一つの世界で起こる、万の人々が紡ぐ数多くの物語。書物に残された文字は、忘れられた歴史の記録を残す。
7 調味料はいかがでしょうか?
宿に帰った俺達三人、そこで待ち受けていたのは最強の敵だった。 魔物達なんて目じゃない、目の前に居るのは、お怒りの表情をした女達。
「た、ただいまストリー・・・・・」
「アツシ、あんな紙切れを置いて、いったい何日空けたのか分かっているのか? 言い訳があるのなら聞いてやる、さあ言ってみろ。」
見回りに行くと言って二日も空ければそりゃ心配もするか。 でもこれは俺の所為じゃない!! クロッケルが勝手に受けて俺達を拉致して連れ去った所為だ!! ちゃんと説明すれば分かってもらえるはずだ!!
「いや~、昨日・・・・・じゃない、二日前にジュリアンに呼び出されてな。 そんで書置き残して行ったんだが、俺は断ろうと思ったんだよ? でもクロッケルが報酬に目が眩みやがって、俺達を拉致したんだよ!!」
バッとストリーに視線を向けられて、慌てて顔を反らすクロッケル。 顔を反らしても駄目だ、俺の様に、もうちょっと自制心を持った方が良いぞ。
 「そ、それであれだよ、馬車に揺られて魔物退治に行ったんだが、そこまでの道が結構遠くって、まあそれで二日も掛かってしまった訳なんだ。 だから、だからな・・・・・俺の顔を掴んでる手を放してくれないかなぁ・・・・・そ、そうだ、俺も報酬を貰ったんだ。 ほらこれ、大金だろ。 というか金なんだけど。」
「で?」
で? と言われても、これ以上俺に如何しろと・・・・・
「す、すごいだろ? 大金なんだぞ・・・・・だからもう少し力を・・・・・あだだだだだだだだだだ!! マジで痛い!! 頭がもげるよ、もげちゃうううううう!!」
「私が・・・・・私達がどれだけ心配したか分かっているのか? 余りにも帰りが遅いから夜中中も必死で探し回っていたのだぞ!! ちゃんと誠心誠意心を込めて皆に謝るんだな!!」
「ごめんごめんごめん、マジごめん、本当ごめん!! お願いお願い手を放してくれ!! 痛い痛い痛い!! ぐおおおおおおお、ギブギブ、マジで止めて、頭が、うをおおおおおおおおおおおおおおおお!! ・・・・・ぐはッ!!」
ストリーの力は緩まらず、痛みの為に出た脂汗により滑って外れた。 あのまま外れなかったら、俺の頭が握り潰されてたかもしれない。
「このぐらいで勘弁してやろう、またこんな事があれば、次はこんな物ではすまんぞ。 きちんと反省するんだな。」
「はい、もう二度といたしません。」
「・・・・・よし、じゃあこれで終わりだ。 お帰りアツシ。」
「おう、ただいま!!」
俺の方は何とかなったが、イバスの方はというと・・・・・
「お帰りなさいませせイバス様、お食事になさいますか、お背中をお流し致しましょうか? それとも・・・・・」
「言わせません!! 明日さん、私しんぱいしていました、二日も会えないなんて気が狂いそうになりました、此処は愛の口づけをして二人で寝室に・・・・・」
「あらイバス、食事が出来たからこっちへいらっしゃいよ、大丈夫、何にも入って無いからさ。」
見た目は美味そうな料理だが、言葉通り何にも入ってないことは無いんじゃないか? 気付いているのかイバスはそれに手を付けない。
「ああ、僕は今お腹空いて無いから、後で食べるよ。 うん、後で食べるよ。 うん。」
「そうなの? じゃあ背中流してあげるわ、ほらこっちよ。」
