一つの世界で起こる、万の人々が紡ぐ数多くの物語。書物に残された文字は、忘れられた歴史の記録を残す。
10 私との秘密。
色々としてきたけど、私はあの男を本当に殺す気は無い。 だからこそ、私はこのアーモンと言う男を、社会的に抹殺しようと頑張っていたのだけど、そう上手くいかなかったらしい。 道の真ん中で、醜態を晒せばと思っていたけど、引き止める事には失敗してしまった。
しかし私には、第二、第三の作戦がある。 この日の為に作った、毛糸のセーターを、あの男に着てもらわないとならない。 でも、これがただのセーターだと思ったら、大間違いだ。 私が待っていると、あの男が戻って来た。 何故か上半身が裸だったけど、この男にとっては、そんな事は日常なのだろう。 それに、私にとってもチャンスでもある。
「ふう、おまたせしましたレインさん。 あの、ちょっとした用事を思い出してしまって。 お待たせてしまって、すみませんでした。」
「ふふふ、良いんですよアーモンさん。 私は気にしていませんよ? それより服をどうしたんですか? まさか強盗にでも襲われたんでしょうか?」
「いや、あの・・・・・ちょっと引っ掛けてしまって、服が破れてしまったんですよ。 ははは・・・。」
「あ、じゃあ丁度良かったです。 私、アーモンさんに着て貰おうと思って、セーターを編んで来たんですよ? ちょっと着てみませんか? ほら、これです。」
「セーターですか? もう直ぐ夏・・・・・。 いやでも嬉しいですよ!! 直ぐに着させてもらいます!! う、嬉しいなー!!」
「良かった、じゃあ早速着てくださいね。 私、一生懸命作ったんですよ。」
私はセーターを彼に手渡し、それを見て彼が愕然としている。 乳首の部分には、大きな四角い穴が開けられ、完全に丸見えになっている。 そして背中には、大きく私は変態だと書いていた。
「どうしました? 着てくれないんですか?」
「着るに決まっているでしょう!! 俺はこの位気にしませんから。 例えレインさんの趣味が、どんなのだろうと、俺は受け入れて行くつもりですから!!」
アーモンがセーターを着ると、周りからクスクスと笑い声が聞こえて来る。 だと言うのに、この男は平然と立って居る。 着せる事には成功した。 でもこの男、全く何も感じていない様だ。 しかも私がそんな趣味を持っているだのと、自分の笑顔が、引きつっているのが分かった。
でも如何しよう。 この程度の事では、ダメージも受けないというのだろうか? これ以上となると、次の手も上手くは行かないと思う。 やはり殺・・・・・いけないいけない、私は一体何を考えているんだろう。 怒りで我を忘れそうだ。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・・。」
「レインさん、如何されました? 大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫、大丈夫です。 ふふふ、大丈夫ですよ・・・・・。」
このままではいけない。 やはりべノムさんと同じ様に、私も誰かに押し付けてしまおうか。 でも誰に? ベストなのはべノムさんだけど、もう私の話を聞いてくれそうにもない。 でも私の知り合いといっても、友達に押し付けるのは駄目だ。
私の友達が居なくなってしまう。 他に知ってる人となると、お客さんだけど、それも出来ない。 私が変な者を押し付けたと噂になってしまえば、店の売り上げが落ちてしまう。 出来ればそれは避けたい。
こうなったら、もう国外に捨てて来てしまうべきだろうか。 しかし、輸送班の知り合いも、私には居るけれど、人を捨てて来てくれと言って、聞いてくれる人間は居ない。 もし引き受けてくれたとしても、足元を見られるか、後々面倒な事になりそうだ。
ギルドに・・・・・そんな大金は、私には無い。 待って。 捨てて来て貰えるだけなら、べノムさんでも聞いてくれるんじゃないだろうか?
