一つの世界で起こる、万の人々が紡ぐ数多くの物語。書物に残された文字は、忘れられた歴史の記録を残す。
9 二回戦という名の何か。
俺と隊長は次の対戦相手の情報を得る為、張り出されていたトーナメント表を見直している。 それを見ると、俺の相手はラグナードの代表だった。 名前は・・・・・アー・・・モン? アーモンと言えば、隊長を追い回していたあの男の事だろうか? まさかこんな場所にまで追いかけて来るとは、中々気合の入ったストーカーだな。
しかし頃見かけないと思たら、何故ブリガンテの代表になっているのか。 しかし、王国にまで来る実力があるとなると、それなりに強いのだろう。 軽く捻るのは無理か。
チラリと隊長を見ると、ブルブルと体を震わせている。 嬉しいということはないから、きっと怒っているのだろう。
「バール隊長命令だ。 あの男を完膚なきまでに叩き伏せて来い。 手加減は要らん。 もし万が一、お前が事故であの男を殺したとしても俺は許す! お前の為に毎日差し入れを入れに来てやってもいいぜ! なんなら高級弁当にしてやってもいい! だから俺の為にヤッテ来い!」
「何言ってるんですか隊長。 自分が狙われているからって、俺まで巻き込まないでください。 やるんなら自分でやってくださいね。 隊長が牢屋に繋がれている間に、ロッテさんと子供は俺が面倒をみますから。」
「お前に任せられる訳がねぇだろうが! 俺の子供が二人になったらテメェ殺してやるからな!」
「安心してください、俺だったら五人ぐらいは作れると思います。 それにマッド君の事も、ちゃんと俺の子として育てますから大丈夫です。 何も心配いりませんから。」
「何も大丈夫じゃねぇわ! あああ、もう良い、ただし絶対に負けるんじゃねぇぞ!」
隊長は随分とアーモンの事が嫌いらしい。 まあ毎日の様に尻を狙われていたら、そうなるのもわからなくもないのだが。 俺も簡単に負ける気は無いので、適当に返事を返しておいた。
「あ~はい、程々に頑張って来ま~す。」
隊長と話してる内に休憩が終わり、二回戦開始の時間がやって来た。 俺は戦いの舞台へと上がると、目の前にはあの男が立って居た。 持っている武器は、片手では少々扱うのが難しい長さの剣だ。 両手で持って使うのだろうか? それに何だか、俺の事を見て何だか怒っている。
「折角アンリさんとの時間を楽しめると思っていたのに、貴方のおかげで全て台無しだ。 この怨みは晴らさせてもらおうか!」
アツシに変身しているというのに、この男は完全に見破っている。
俺も普通に戦っていただけだというのに、何故俺が恨まれなきゃならないのか。 これはもう完全な逆恨みだ。 全く面倒な話だ。
・・・・・そういえば記憶喪失だと聞いたのだが、もう治ったのだろうか?
