テンプレ幼なじみに俺は憧れを抱かない

九夜空猫

第4話 転校生


翌朝、

「早く、起きなさーーーーい! 」

そう聞こえて、意識が覚醒した瞬間に俺を待っていたのは、腹部への衝撃だった。
「ぐふぅ!」
目が覚めて、いきなりこれは辛い……。

俺はこんなことを、するやつは1人しか知らない。
「亜梨須、いきなりなんの真似だ?
理由によっちゃ、俺もキレるぞ?」


「なによ、あなたが朝起きるのが遅いのが悪いんでしょ!ほら、今もうこんな時間よ!
遅刻するわよ!」
そう言って見せてきた、亜梨須のスマホの時間は朝のホームルームの時間の10分前だった。

あ、まじか。
俺の目覚まし時計を見ると時計は止まっていた。
「やべぇ……」

「ほら、早く準備して、学校行くわよ!」

本当ならもう学校なんて、登校を諦めてこのままゆっくり寝たいんだが仕方がない……。

「はあ、今、準備するよ」

そうして、俺はできるだけ、早く準備をして、亜梨須と共に学校に向かったのであった。




***



ぎりぎりホームルームまでには、間に合って学校に到着した。その後、ホームルームが始まり、いつものどうでもいい一日が始まるはずが、
今日は違った。
担任の長浜ながはま先生(29歳独身で最近また婚活に失敗したらしい)が、
「はーい、みなさん実はこのクラスに新しいクラスメートが今日から増えます!」
教室内がざわついた。
主に内容は男子が可愛い女子かなとというのと、女子はかっこいい男子かなと期待しているものであった。

俺?俺はまあ、一言で言ってしまえば、
どうでもいいだな。
どうせ、俺とは関わることの無いだろうしな。

 そして、長浜先生は
「はい、みなさん静かにー。
じゃあ、入ってきてー」
と、ドアのほうに向かって言った。

そして、入ってきたのは……、

小柄(たぶん150くらい)で、
髪はふわっとしてて、
確か、ゆるふわとかいうんだっけ?
で、色は薄い茶色だった。

そして、なにより、今うちのクラスの男子共がめちゃくちゃざわざわしている。
その理由は、すぐわかった。
なぜなら、その娘、俺でも
一瞬目をひかれるレベルで可愛かったからだ。
俺の幼なじみとまた別の可愛さと言えばいいのか、俺の幼なじみはかっこいい系(実際はそんなことは無いが)だとすれば、
あの転校生の娘は、どこか、守ってあげたくなるような雰囲気がある。


「じゃ、自己紹介してね〜」
そう長浜先生から、転校生の娘が言われて、

「初めまして、鈴村すずむら妃愛蕾きあらです。これから、どうぞ、よろしくお願いします」

拍手の音が鳴って、
それも収まり、長浜先生が、
「自己紹介も終わったようだし、それじゃあ、鈴村さんにはどこに座ってもらおうかしら……。あ、そうだ、今、天羽君の隣空いてたわよね?」

はい、来ると思いましたよ……。
俺の右の席には亜梨須がいる。
しかし、机の列自体はもう1つあるのに、俺の左隣の席はクラスの人数の都合上、空いていた。
まあ、空いてるのここだけだからなあ。
そりゃ、来るわ……。
事前にこの事態を想定していた俺。
しかし、なすすべはない。

「うん、それじゃあ、1番後ろのあの空いている席に鈴村さんには座ってもらうわね」
 
「はい、分かりました」

そうして、鈴村さんは、俺の隣の席になった。

俺の隣の席に来た、鈴村さんは、
「これから、よろしくね!」
と笑顔で言ってくれた。
うん、可愛い……。
しかし、それ以上に今俺に向けられているこのクラスのほとんどの男子の視線が痛い。
普段注目のされない俺がこんな人数から同時にこんな量の視線を浴びせられて、なんともないはずもなく……。 

背中は冷や汗でめちゃくちゃ濡れてます。


そして、俺にとっては日常ではない、
日常が始まったのであった……。







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