一つの世界で起こる、万の人々が紡ぐ数多くの物語。書物に残された文字は、忘れられた歴史の記録を残す。
21 人にはやれる事とやれない事がある。
セローリさんから聞いた話では、どうやらノーツがこの場に来たのは、憂さ晴らしの為だったらしい。 思う存分罵詈雑言をぶちまけて、最終的には姿の見えない、セローリまで口説いていた様だ。 勿論断ったと言っている。
その話を聞いたダイヤは、明らかに不機嫌になっていた。 まあそれは、今はどうでもいい話だ。 ノーツの手掛かりはというと、帝国の中にある、出会いの橋の上で、好みの女の子を探しに行くと言っていたそうだ。 俺達二人は、その出会いの橋へと向かい、ノーツの手掛かりを探す事になった。
出会いの橋と言う場所は、簡単に言えば、男が女を引っかけたり、逆に女の方から男に声を掛けたりと、まあそんな場所である。 何処の国であっても、そういう場所は一つはあるだろう。
「さて、この場所に来ていたと聞きましたが、誰か知ってる人が居るでしょうかね? まずは聞き込みをするしかないでしょうね。」
「だね。 あの馬鹿は、本当に何処へいったのやら。 あ、ねぇ貴女、一か月前に、ノーツって奴見かけなかった? もしかしたら、ブリザード・フレイムとか言ってたかもしれないけど。」
ダイヤが道行く人達に、話を聞きに、動き回っている。 俺も情報を集めるとしようか。
よし、あの優しそうな女性に、声を掛けてみよう。 俺は話を聞いてくれそうな、女性を選び、声を掛けてみる事にした。
「あの、すみません。 一か月前にノーツと言う男の人を見ませんでしたか? え~っと特徴は・・・・・。」
「は? 何、ナンパ? 悪いけど、私の趣味じゃないから。 他を当たって。」
「いや、そうじゃなくてですねぇ。 私は人探しを・・・・・。」
「ごめんなさい、時間が無いの。 また今度にしてくれる。」
「待って・・・・・。」
行ってしまった。 この場所がそういう場所なので、勘違いされたのだろう。 仕方ない、これは数を当たるしかないだろう。 俺はそれから、更に十人に声を掛けてみたのだが、何故か一人も止まってはくれなかった。 もしかしたら、俺が魅力的な所為で、話しかけるのを躊躇っているのかもしれないな。 この場は、ダイヤに頑張ってもらうとしよう。
となれば、今俺が出来る事と言えば、ノーツの事を考えるぐらいしかない。 俺は脳細胞に意識を集中して、考えを巡らせた。
まずノーツは、この出会いの橋で、女の子を引っかけると言っていた。 しかし、失敗したのだろう。 この俺がそうなのだから、ノーツも間違いなく相手にされていないはずだ。
そしてどうなった? 持てなさ過ぎて、川に身を投げた? いや、そんな事をすればもう噂になっている。 別の新聞で取り上げられていても、可笑しくないはずだ。 つまり、来た道を戻って、家に帰ることにした。 きっとそうに違いない。
「あ、カールソンさん、ノーツの行方が分かりましたよ。 絡まれていた女性を助けたみたいなんですが。 絡まれた男達に追われて、橋の向こうへ行ったみたいです。 そっちに行ってみましょう」
・・・・・どうやら、予想とは全く違った様だ。 まあ仕方がない、橋に来たってだけでは、情報が足りなかったからな。 そんな状態では、俺の予想が外れても、仕方がない事だ。
「何ボーっとしてるんですか、早く行こう!!」
「あ~、はいはい。」
ノーツは、男達に追いかけられたと言うが、殺されているのか、閉じ込められているのか、何方にしろ、あまり良い状況ではなさそうだ。 そして危険な状況だったにしろ、今はもう、一月もの時間が経過している。 ノーツを見付けられても、手遅れなのかもしれない。
俺達は、橋の先を進み続けた。 何処へ行ったのか分からないので、出店等に聞き込みをしていくと、ノーツが進んで行った道順が見えて来た。