「待ちなさいアスメライちゃん、ちょっとやり過ぎじゃないかしら? ここは姉の私に任せて、部屋の掃除でもしてくれないかしら?」
「お姉ちゃん、それなら一緒に行きましょうよ、久しぶりに姉妹仲良くお風呂に入りましょうよ。」
「それは嫌、貴女私の体にイタズラするじゃない。 前なんてあんな事まで・・・・・」
あんな事とはどんな事なんだ? ちょっと聞きたいが、ストリーの前でそんな素振りを見せたら俺が死ねる。 聞き耳だけ立てておこう。 ちなみに姉妹で言い争ってる間にレーレがイバスに迫ってる。 イバスの手を引き、二人が見えない所でキスを迫ってたりする。
「さあ、今の内です、さあお早く。」
「いや、それはちょっと・・・・・」
昔の俺なら羨ましがっていただろうが、今の俺はそんな事を思わない。 何故ならレーレは腰の短剣に手を掛け、他の二人が来るのを待ち構えている。 もし隙があったらヤル気だ。 アレを見ているとイバスの苦労が分かる。 もしかしたらとばっちりで全滅エンドなんて事にもなりかねない。 ちょっと注意しておこう。
「あ、僕ちょっとアツシに急ぎの用事があるから、行くね。」
俺の元へ来ようとしているイバスだが、レーレに手を掴まれて逃げられない。
「レーレさん、行けないのでちょっと放してくれませんか。 本当に用事があるので・・・・・」
「嫌です、先に口付けをしてください、そうしたら放してあげます!!」
そんな事を言い合ってるレーレの背中から剣が振り下ろされる。 レーレはそれを避けたが、イバスの顔の前に二本の剣が通過していく。 姉妹二人の斬撃は床に突き刺さり、完璧に殺す攻撃だと分かった。 イバスが誰を選んでも、別の二人が殺しに掛かるかもしれない、あれはもうつんでるとしか言いようがないだろう。
今の攻撃により手を放されたイバスは、俺の元へとやってきた。 女三人の視線が痛いが、ストリーの一睨みで蜘蛛の子を散らす様に退散していった。 強いぞストリー。 ・・・・・後は優しさがあれば完璧なんだが。
「それで何の用だイバス、ただ避難しただけか?」
「いや違うよ、話したかったのは今回の依頼の件だよ。 僕の予想じゃ、次の依頼は受けない方が良いと思うよ。 話が美味過ぎるし、この金塊の事だっておかしい。 あんな程度の相手にこの金塊の量は異常だし、帰る時にも多く金塊を持たせて、この次にも来させようとしてたし、あの人なんか企んでると思うよ。」
あの魔物、最初は襲って来なかったからな。 兵士でなくても人数さえそろえれば後から一発で倒せるんじゃないか? ギルドにでも頼めば、この金額の半分も掛からないと思うぞ。
「俺も何となく感じてはいたが、俺を止めるより、あっちの奴を止めた方が良いんじゃないのか? 彼奴絶対行く気だぜ?」
「あの人、僕が言っても聞かないでしょ。 止めたとしても隠れてコッソリ行くに決まってるよ。 それならクロッケルさんを囮にしてあの屋敷の事を調べた方が良いんじゃないかな?」
怪訝な表情で聞いていたストリーが、話に加わって来た。
「私にも詳しく教えろ。 ジュリアンの奴が何かやっているのか?」
イバスがストリーに説明をし、今度ジュリアンの屋敷を調べる事になった。
「あ、リュークさん、美味しそうな料理が残ってますよ。 あれ食べちゃいましょうよ。」
「そうだな、残すのは勿体無いからな、誰も食べないのなら貰ってしまおうじゃないか。」
あの二人また来たのか、奴等、此処を無料食料か何かと勘違いしてるんじゃないだろうな?
