一つの世界で起こる、万の人々が紡ぐ数多くの物語。書物に残された文字は、忘れられた歴史の記録を残す。
47 紅玉の天使と肉体派天使。
俺は天使マスティアの元から撤退し作戦を考える。大勢の男共を揺さぶってやろうと姿を変え、再び天使の元へ。マスティアに恋人にしてくれと頼み、キスだけでは無理だとせがむ。男達の動揺を誘い、男達の目を覚まさせてやった。殆どの男達が去ると、天使マスティアが怒り出した。塔で見せたダムキナという兵器を呼び寄せ、鉄球のの様な物がこの建物に落ちて来た…………
べノムザッパー(無力となったマスコット)
ベリー・エル (無口な女)
バール (女好きの馬鹿)
黒井明(メイ)(振られ男)
ダルタリオン (戦い好きな元上官)
ランツ (制御不能野郎)
マスティア (塔の天使)
バンと爆発してバラバラになったそのダムキナという兵器だが、空中でまた合体して違う形態へと変わっている。
それは先ほど見た形態よりも、凝縮された天使と言った所だろう。
肩や腕、足や体に、赤い紅玉があるが、一番目立っているのは顔の辺りの中心には紅玉の様な物だろう。
天使の証である白の翼は大きく広がり、先端は鋭く刃をもつ。
今のマスティアと同じぐらいのサイズ感で、その紅玉の天使が自動的に動き始めた。
人並の大きさとはいえ、その拳も体も金属の塊である。
その文字通りの鉄拳で、俺に向かって殴り掛かって来たのだった。
「うおおおおおおお?!」
思ったよりもかなりの速さの突きが飛び、俺の体にぶつかって来る。
かなりの衝撃と痛みが走るが、当然俺も対処していた。
掌でそれをガードし後方へ飛んだのだが、俺の速さに匹敵する動きで、ダメージをあまり反らせてはくれない様だ。
攻撃力もかなり高く、相当に厄介な相手だろう。
兎に角襲って来るなら倒さなければと、俺は動き出した。
天井に空いた大穴から空に飛び出し、紅玉の天使の動きを見る。
俺の全力より少し遅いぐらいの動きだろう。
鉄拳の攻撃は何とか躱せているが、この紅玉の天使の攻撃は多彩である。
翼での斬撃に、紅玉から赤い光線を発射したりと、動きすらも出鱈目なのだ。
人の姿をしているが、関節が逆に動いたり頭が一回転したりと、人の動きを想定していてはこちらがやられてしまいそうだ。
しかもマスティアの見えない所に行っても動き続けるとなると、あの天使が動かしているというわけでもないらしい。
一応マスティアまでもが参戦しないのは行幸と言えるだろうか?
それでも強いのには変わりないのだが。
「うをッ!」
赤い光線が目の前を過る。
遅れてその線から猛烈な爆発が起こるが、それは遅すぎる。
俺の退避速度があればくらいはしない。
それはこちらにとって優位な所ではあるが、足の裏、背中をとったとしても相手の隙とはいえないのである。
即座に反応して反撃が始まり、躱して当てたとしても、硬い装甲には刃が通って行かないのだ。
偶に体にある赤い紅玉がひび割れたりもしているが、だからどうしたという感じだろうか。
相手の動きには変わった所は見られない。
だが弱点の想像はついている。
顔についた大きな物か、胸の辺りにある紅玉が相当怪しく感じられる。
あれを壊してしまえばあるいは?
「まあ兎に角ッ、やってみるのが手っ取り早いぜ! うをらああああああああああああああああああ!」
紅玉の天使の鉄拳を避け、赤い光線を躱し、振られる翼の斬撃をすり抜け、頭にある紅玉へと斬撃をくらわせた。
紅玉が弾け跳び、バラバラと地上へ落ちてゆく。
その頭を蹴り飛ばし距離を開けて見るが、相手の動きは止まらなかった。
タダの飾りだった、そう思うのはまだ早計だろう。
まだ胸の物も残っているのだ。
俺は次に胸の物に目掛けて刃を振るい攻撃を仕掛けた。
「これでどうだこの野郎!」
バンと割れて壊れるのだが、やはり動きは続いている。
やはり紅玉は囮で、他に弱点があるのだろうか?