「レインさん? 気分が悪いなら、今日は帰りましょうか? 無理をする必要はありませんから。」
「大丈夫ですよアーモンさん。 私なら平気です。 ・・・・・あの~、アーモンさん。 少し頼みを聞いてくれませんか?」
「俺で出来る事であれば、何なりと!!」
この人は、もの凄く変態で、私は徹底的に嫌いだけど、そう悪い人ではなさそうだ。 だからと言って、私が許す訳でもないけど。
私はこの男に頼み、べノムさんの家までやって来ていた。 元の恋人に挨拶しに行くと言ったら、この男は快く了承した。 べノムさんは家にはまだ帰っておらず、ロッテさんに頼み、べノムさんを待っていた。
「おう、帰った・・・・・と思ったが、ちょっと仕事が残っていたらしい、俺は仕事に行って来る。」
「駄目です。」
私は、逃げようとするべノムさんの手を掴み、それを制止した。 そして、あの男にも聞こえる様に、大きな声で、べノムさんにお願いした。
「貴方の所為で私は迷惑しているんです、だからあの人を捨てて来るのを手伝ってください!!」
「だから前にも言ったが、殺人に手を貸すつもりは無い!! やるなら自分一人でやって来い、俺は見ない振りをしててやるから!!」
「殺してくれと言ってる訳じゃありません。 生きたまま他国に捨てて来てください!! それなら別に良いでしょう?! 殺人じゃないし、問題ないでしょう!!」
「問題あるわ!! 殺人じゃなくても、立派な誘拐犯じゃねぇか!! 俺に犯罪を進めるんじゃねぇよ!!」
「良いじゃないですか、そのぐらいしてくれても。 私がどれだけ心に傷を負ったか分かりませんか? 二人で私の体を使って遊んでたんでしょう!! ああ、考えるだけで気持ち悪い。 凄く気持ち悪い!!」
「やってねぇから!! 姿を借りたのは悪かったけど、俺はそんな事してねぇから!!」
「まあまあ、二人とも落ち着いてください。 俺の取り合いなんてしないでください。 でもアンリさんには悪いですけど、俺レインさんと付き合う事になったんです。 残念ですけど、諦めてください。」
「誰がお前なんぞ取り合うか!! 良いからお前は出て行けよ!!」
「私はデートしようと言っただけで、付き合うとは一言も言っていません!! 勘違いしないでください!!」
私達の騒がしさに、とうとうロッテさんが怒った。
「あ~もう煩い!! マッドが起きちゃうから、もう家の外でやって!! 全員出て行って!!」
「いやまて、俺は別に悪くねぇだろ。 ちょっとまておいい!!」
怒ったロッテさんにより、私達は家から追い出されてしまった。
「おい入れろ!! 俺は犯罪に関わらないでいようとしただけだろうが!!」
「ふう、追い出されてしまいましたね。 まあこれを切っ掛けに、少し落ち着きましょう。 ほら、アンリさんも、落ち着いて、落ち着いて。 さあ俺が付いていますから。」
「いきなり抱き付くんじゃねぇよ!! このド変態がッ!!」
「ぐッはああああああああああああああああ!!」
変態に抱き付かれたべノムさんが、それを振りほどき。 渾身の右ストレートが、この変態にクリーンヒットした。 そのまま吹き飛ばされ、白目をむいて倒れて居る。 私にとってまたとないチャンスが訪れる。 私は持って来たロープでこの変態を縛り上げ、べノムさんを説得した。
「べノムさん、今ので分かったでしょう。 この変態がこの国に居たら、例え十年後になっても狙われますよ? 誰にも気づかれない様に、今の内に捨てて来てください!!」
べノムさんは周りを見回すと、人が居ないのを確認して、私に頷き、それを袋詰めにした。 そして、あの変態を吊るしながら空へと飛び立ち。 誰にも内緒で、変態は遠くの国に捨てられてきた。
彼はこの国の人間じゃない。 誰も悲しみはしないだろう。
しかし私には、第二、第三の作戦がある。 この日の為に作った、毛糸のセーターを、あの男に着てもらわないとならない。 でも、これがただのセーターだと思ったら、大間違いだ。 私が待っていると、あの男が戻って来た。 何故か上半身が裸だったけど、この男にとっては、そんな事は日常なのだろう。 それに、私にとってもチャンスでもある。
「ふう、おまたせしましたレインさん。 あの、ちょっとした用事を思い出してしまって。 お待たせてしまって、すみませんでした。」
「ふふふ、良いんですよアーモンさん。 私は気にしていませんよ? それより服をどうしたんですか? まさか強盗にでも襲われたんでしょうか?」
「いや、あの・・・・・ちょっと引っ掛けてしまって、服が破れてしまったんですよ。 ははは・・・。」
「あ、じゃあ丁度良かったです。 私、アーモンさんに着て貰おうと思って、セーターを編んで来たんですよ? ちょっと着てみませんか? ほら、これです。」
「セーターですか? もう直ぐ夏・・・・・。 いやでも嬉しいですよ!! 直ぐに着させてもらいます!! う、嬉しいなー!!」
「良かった、じゃあ早速着てくださいね。 私、一生懸命作ったんですよ。」
私はセーターを彼に手渡し、それを見て彼が愕然としている。 乳首の部分には、大きな四角い穴が開けられ、完全に丸見えになっている。 そして背中には、大きく私は変態だと書いていた。
「どうしました? 着てくれないんですか?」
「着るに決まっているでしょう!! 俺はこの位気にしませんから。 例えレインさんの趣味が、どんなのだろうと、俺は受け入れて行くつもりですから!!」
アーモンがセーターを着ると、周りからクスクスと笑い声が聞こえて来る。 だと言うのに、この男は平然と立って居る。 着せる事には成功した。 でもこの男、全く何も感じていない様だ。 しかも私がそんな趣味を持っているだのと、自分の笑顔が、引きつっているのが分かった。
でも如何しよう。 この程度の事では、ダメージも受けないというのだろうか? これ以上となると、次の手も上手くは行かないと思う。 やはり殺・・・・・いけないいけない、私は一体何を考えているんだろう。 怒りで我を忘れそうだ。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・・。」
「レインさん、如何されました? 大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫、大丈夫です。 ふふふ、大丈夫ですよ・・・・・。」
このままではいけない。 やはりべノムさんと同じ様に、私も誰かに押し付けてしまおうか。 でも誰に? ベストなのはべノムさんだけど、もう私の話を聞いてくれそうにもない。 でも私の知り合いといっても、友達に押し付けるのは駄目だ。
私の友達が居なくなってしまう。 他に知ってる人となると、お客さんだけど、それも出来ない。 私が変な者を押し付けたと噂になってしまえば、店の売り上げが落ちてしまう。 出来ればそれは避けたい。
こうなったら、もう国外に捨てて来てしまうべきだろうか。 しかし、輸送班の知り合いも、私には居るけれど、人を捨てて来てくれと言って、聞いてくれる人間は居ない。 もし引き受けてくれたとしても、足元を見られるか、後々面倒な事になりそうだ。
ギルドに・・・・・そんな大金は、私には無い。 待って。 捨てて来て貰えるだけなら、べノムさんでも聞いてくれるんじゃないだろうか?
