきっと大丈夫よ」
「亜梨須ちゃんって、進くんに対する信頼がすごいよねえ……」

妃愛蕾さん!?
「べ、別にそんなことないわよ……」
「そうかなあ……?」
「そうよ」
これ以上、妃愛蕾さんに詮索される前に私は話をきりあげることにした。

「あ、そうだ、亜梨須ちゃん」
「? どうしたのかしら?妃愛蕾さん?」

「今日、進くんのお見舞いに行きたいから進くんの家教えてよー」
え!?
「き、妃愛蕾さん? お見舞いって……?」
「亜梨須ちゃん、変な事言うんだねー。
お見舞いはお見舞いだよー?」
「あ、あいつの?」
「ほかに誰かいるの?」
「いないと思うけど……」
私がお見舞いしようと思ってたのにー!

でも、これって、もしかして、チャンスでもあるかもしれないわね……。
私1人が来たんじゃなく、ほかも来たんなら私はあくまで着いてきたっていうスタンスで行けるわ!

「妃愛蕾さん。
それなら、私も幼なじみとして、そのお見舞いに行ってもいい?」 
「もちろんだよー」
よし!これで!
「それなら、私と放課後に進の家というか、学校の寮に行きましょ」
「へえ、進くんって寮で暮らしてたんだね!」
「もうちょっとで、SHRも始まるからこの話の続きは放課後ね」
「うん! わかった!」

こうして、私達は放課後に進をお見舞することになったのだ。

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