だがそれらしき物は確認できない。
この天使が生き物であれ、違うものであれ、俺を確認している目の様な物があるはずなのだ。
この紅玉以外の物……いや、待て。
これは生物ではないんだ、この赤い紅玉全てがその機能を持っていたとしてもおかしくはない。
だったら全部ぶっ壊してしまえばいい話である。
腕、足、背中と、一つずつ破壊を続けていき残りは数個。
両肩、足の裏、頭の天辺その五つだけである。
やはりというか、その紅玉から見えない部分には俺の攻撃に対応出来なくなっていた。
もう勝ちは確定だと足の裏の一つを潰すと、静観していた天使マスティアがこの戦いに参戦して来たのだ。
「これ以上はさせないのですよ! とりゃあああああああああああ!」
俺に攻撃を仕掛けるマスティアは、紅玉の天使に勝るとも劣らない。
力もスピードも、殆ど同等といっていいだろう。
拳、手刀、肘、膝、蹴り、頭突きまで使い、肉体派の天使は強烈な攻撃を放っている。
それだけでも厄介だが、紅玉の天使までもが同時に動いている。
「ぐおあああああああ!」
紅玉の天使の拳を躱すと、このマスティアの攻撃が突き刺さる。
動き自体は俺の方が速いが、連携を取られてしまうと躱し続けるのは難しい。
誰か応援を呼びたいぐらいの相手だが、この動きと強さでは中途半端なやつは呼べそうにないだろう。
レアスとかその辺でも対処できないぐらいだ。
空を飛んで相当に動ける奴は、俺以外には居ないのである。
因みに他の天使の手を借りるつもりはない。
どうせもっと酷くなるだろうから。
「くらうのですよ!」
「ぬをッ!」
防御はしていても、体の芯を貫くような衝撃は防ぎようがない。
こんな打撃を食らい続けて居れば、何時か俺も倒されてしまう。
まずどちらかを倒さなければ。
「まずはテメェからだ!」
俺が選んだのは、後数発で倒せるであろう紅玉の天使の方だ。
マスティアの攻撃は無視し、ダメージを受けながらも紅玉を破壊していく。
一つ二つと壊し続け、もうマスティアにも狙いはバレているだろう。
足の裏、肩の部分と壊し続け、残りは頭の天辺にある一つのみ。
すでに紅玉の天使の動きは止まっているも同然である。
やっぱり天使なんか関わるものじゃないと思いながら、俺は最後の一つを狙った。
「これで最後だああああああああああ!」
「やらせないのですよ!」
マスティアの拳を肩に掠らせ、紅玉の天使の頭上に一撃を叩きこんだ。
最後の紅玉が砕け散り、紅玉の天使の動きが空中で制止した。
だがまだ終わったわけではない。
マスティアが五体満足で残っているのだ。
正直いって俺のダメージはかなりデカく、ダメージの全くないマスティアとやるには相当不利だろう。
それでも相手は手を止めないのだ、やるしかないだろう。
俺はマスティアに対峙し、気合を入れる。
「さあ来いやああああああああああ!」
その俺の声にも怯まず、まだまだ余裕綽々といった感じで、マスティアは表情を緩ませている。
「ふふふ、貴方には勝ち目はありません。この私が真の絶望というものを教えてあげるのですよ! さあ来なさいのダムキナよ!」
マスティアはそう呼びかけると、空中で制止していた紅玉の天使が動き出した。
また大きく爆発しバラバラに砕け散ると、マスティアの体へと装着されて行く。
頭、体、腕、足、翼にまでそれがガッチリとくっ付くと最初に見た大きな姿に戻っていた。
「それが最後か? いいぜ、来いよ!」
「………………」
天使マスティアは無言のまま俺を睨み、その体をギギギと動かし始めた。
俺は攻撃に備え、全身を緊張させて、睨み合いが一分も続く。
天使マスティアが言葉を発する。