「あ、美味しいですよこれ。 何で皆さん食べないんでしょうね。」
「おおいけるな、美味いじゃないかこれ。 ・・・・・うッ!!」
「はうッ!! ・・・・・かりゃだぎゃうごきゃにゃい。」
「し、痺れ・・・・・」
やはり何か入れられていたか、イバスが食わなかったのは正解だったな。 あの二人もこれに懲りて来なくなればいいのだけれどな。 戻って来たアスメライが、これを見てひと暴れしたのを頑張って止めた。
「た、ただいまストリー・・・・・」
「アツシ、あんな紙切れを置いて、いったい何日空けたのか分かっているのか? 言い訳があるのなら聞いてやる、さあ言ってみろ。」
見回りに行くと言って二日も空ければそりゃ心配もするか。 でもこれは俺の所為じゃない!! クロッケルが勝手に受けて俺達を拉致して連れ去った所為だ!! ちゃんと説明すれば分かってもらえるはずだ!!
「いや~、昨日・・・・・じゃない、二日前にジュリアンに呼び出されてな。 そんで書置き残して行ったんだが、俺は断ろうと思ったんだよ? でもクロッケルが報酬に目が眩みやがって、俺達を拉致したんだよ!!」
バッとストリーに視線を向けられて、慌てて顔を反らすクロッケル。 顔を反らしても駄目だ、俺の様に、もうちょっと自制心を持った方が良いぞ。
 「そ、それであれだよ、馬車に揺られて魔物退治に行ったんだが、そこまでの道が結構遠くって、まあそれで二日も掛かってしまった訳なんだ。 だから、だからな・・・・・俺の顔を掴んでる手を放してくれないかなぁ・・・・・そ、そうだ、俺も報酬を貰ったんだ。 ほらこれ、大金だろ。 というか金なんだけど。」
「で?」
で? と言われても、これ以上俺に如何しろと・・・・・
「す、すごいだろ? 大金なんだぞ・・・・・だからもう少し力を・・・・・あだだだだだだだだだだ!! マジで痛い!! 頭がもげるよ、もげちゃうううううう!!」
「私が・・・・・私達がどれだけ心配したか分かっているのか? 余りにも帰りが遅いから夜中中も必死で探し回っていたのだぞ!! ちゃんと誠心誠意心を込めて皆に謝るんだな!!」
「ごめんごめんごめん、マジごめん、本当ごめん!! お願いお願い手を放してくれ!! 痛い痛い痛い!! ぐおおおおおおお、ギブギブ、マジで止めて、頭が、うをおおおおおおおおおおおおおおおお!! ・・・・・ぐはッ!!」
ストリーの力は緩まらず、痛みの為に出た脂汗により滑って外れた。 あのまま外れなかったら、俺の頭が握り潰されてたかもしれない。
「このぐらいで勘弁してやろう、またこんな事があれば、次はこんな物ではすまんぞ。 きちんと反省するんだな。」
「はい、もう二度といたしません。」
「・・・・・よし、じゃあこれで終わりだ。 お帰りアツシ。」
「おう、ただいま!!」
俺の方は何とかなったが、イバスの方はというと・・・・・
「お帰りなさいませせイバス様、お食事になさいますか、お背中をお流し致しましょうか? それとも・・・・・」
「言わせません!! 明日さん、私しんぱいしていました、二日も会えないなんて気が狂いそうになりました、此処は愛の口づけをして二人で寝室に・・・・・」
「あらイバス、食事が出来たからこっちへいらっしゃいよ、大丈夫、何にも入って無いからさ。」
見た目は美味そうな料理だが、言葉通り何にも入ってないことは無いんじゃないか? 気付いているのかイバスはそれに手を付けない。
「ああ、僕は今お腹空いて無いから、後で食べるよ。 うん、後で食べるよ。 うん。」
「そうなの? じゃあ背中流してあげるわ、ほらこっちよ。」
「待ちなさいアスメライちゃん、ちょっとやり過ぎじゃないかしら? ここは姉の私に任せて、部屋の掃除でもしてくれないかしら?」
「お姉ちゃん、それなら一緒に行きましょうよ、久しぶりに姉妹仲良くお風呂に入りましょうよ。」
