一つの世界で起こる、万の人々が紡ぐ数多くの物語。書物に残された文字は、忘れられた歴史の記録を残す。
25 マリーヌ王との戦い2
ギャイン、ガッ、ギィイイイン、ガキン、ギギギ、ガキャン!!
「お、おいあいつ凄くないか? あれって誰なんだ?」
「馬鹿!! お前知らないのかよ、あの人は現大臣のご子息ジュリアン様だよ。 ちゃんと覚えとけよ、あの方はこれからの注目株なんだぜ。」
「あの若さでマリーヌ様と互角とはな、将来有望過ぎるだろ。 これは応援しないとな!!」
「うおおおおおおおおおお、ジュリアン様頑張れえええええええええええ!!」
「キャアアアアアア、ジュリアン様素敵よおおおおおおおおお!!」
随分と会場が盛り上がってやがる。 それにしてもこの王様マジで強いんじゃないか? あれから二段階程速さを上げたが、完璧についてきやがる。 正直もう少し上げたい所だが、これ以上は怪しまれるか? それとも、もうバレていたり?
「フフフフフ・・・・・中々お強いですね。 もし私に勝つ事が出来たのなら、今宵お相手してあげても宜しいのよ?」
ガッギャン!!
「残念ながら俺には愛する女がいましてねッ!! その誘いはお断りさせてもらいますよッ!!」
「あらあら、それは残念ですね。 観客も盛り上がって来ているのだけど、もう一人をお待たせしていますし、そろそろ終わりにいたしましょうかッ!!」
ギィィィィン!!
「へぇ、どうやら冗談がお好きのようですねッ!!」
俺の攻撃を軽く躱し、マリーヌ王の構えが変わった。 今までが正道な剣だとしたら、これは剣の構えじゃない。 何方かというと、これは格闘技の様な・・・・・チッ、来るかッ!!
俺の予想は当たる、マリーヌ王から放たれる剣舞と体術の嵐。 剣を躱せば蹴りが、そして拳が飛びかう。 持ちての肘打ちから流れる様に居合いの様な斬撃。 手や足を使い、俺の剣を捌くと、逃げ場が無い様に放たれる剣の一撃。 どうにも躱すのに手一杯だ。 この形こそがマリーヌ王の真の姿なのだろう。
「如何されました!! 防戦一方ではありませんかッ!!」
「ぐぬをおおおおッ!!」
体術を使う者は王国にも居る。 最強等といわれているフレーレだが、この王は力こそ劣るが、技の切れではあるいは・・・・・
攻撃の嵐に堪らず後へ下がるが、此処は狭い舞台の上。 ドンドン角へと追い詰められ、逃げ場すらも少なくなる。 これはもう力を使うべきか? だがバレたら、いやでも負けたら降格、アツシの部下だ。
「え~い、チクショウ!! バレなきゃ良いんだよ!! こうなりゃえ~っと、ク、クイックフォース!! こ、これで俺の身体は強化されたぜ!! 今から本当の速さってやつを見せてやる!!」
俺はそんな魔法はもっちゃあいない、ただの出鱈目だが、魔法の事をよく知らない人間にゃ分かりはしないだろう。
「魔法・・・・・本来この大会にそんなものを認めたくはありませんが、ルール上記載されてはいませんか。 まあ、使いたければ存分に使えばいいでしょう。 ただし、それで勝てるのならですがね!!」
「行きますよマリーヌ様、出来れば直ぐに降参してくださいね。」
「そういう事は、一回でもダメージを与えてから言うのですね。」
「・・・・・じゃあ行きます!!」
速さを上げ過ぎて舞台から落ちても間抜けだ。 落ちない程度でやらなければ。 少し考えながら爆発的に加速を開始した。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「うぐッ・・・・・」
マリーヌ王は反応すら出来ず、その腕に一筋の血が流れ落ちる。 致命傷を与える事も出来るが、この国の王にそれは無理。 このまま続けて降参してくれれば良いが。
一つ、二つとマリーヌ王の傷が増えていく。 全身傷だらけになりながら、その瞳は死んではいない。 逆転のチャンスを探る様に、俺の行動を見つめ続けている。
このまま続けても、この王様が降参する事はないのかもしれないな。 だったらもう舞台から叩き落すしかねぇよな? 念の為フェイントを入れ、マリーヌ王の体に蹴りを放った。
「こいつで終わりだあああああああああああ!!」
その蹴りがマリーヌ王に届く事はなく、マリーヌ王の剣の柄が、俺の腹へと叩き落された。
「ガハァァァァァ・・・・・」
カウンターで入った為、かなりの痛みが走る。 その痛みに耐え、次の一撃を受け止め下がる。
「ハァ、ハァ、ハァ・・・・・」
「そんな速度で動き回れば疲れるでしょう。 息も上がって、スピードが落ちて来ていますよ。 ・・・・・ふぅ・・・・・」
急旋回やフェイント、ただ真っ直ぐ飛ぶだけとは訳が違うか。 俺の体力が落ちたってのかよ。
「マリーヌ様だって、その傷は相当痛いでしょ? 降参したほうが良いんじゃないですか? あまり血が流れ過ぎると危ないですよ。」
「御忠告どうも!!」
マリーヌ様は俺の話に耳を貸さない。 言葉と共に攻撃を仕掛けて来る。 時間稼ぎには乗らないか・・・・・時間が経って不利になるのは向うだからな。
ギィィンと、久しぶりに剣がぶつかり合う。
ギャイン、ギィイイイン、ガギイイン!!