「レインさん? 気分が悪いなら、今日は帰りましょうか? 無理をする必要はありませんから。」
「大丈夫ですよアーモンさん。 私なら平気です。 ・・・・・あの~、アーモンさん。 少し頼みを聞いてくれませんか?」
「俺で出来る事であれば、何なりと!!」
この人は、もの凄く変態で、私は徹底的に嫌いだけど、そう悪い人ではなさそうだ。 だからと言って、私が許す訳でもないけど。
私はこの男に頼み、べノムさんの家までやって来ていた。 元の恋人に挨拶しに行くと言ったら、この男は快く了承した。 べノムさんは家にはまだ帰っておらず、ロッテさんに頼み、べノムさんを待っていた。
「おう、帰った・・・・・と思ったが、ちょっと仕事が残っていたらしい、俺は仕事に行って来る。」
「駄目です。」
私は、逃げようとするべノムさんの手を掴み、それを制止した。 そして、あの男にも聞こえる様に、大きな声で、べノムさんにお願いした。
「貴方の所為で私は迷惑しているんです、だからあの人を捨てて来るのを手伝ってください!!」
「だから前にも言ったが、殺人に手を貸すつもりは無い!! やるなら自分一人でやって来い、俺は見ない振りをしててやるから!!」
「殺してくれと言ってる訳じゃありません。 生きたまま他国に捨てて来てください!! それなら別に良いでしょう?! 殺人じゃないし、問題ないでしょう!!」
「問題あるわ!! 殺人じゃなくても、立派な誘拐犯じゃねぇか!! 俺に犯罪を進めるんじゃねぇよ!!」
「良いじゃないですか、そのぐらいしてくれても。 私がどれだけ心に傷を負ったか分かりませんか? 二人で私の体を使って遊んでたんでしょう!! ああ、考えるだけで気持ち悪い。 凄く気持ち悪い!!」
「やってねぇから!! 姿を借りたのは悪かったけど、俺はそんな事してねぇから!!」
「まあまあ、二人とも落ち着いてください。 俺の取り合いなんてしないでください。 でもアンリさんには悪いですけど、俺レインさんと付き合う事になったんです。 残念ですけど、諦めてください。」
「誰がお前なんぞ取り合うか!! 良いからお前は出て行けよ!!」
「私はデートしようと言っただけで、付き合うとは一言も言っていません!! 勘違いしないでください!!」
私達の騒がしさに、とうとうロッテさんが怒った。
「あ~もう煩い!! マッドが起きちゃうから、もう家の外でやって!! 全員出て行って!!」
「いやまて、俺は別に悪くねぇだろ。 ちょっとまておいい!!」
怒ったロッテさんにより、私達は家から追い出されてしまった。
「おい入れろ!! 俺は犯罪に関わらないでいようとしただけだろうが!!」
「ふう、追い出されてしまいましたね。 まあこれを切っ掛けに、少し落ち着きましょう。 ほら、アンリさんも、落ち着いて、落ち着いて。 さあ俺が付いていますから。」
「いきなり抱き付くんじゃねぇよ!! このド変態がッ!!」
「ぐッはああああああああああああああああ!!」
変態に抱き付かれたべノムさんが、それを振りほどき。 渾身の右ストレートが、この変態にクリーンヒットした。 そのまま吹き飛ばされ、白目をむいて倒れて居る。 私にとってまたとないチャンスが訪れる。 私は持って来たロープでこの変態を縛り上げ、べノムさんを説得した。
「べノムさん、今ので分かったでしょう。 この変態がこの国に居たら、例え十年後になっても狙われますよ? 誰にも気づかれない様に、今の内に捨てて来てください!!」
べノムさんは周りを見回すと、人が居ないのを確認して、私に頷き、それを袋詰めにした。 そして、あの変態を吊るしながら空へと飛び立ち。 誰にも内緒で、変態は遠くの国に捨てられてきた。
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