男達に追われた、ノーツとその女性は、どうやら貧民街の方に逃げて行った様だ。 貧民街は、逃げたくて行く様な場所ではない。 男達に道を塞がれ、仕方なく逃げたのだろう。
もう大分人通りも少なくなっている。 そして、太陽も傾き、もう夜が来るだろう。 今日これ以上進むのは無理だ。 行くにしても、ダイヤさんを連れて行く事は出来ない。
「ダイヤさん、今日は此処までにしましょう。 この先は、火が落ちてから行ける場所ではありません。 行くにしても、誰か護衛を付けなくては、この先に進む事は出来ません。 貴女も帝国の人間なら知ってるでしょう?」
「私なら大丈夫、自分の身ぐらい自分で護れるから!! もうそこに手掛かりがあるんですよ、もう少しだけ、後少しだけ進んでみようよ!!」
「駄目です!! 貴女がいくら強くても、何十人を相手に、勝てる訳が無いでしょう。 この先をなめてはいけません。 貴女が足を踏み込んだなら、十分も経たずに、服を剥かれますよ。 貧民街にいる男全員に手籠めにされて、満足したら売られてしまいますよ?」
これは全部本当の事だ。 俺も何度か入った事はある。 だが入るにしても、護衛は常に雇っていたし、それをしても、何度か危ない目にあったのは事実だ。
「言っておきますけど、これは脅しじゃありませんからね、記者の私は、そういう話を良く聞きますからね。 実際、廃人の様になった女性を、何人か知っています。 それでも行くというなら止めませんが、家族には遺書を渡してから行ってください。 貴女の未来は、そこで閉ざされるでしょうから。」
「でもッ!!」
「ただ死を望むのであれば、勝手にしてください。 でも本能に彼に会いたいのなあば、明日まで待つべきです。 私の言ってる意味、分かりますよね?」
「・・・・・はい。」
ダイヤはかなり落ち込んでいる。 しかし、曲がり間違って、一人でツッコんで行くよりは良いだろう。 俺達は一度帰宅して、明日の調査に挑む事になった。 一応先輩のも報告はしてある。 一応大きな事件かもしれないからと、護衛代は経費で落ちる事になった。
俺とダイヤ、それと護衛の四人を連れて、俺達は貧民街に足を踏み入れた。
その話を聞いたダイヤは、明らかに不機嫌になっていた。 まあそれは、今はどうでもいい話だ。 ノーツの手掛かりはというと、帝国の中にある、出会いの橋の上で、好みの女の子を探しに行くと言っていたそうだ。 俺達二人は、その出会いの橋へと向かい、ノーツの手掛かりを探す事になった。
出会いの橋と言う場所は、簡単に言えば、男が女を引っかけたり、逆に女の方から男に声を掛けたりと、まあそんな場所である。 何処の国であっても、そういう場所は一つはあるだろう。
「さて、この場所に来ていたと聞きましたが、誰か知ってる人が居るでしょうかね? まずは聞き込みをするしかないでしょうね。」
「だね。 あの馬鹿は、本当に何処へいったのやら。 あ、ねぇ貴女、一か月前に、ノーツって奴見かけなかった? もしかしたら、ブリザード・フレイムとか言ってたかもしれないけど。」
ダイヤが道行く人達に、話を聞きに、動き回っている。 俺も情報を集めるとしようか。
よし、あの優しそうな女性に、声を掛けてみよう。 俺は話を聞いてくれそうな、女性を選び、声を掛けてみる事にした。
「あの、すみません。 一か月前にノーツと言う男の人を見ませんでしたか? え~っと特徴は・・・・・。」
「は? 何、ナンパ? 悪いけど、私の趣味じゃないから。 他を当たって。」
「いや、そうじゃなくてですねぇ。 私は人探しを・・・・・。」
「ごめんなさい、時間が無いの。 また今度にしてくれる。」
「待って・・・・・。」
行ってしまった。 この場所がそういう場所なので、勘違いされたのだろう。 仕方ない、これは数を当たるしかないだろう。 俺はそれから、更に十人に声を掛けてみたのだが、何故か一人も止まってはくれなかった。 もしかしたら、俺が魅力的な所為で、話しかけるのを躊躇っているのかもしれないな。 この場は、ダイヤに頑張ってもらうとしよう。