俺は一回戦の通り重りを装着されると、木で作られた槍を装着して、開始の合図が鳴った。 俺としてはもう少し細身の槍の方が良かったのだが、作ったのはこれしかないらしい。 刃の部分を外して棍にしても良いというのに、本当に何故だ。
「さあ、存分に付き合ってもらうぞ!」
そう叫び、アーモンが両手で剣を持ち、真っ直ぐに突っ込んで来ている。 当たり前だが両手で扱う剣は、片手で扱う剣より総じて重さと威力が増している。 俺が今扱っている槍は、木製であってもそこそこ頑丈な物だが、下手に受ければ真っ二つにされかねない。
俺はそれを盾で受け止め、空いた右手で槍をぶん回した。 俺の槍はアーモンの頭へと掠るだけで、殆どダメージを与えられない。それならばもう一撃だ! 手首で槍の角度を修正して、アーモンが逃げた先へと、ランスの先端が突き入れられた。
・・・・・普通ならこれで終わるんだろうけど、槍の先端は丸く削られていて、相手に突き刺さる事はない。 アーモンは少し怯んだ程度でまだ倒せそうもなかった。
「ふふふ、中々良い攻撃じゃないですか。 ですが俺を喜ばせるにはまだ足りません! さあもっと食らわせてみるが良い! さあ早く!」
この男、攻撃する気がないのだろうか? 何故か両腕を広げて無防備になっている。 何かの罠か? 俺は距離を取りつつもう一度同じ個所へと攻撃を放った。
「グッ、はぁん。 その程度で俺にダメージを与えられると思ったら大間違いだ。 さあもっとだ。 もっと俺に打撃を。 はぁはぁ・・・・・。」
「・・・・・。」
このトーナメントは、もしかして変態しか居ないのだろうか? どの道倒すには攻撃を繰り出すしかないし、今度は避ける気も無いようだから全力で同じ場所へとブチ当てた。
「まだまだぁ! そんな攻撃が利くと思っているのか! もっと全力だ、もっと全力で来い! その程度で俺が許すとでも思っているのか! モットガツーンと!」
俺は一体何をやらされているのだろう。 もう付き合うのは止めよう。 俺は助走を付けて、同じ個所へと連撃の攻撃を放った。 やはり避ける事はせずに、真面に攻撃をくらっている。
随分頑丈な男だ。 だがそれももう無意味。 攻撃をくらって浮き上がったアーモンは、舞台の下へと落ちて行った。
「なッ、卑怯者め! 俺はまだまだ戦えるぞ! こうなったら試合なんて関係ない。 俺が満足するまで、潔く勝負しようじゃないか!」
「・・・・・あ、あそこにアンリさんが居ますよ。」
「あッ、何教えていやがるんだバールッ! テメェ後で覚えとけよ!」
「アンリさんだああああああああああああああ!」
なんかもうどうでも良くなった俺は、会場に居た隊長を指さして教えてあげた。 アーモンは会場の隊長を見ると、俺の事なぞ忘れて、隊長の元へと駆けて行った。
「ふう、ある意味恐ろしい相手だった。 あのまま続けて居たら如何なっていた事だろうか。」
俺も彼の標的の一人となってしまっていたかもしれない。 冷や汗を拭い、俺が勝利のポーズを取ると、審判が俺の勝利を告げた。 会場からも拍手がパラパラと聞こえて来ている。 会場の盛り上がりも全くなかったが、こんな試合では仕方がないだろう。
願わくば、次回の相手は真面でありますように・・・・・。
しかし頃見かけないと思たら、何故ブリガンテの代表になっているのか。 しかし、王国にまで来る実力があるとなると、それなりに強いのだろう。 軽く捻るのは無理か。
チラリと隊長を見ると、ブルブルと体を震わせている。 嬉しいということはないから、きっと怒っているのだろう。
「バール隊長命令だ。 あの男を完膚なきまでに叩き伏せて来い。 手加減は要らん。 もし万が一、お前が事故であの男を殺したとしても俺は許す! お前の為に毎日差し入れを入れに来てやってもいいぜ! なんなら高級弁当にしてやってもいい! だから俺の為にヤッテ来い!」
「何言ってるんですか隊長。 自分が狙われているからって、俺まで巻き込まないでください。 やるんなら自分でやってくださいね。 隊長が牢屋に繋がれている間に、ロッテさんと子供は俺が面倒をみますから。」
「お前に任せられる訳がねぇだろうが! 俺の子供が二人になったらテメェ殺してやるからな!」
「安心してください、俺だったら五人ぐらいは作れると思います。 それにマッド君の事も、ちゃんと俺の子として育てますから大丈夫です。 何も心配いりませんから。」
「何も大丈夫じゃねぇわ! あああ、もう良い、ただし絶対に負けるんじゃねぇぞ!」
隊長は随分とアーモンの事が嫌いらしい。 まあ毎日の様に尻を狙われていたら、そうなるのもわからなくもないのだが。 俺も簡単に負ける気は無いので、適当に返事を返しておいた。
「あ~はい、程々に頑張って来ま~す。」
隊長と話してる内に休憩が終わり、二回戦開始の時間がやって来た。 俺は戦いの舞台へと上がると、目の前にはあの男が立って居た。 持っている武器は、片手では少々扱うのが難しい長さの剣だ。 両手で持って使うのだろうか? それに何だか、俺の事を見て何だか怒っている。
「折角アンリさんとの時間を楽しめると思っていたのに、貴方のおかげで全て台無しだ。 この怨みは晴らさせてもらおうか!」
アツシに変身しているというのに、この男は完全に見破っている。
俺も普通に戦っていただけだというのに、何故俺が恨まれなきゃならないのか。 これはもう完全な逆恨みだ。 全く面倒な話だ。
・・・・・そういえば記憶喪失だと聞いたのだが、もう治ったのだろうか?