完全にタイミングを合わせられ、剣同士が何度もぶつかりあう。 この人は体力の化け物か!! このままじゃ俺の方が先にまいっちまうぞ!! 此処で負けるぐらいなら、もう本気で、全速で行っちまうか・・・・・
更に十回、ニ十回とぶつかり合い、そこで以外な人物から待ったが掛かった。
「お止めなさい”ジュリアン”さん。 もうこれ以上力を晒す必要はありません。 マリーヌ様も相当傷ついておられますし、此方の負けということで宜しいでしょう。」
「ハァ、ハァ、そうですね、イモータル様・・・・・これ以上続けたら、本気の殺し合いになっちまいますからね。 ・・・・・参りましたマリーヌ様、俺の負けです。」
「フ、フフフ、残念ですね・・・・・これだけ本気でやり合うのは久しぶりだというのに・・・・・ハァ、ハァ・・・・・それでは私の勝ということで良いですわね、審判。」
「あっ・・・・・マリーヌ様の勝利で御座います!!」
審判の勝利宣言と共に、俺はその舞台を降りた。
「さあ、次の相手を呼びなさい!!」
最後の王位戦が始まる。 ガルガンスが舞台に上がり、片手で剣を構え、マリーヌ王と同じ構えをとる。
「最終戦、始め!!」
マリーヌ王は動かない、かなり疲れているんだろう、相手の出方を待っている。
・・・・・スゥゥゥゥ・・・・・ハァァァァ・・・・・カチンッ・・・・・
ガルガンスは剣を納め、舞台上を降りて行く。
「そんな状態の者に勝ったとしても自慢にすらならんわ。 次の王位戦は俺が一番手で戦ってやるぞ。」
「け、決着!! ガルガンス様不戦の為、マリーヌ様の勝利となります!!」
マリーヌ王が王位戦の終わりを告げる。
「数々の死闘の末、天より賜りし幸運の為、私はこの場で勝利した!! さあ国民よ、この勝利を称えよ!! そして今よりこの場は宴と化す、存分に食べて騒ぐが良い!! さあ宴の始まりぞ!!」
「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」」」」」
王位戦が終わり、数々の料理が運ばれてくる。 俺達はそれを食い漁り、存分に宴を楽しんだ。 そういえばジュリアンには悪い事をしたな、結局勝てなかったからなぁ。 まああれだけ活躍したんだ、許してくれるよな?
「お、おいあいつ凄くないか? あれって誰なんだ?」
「馬鹿!! お前知らないのかよ、あの人は現大臣のご子息ジュリアン様だよ。 ちゃんと覚えとけよ、あの方はこれからの注目株なんだぜ。」
「あの若さでマリーヌ様と互角とはな、将来有望過ぎるだろ。 これは応援しないとな!!」
「うおおおおおおおおおお、ジュリアン様頑張れえええええええええええ!!」
「キャアアアアアア、ジュリアン様素敵よおおおおおおおおお!!」
随分と会場が盛り上がってやがる。 それにしてもこの王様マジで強いんじゃないか? あれから二段階程速さを上げたが、完璧についてきやがる。 正直もう少し上げたい所だが、これ以上は怪しまれるか? それとも、もうバレていたり?
「フフフフフ・・・・・中々お強いですね。 もし私に勝つ事が出来たのなら、今宵お相手してあげても宜しいのよ?」
ガッギャン!!
「残念ながら俺には愛する女がいましてねッ!! その誘いはお断りさせてもらいますよッ!!」
「あらあら、それは残念ですね。 観客も盛り上がって来ているのだけど、もう一人をお待たせしていますし、そろそろ終わりにいたしましょうかッ!!」
ギィィィィン!!
「へぇ、どうやら冗談がお好きのようですねッ!!」
俺の攻撃を軽く躱し、マリーヌ王の構えが変わった。 今までが正道な剣だとしたら、これは剣の構えじゃない。 何方かというと、これは格闘技の様な・・・・・チッ、来るかッ!!