「…………ハッ?! 背の高さが変わったから体のサイズが合わないんですよ!」
「テメェは一回寝とけやこらああああああああああ!」
俺は空中で止まっている天使マスティアに飛び蹴りを食らわせて、床へと叩き落とすのだった。
やっぱり天使なんてこんなもんである。
べノムザッパー(無力となったマスコット)
ベリー・エル (無口な女)
バール (女好きの馬鹿)
黒井明(メイ)(振られ男)
ダルタリオン (戦い好きな元上官)
ランツ (制御不能野郎)
マスティア (塔の天使)
バンと爆発してバラバラになったそのダムキナという兵器だが、空中でまた合体して違う形態へと変わっている。
それは先ほど見た形態よりも、凝縮された天使と言った所だろう。
肩や腕、足や体に、赤い紅玉があるが、一番目立っているのは顔の辺りの中心には紅玉の様な物だろう。
天使の証である白の翼は大きく広がり、先端は鋭く刃をもつ。
今のマスティアと同じぐらいのサイズ感で、その紅玉の天使が自動的に動き始めた。
人並の大きさとはいえ、その拳も体も金属の塊である。
その文字通りの鉄拳で、俺に向かって殴り掛かって来たのだった。
「うおおおおおおお?!」
思ったよりもかなりの速さの突きが飛び、俺の体にぶつかって来る。
かなりの衝撃と痛みが走るが、当然俺も対処していた。
掌でそれをガードし後方へ飛んだのだが、俺の速さに匹敵する動きで、ダメージをあまり反らせてはくれない様だ。
攻撃力もかなり高く、相当に厄介な相手だろう。
兎に角襲って来るなら倒さなければと、俺は動き出した。
天井に空いた大穴から空に飛び出し、紅玉の天使の動きを見る。
俺の全力より少し遅いぐらいの動きだろう。
鉄拳の攻撃は何とか躱せているが、この紅玉の天使の攻撃は多彩である。
翼での斬撃に、紅玉から赤い光線を発射したりと、動きすらも出鱈目なのだ。
人の姿をしているが、関節が逆に動いたり頭が一回転したりと、人の動きを想定していてはこちらがやられてしまいそうだ。
しかもマスティアの見えない所に行っても動き続けるとなると、あの天使が動かしているというわけでもないらしい。
一応マスティアまでもが参戦しないのは行幸と言えるだろうか?
それでも強いのには変わりないのだが。
「うをッ!」
赤い光線が目の前を過る。
遅れてその線から猛烈な爆発が起こるが、それは遅すぎる。
俺の退避速度があればくらいはしない。
それはこちらにとって優位な所ではあるが、足の裏、背中をとったとしても相手の隙とはいえないのである。
即座に反応して反撃が始まり、躱して当てたとしても、硬い装甲には刃が通って行かないのだ。
偶に体にある赤い紅玉がひび割れたりもしているが、だからどうしたという感じだろうか。
相手の動きには変わった所は見られない。
だが弱点の想像はついている。
顔についた大きな物か、胸の辺りにある紅玉が相当怪しく感じられる。
あれを壊してしまえばあるいは?
「まあ兎に角ッ、やってみるのが手っ取り早いぜ! うをらああああああああああああああああああ!」
紅玉の天使の鉄拳を避け、赤い光線を躱し、振られる翼の斬撃をすり抜け、頭にある紅玉へと斬撃をくらわせた。
紅玉が弾け跳び、バラバラと地上へ落ちてゆく。
その頭を蹴り飛ばし距離を開けて見るが、相手の動きは止まらなかった。
タダの飾りだった、そう思うのはまだ早計だろう。
まだ胸の物も残っているのだ。
俺は次に胸の物に目掛けて刃を振るい攻撃を仕掛けた。
「これでどうだこの野郎!」
バンと割れて壊れるのだが、やはり動きは続いている。
やはり紅玉は囮で、他に弱点があるのだろうか?