「それは嫌、貴女私の体にイタズラするじゃない。 前なんてあんな事まで・・・・・」
あんな事とはどんな事なんだ? ちょっと聞きたいが、ストリーの前でそんな素振りを見せたら俺が死ねる。 聞き耳だけ立てておこう。 ちなみに姉妹で言い争ってる間にレーレがイバスに迫ってる。 イバスの手を引き、二人が見えない所でキスを迫ってたりする。
「さあ、今の内です、さあお早く。」
「いや、それはちょっと・・・・・」
昔の俺なら羨ましがっていただろうが、今の俺はそんな事を思わない。 何故ならレーレは腰の短剣に手を掛け、他の二人が来るのを待ち構えている。 もし隙があったらヤル気だ。 アレを見ているとイバスの苦労が分かる。 もしかしたらとばっちりで全滅エンドなんて事にもなりかねない。 ちょっと注意しておこう。
「あ、僕ちょっとアツシに急ぎの用事があるから、行くね。」
俺の元へ来ようとしているイバスだが、レーレに手を掴まれて逃げられない。
「レーレさん、行けないのでちょっと放してくれませんか。 本当に用事があるので・・・・・」
「嫌です、先に口付けをしてください、そうしたら放してあげます!!」
そんな事を言い合ってるレーレの背中から剣が振り下ろされる。 レーレはそれを避けたが、イバスの顔の前に二本の剣が通過していく。 姉妹二人の斬撃は床に突き刺さり、完璧に殺す攻撃だと分かった。 イバスが誰を選んでも、別の二人が殺しに掛かるかもしれない、あれはもうつんでるとしか言いようがないだろう。
今の攻撃により手を放されたイバスは、俺の元へとやってきた。 女三人の視線が痛いが、ストリーの一睨みで蜘蛛の子を散らす様に退散していった。 強いぞストリー。 ・・・・・後は優しさがあれば完璧なんだが。
「それで何の用だイバス、ただ避難しただけか?」
「いや違うよ、話したかったのは今回の依頼の件だよ。 僕の予想じゃ、次の依頼は受けない方が良いと思うよ。 話が美味過ぎるし、この金塊の事だっておかしい。 あんな程度の相手にこの金塊の量は異常だし、帰る時にも多く金塊を持たせて、この次にも来させようとしてたし、あの人なんか企んでると思うよ。」
あの魔物、最初は襲って来なかったからな。 兵士でなくても人数さえそろえれば後から一発で倒せるんじゃないか? ギルドにでも頼めば、この金額の半分も掛からないと思うぞ。
「俺も何となく感じてはいたが、俺を止めるより、あっちの奴を止めた方が良いんじゃないのか? 彼奴絶対行く気だぜ?」
「あの人、僕が言っても聞かないでしょ。 止めたとしても隠れてコッソリ行くに決まってるよ。 それならクロッケルさんを囮にしてあの屋敷の事を調べた方が良いんじゃないかな?」
怪訝な表情で聞いていたストリーが、話に加わって来た。
「私にも詳しく教えろ。 ジュリアンの奴が何かやっているのか?」
イバスがストリーに説明をし、今度ジュリアンの屋敷を調べる事になった。
「あ、リュークさん、美味しそうな料理が残ってますよ。 あれ食べちゃいましょうよ。」
「そうだな、残すのは勿体無いからな、誰も食べないのなら貰ってしまおうじゃないか。」
あの二人また来たのか、奴等、此処を無料食料か何かと勘違いしてるんじゃないだろうな?
「あ、美味しいですよこれ。 何で皆さん食べないんでしょうね。」
「おおいけるな、美味いじゃないかこれ。 ・・・・・うッ!!」
「はうッ!! ・・・・・かりゃだぎゃうごきゃにゃい。」
「し、痺れ・・・・・」
やはり何か入れられていたか、イバスが食わなかったのは正解だったな。 あの二人もこれに懲りて来なくなればいいのだけれどな。 戻って来たアスメライが、これを見てひと暴れしたのを頑張って止めた。
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