となれば、今俺が出来る事と言えば、ノーツの事を考えるぐらいしかない。 俺は脳細胞に意識を集中して、考えを巡らせた。
まずノーツは、この出会いの橋で、女の子を引っかけると言っていた。 しかし、失敗したのだろう。 この俺がそうなのだから、ノーツも間違いなく相手にされていないはずだ。
そしてどうなった? 持てなさ過ぎて、川に身を投げた? いや、そんな事をすればもう噂になっている。 別の新聞で取り上げられていても、可笑しくないはずだ。 つまり、来た道を戻って、家に帰ることにした。 きっとそうに違いない。
「あ、カールソンさん、ノーツの行方が分かりましたよ。 絡まれていた女性を助けたみたいなんですが。 絡まれた男達に追われて、橋の向こうへ行ったみたいです。 そっちに行ってみましょう」
・・・・・どうやら、予想とは全く違った様だ。 まあ仕方がない、橋に来たってだけでは、情報が足りなかったからな。 そんな状態では、俺の予想が外れても、仕方がない事だ。
「何ボーっとしてるんですか、早く行こう!!」
「あ~、はいはい。」
ノーツは、男達に追いかけられたと言うが、殺されているのか、閉じ込められているのか、何方にしろ、あまり良い状況ではなさそうだ。 そして危険な状況だったにしろ、今はもう、一月もの時間が経過している。 ノーツを見付けられても、手遅れなのかもしれない。
俺達は、橋の先を進み続けた。 何処へ行ったのか分からないので、出店等に聞き込みをしていくと、ノーツが進んで行った道順が見えて来た。
男達に追われた、ノーツとその女性は、どうやら貧民街の方に逃げて行った様だ。 貧民街は、逃げたくて行く様な場所ではない。 男達に道を塞がれ、仕方なく逃げたのだろう。
もう大分人通りも少なくなっている。 そして、太陽も傾き、もう夜が来るだろう。 今日これ以上進むのは無理だ。 行くにしても、ダイヤさんを連れて行く事は出来ない。
「ダイヤさん、今日は此処までにしましょう。 この先は、火が落ちてから行ける場所ではありません。 行くにしても、誰か護衛を付けなくては、この先に進む事は出来ません。 貴女も帝国の人間なら知ってるでしょう?」
「私なら大丈夫、自分の身ぐらい自分で護れるから!! もうそこに手掛かりがあるんですよ、もう少しだけ、後少しだけ進んでみようよ!!」
「駄目です!! 貴女がいくら強くても、何十人を相手に、勝てる訳が無いでしょう。 この先をなめてはいけません。 貴女が足を踏み込んだなら、十分も経たずに、服を剥かれますよ。 貧民街にいる男全員に手籠めにされて、満足したら売られてしまいますよ?」
これは全部本当の事だ。 俺も何度か入った事はある。 だが入るにしても、護衛は常に雇っていたし、それをしても、何度か危ない目にあったのは事実だ。
「言っておきますけど、これは脅しじゃありませんからね、記者の私は、そういう話を良く聞きますからね。 実際、廃人の様になった女性を、何人か知っています。 それでも行くというなら止めませんが、家族には遺書を渡してから行ってください。 貴女の未来は、そこで閉ざされるでしょうから。」
「でもッ!!」
「ただ死を望むのであれば、勝手にしてください。 でも本能に彼に会いたいのなあば、明日まで待つべきです。 私の言ってる意味、分かりますよね?」
「・・・・・はい。」
ダイヤはかなり落ち込んでいる。 しかし、曲がり間違って、一人でツッコんで行くよりは良いだろう。 俺達は一度帰宅して、明日の調査に挑む事になった。 一応先輩のも報告はしてある。 一応大きな事件かもしれないからと、護衛代は経費で落ちる事になった。
俺とダイヤ、それと護衛の四人を連れて、俺達は貧民街に足を踏み入れた。
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