だがそれらしき物は確認できない。
この天使が生き物であれ、違うものであれ、俺を確認している目の様な物があるはずなのだ。
この紅玉以外の物……いや、待て。
これは生物ではないんだ、この赤い紅玉全てがその機能を持っていたとしてもおかしくはない。
だったら全部ぶっ壊してしまえばいい話である。
腕、足、背中と、一つずつ破壊を続けていき残りは数個。
両肩、足の裏、頭の天辺その五つだけである。
やはりというか、その紅玉から見えない部分には俺の攻撃に対応出来なくなっていた。
もう勝ちは確定だと足の裏の一つを潰すと、静観していた天使マスティアがこの戦いに参戦して来たのだ。
「これ以上はさせないのですよ! とりゃあああああああああああ!」
俺に攻撃を仕掛けるマスティアは、紅玉の天使に勝るとも劣らない。
力もスピードも、殆ど同等といっていいだろう。
拳、手刀、肘、膝、蹴り、頭突きまで使い、肉体派の天使は強烈な攻撃を放っている。
それだけでも厄介だが、紅玉の天使までもが同時に動いている。
「ぐおあああああああ!」
紅玉の天使の拳を躱すと、このマスティアの攻撃が突き刺さる。
動き自体は俺の方が速いが、連携を取られてしまうと躱し続けるのは難しい。
誰か応援を呼びたいぐらいの相手だが、この動きと強さでは中途半端なやつは呼べそうにないだろう。
レアスとかその辺でも対処できないぐらいだ。
空を飛んで相当に動ける奴は、俺以外には居ないのである。
因みに他の天使の手を借りるつもりはない。
どうせもっと酷くなるだろうから。
「くらうのですよ!」
「ぬをッ!」
防御はしていても、体の芯を貫くような衝撃は防ぎようがない。
こんな打撃を食らい続けて居れば、何時か俺も倒されてしまう。
まずどちらかを倒さなければ。
「まずはテメェからだ!」
俺が選んだのは、後数発で倒せるであろう紅玉の天使の方だ。
マスティアの攻撃は無視し、ダメージを受けながらも紅玉を破壊していく。
一つ二つと壊し続け、もうマスティアにも狙いはバレているだろう。
足の裏、肩の部分と壊し続け、残りは頭の天辺にある一つのみ。
すでに紅玉の天使の動きは止まっているも同然である。
やっぱり天使なんか関わるものじゃないと思いながら、俺は最後の一つを狙った。
「これで最後だああああああああああ!」
「やらせないのですよ!」
マスティアの拳を肩に掠らせ、紅玉の天使の頭上に一撃を叩きこんだ。
最後の紅玉が砕け散り、紅玉の天使の動きが空中で制止した。
だがまだ終わったわけではない。
マスティアが五体満足で残っているのだ。
正直いって俺のダメージはかなりデカく、ダメージの全くないマスティアとやるには相当不利だろう。
それでも相手は手を止めないのだ、やるしかないだろう。
俺はマスティアに対峙し、気合を入れる。
「さあ来いやああああああああああ!」
その俺の声にも怯まず、まだまだ余裕綽々といった感じで、マスティアは表情を緩ませている。
「ふふふ、貴方には勝ち目はありません。この私が真の絶望というものを教えてあげるのですよ! さあ来なさいのダムキナよ!」
マスティアはそう呼びかけると、空中で制止していた紅玉の天使が動き出した。
また大きく爆発しバラバラに砕け散ると、マスティアの体へと装着されて行く。
頭、体、腕、足、翼にまでそれがガッチリとくっ付くと最初に見た大きな姿に戻っていた。
「それが最後か? いいぜ、来いよ!」
「………………」
天使マスティアは無言のまま俺を睨み、その体をギギギと動かし始めた。
俺は攻撃に備え、全身を緊張させて、睨み合いが一分も続く。
天使マスティアが言葉を発する。
「…………ハッ?! 背の高さが変わったから体のサイズが合わないんですよ!」
「テメェは一回寝とけやこらああああああああああ!」
俺は空中で止まっている天使マスティアに飛び蹴りを食らわせて、床へと叩き落とすのだった。
やっぱり天使なんてこんなもんである。
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