俺は一回戦の通り重りを装着されると、木で作られた槍を装着して、開始の合図が鳴った。 俺としてはもう少し細身の槍の方が良かったのだが、作ったのはこれしかないらしい。 刃の部分を外して棍にしても良いというのに、本当に何故だ。
「さあ、存分に付き合ってもらうぞ!」
そう叫び、アーモンが両手で剣を持ち、真っ直ぐに突っ込んで来ている。 当たり前だが両手で扱う剣は、片手で扱う剣より総じて重さと威力が増している。 俺が今扱っている槍は、木製であってもそこそこ頑丈な物だが、下手に受ければ真っ二つにされかねない。
俺はそれを盾で受け止め、空いた右手で槍をぶん回した。 俺の槍はアーモンの頭へと掠るだけで、殆どダメージを与えられない。それならばもう一撃だ! 手首で槍の角度を修正して、アーモンが逃げた先へと、ランスの先端が突き入れられた。
・・・・・普通ならこれで終わるんだろうけど、槍の先端は丸く削られていて、相手に突き刺さる事はない。 アーモンは少し怯んだ程度でまだ倒せそうもなかった。
「ふふふ、中々良い攻撃じゃないですか。 ですが俺を喜ばせるにはまだ足りません! さあもっと食らわせてみるが良い! さあ早く!」
この男、攻撃する気がないのだろうか? 何故か両腕を広げて無防備になっている。 何かの罠か? 俺は距離を取りつつもう一度同じ個所へと攻撃を放った。
「グッ、はぁん。 その程度で俺にダメージを与えられると思ったら大間違いだ。 さあもっとだ。 もっと俺に打撃を。 はぁはぁ・・・・・。」
「・・・・・。」
このトーナメントは、もしかして変態しか居ないのだろうか? どの道倒すには攻撃を繰り出すしかないし、今度は避ける気も無いようだから全力で同じ場所へとブチ当てた。
「まだまだぁ! そんな攻撃が利くと思っているのか! もっと全力だ、もっと全力で来い! その程度で俺が許すとでも思っているのか! モットガツーンと!」
俺は一体何をやらされているのだろう。 もう付き合うのは止めよう。 俺は助走を付けて、同じ個所へと連撃の攻撃を放った。 やはり避ける事はせずに、真面に攻撃をくらっている。
随分頑丈な男だ。 だがそれももう無意味。 攻撃をくらって浮き上がったアーモンは、舞台の下へと落ちて行った。
「なッ、卑怯者め! 俺はまだまだ戦えるぞ! こうなったら試合なんて関係ない。 俺が満足するまで、潔く勝負しようじゃないか!」
「・・・・・あ、あそこにアンリさんが居ますよ。」
「あッ、何教えていやがるんだバールッ! テメェ後で覚えとけよ!」
「アンリさんだああああああああああああああ!」
なんかもうどうでも良くなった俺は、会場に居た隊長を指さして教えてあげた。 アーモンは会場の隊長を見ると、俺の事なぞ忘れて、隊長の元へと駆けて行った。
「ふう、ある意味恐ろしい相手だった。 あのまま続けて居たら如何なっていた事だろうか。」
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