俺の予想は当たる、マリーヌ王から放たれる剣舞と体術の嵐。 剣を躱せば蹴りが、そして拳が飛びかう。 持ちての肘打ちから流れる様に居合いの様な斬撃。 手や足を使い、俺の剣を捌くと、逃げ場が無い様に放たれる剣の一撃。 どうにも躱すのに手一杯だ。 この形こそがマリーヌ王の真の姿なのだろう。
「如何されました!! 防戦一方ではありませんかッ!!」
「ぐぬをおおおおッ!!」
体術を使う者は王国にも居る。 最強等といわれているフレーレだが、この王は力こそ劣るが、技の切れではあるいは・・・・・
攻撃の嵐に堪らず後へ下がるが、此処は狭い舞台の上。 ドンドン角へと追い詰められ、逃げ場すらも少なくなる。 これはもう力を使うべきか? だがバレたら、いやでも負けたら降格、アツシの部下だ。
「え~い、チクショウ!! バレなきゃ良いんだよ!! こうなりゃえ~っと、ク、クイックフォース!! こ、これで俺の身体は強化されたぜ!! 今から本当の速さってやつを見せてやる!!」
俺はそんな魔法はもっちゃあいない、ただの出鱈目だが、魔法の事をよく知らない人間にゃ分かりはしないだろう。
「魔法・・・・・本来この大会にそんなものを認めたくはありませんが、ルール上記載されてはいませんか。 まあ、使いたければ存分に使えばいいでしょう。 ただし、それで勝てるのならですがね!!」
「行きますよマリーヌ様、出来れば直ぐに降参してくださいね。」
「そういう事は、一回でもダメージを与えてから言うのですね。」
「・・・・・じゃあ行きます!!」
速さを上げ過ぎて舞台から落ちても間抜けだ。 落ちない程度でやらなければ。 少し考えながら爆発的に加速を開始した。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「うぐッ・・・・・」
マリーヌ王は反応すら出来ず、その腕に一筋の血が流れ落ちる。 致命傷を与える事も出来るが、この国の王にそれは無理。 このまま続けて降参してくれれば良いが。
一つ、二つとマリーヌ王の傷が増えていく。 全身傷だらけになりながら、その瞳は死んではいない。 逆転のチャンスを探る様に、俺の行動を見つめ続けている。
このまま続けても、この王様が降参する事はないのかもしれないな。 だったらもう舞台から叩き落すしかねぇよな? 念の為フェイントを入れ、マリーヌ王の体に蹴りを放った。
「こいつで終わりだあああああああああああ!!」
その蹴りがマリーヌ王に届く事はなく、マリーヌ王の剣の柄が、俺の腹へと叩き落された。
「ガハァァァァァ・・・・・」
カウンターで入った為、かなりの痛みが走る。 その痛みに耐え、次の一撃を受け止め下がる。
「ハァ、ハァ、ハァ・・・・・」
「そんな速度で動き回れば疲れるでしょう。 息も上がって、スピードが落ちて来ていますよ。 ・・・・・ふぅ・・・・・」
急旋回やフェイント、ただ真っ直ぐ飛ぶだけとは訳が違うか。 俺の体力が落ちたってのかよ。
「マリーヌ様だって、その傷は相当痛いでしょ? 降参したほうが良いんじゃないですか? あまり血が流れ過ぎると危ないですよ。」
「御忠告どうも!!」
マリーヌ様は俺の話に耳を貸さない。 言葉と共に攻撃を仕掛けて来る。 時間稼ぎには乗らないか・・・・・時間が経って不利になるのは向うだからな。
ギィィンと、久しぶりに剣がぶつかり合う。
ギャイン、ギィイイイン、ガギイイン!!
完全にタイミングを合わせられ、剣同士が何度もぶつかりあう。 この人は体力の化け物か!! このままじゃ俺の方が先にまいっちまうぞ!! 此処で負けるぐらいなら、もう本気で、全速で行っちまうか・・・・・
更に十回、ニ十回とぶつかり合い、そこで以外な人物から待ったが掛かった。
「お止めなさい”ジュリアン”さん。 もうこれ以上力を晒す必要はありません。 マリーヌ様も相当傷ついておられますし、此方の負けということで宜しいでしょう。」
「ハァ、ハァ、そうですね、イモータル様・・・・・これ以上続けたら、本気の殺し合いになっちまいますからね。 ・・・・・参りましたマリーヌ様、俺の負けです。」
「フ、フフフ、残念ですね・・・・・これだけ本気でやり合うのは久しぶりだというのに・・・・・ハァ、ハァ・・・・・それでは私の勝ということで良いですわね、審判。」
「あっ・・・・・マリーヌ様の勝利で御座います!!」
審判の勝利宣言と共に、俺はその舞台を降りた。
「さあ、次の相手を呼びなさい!!」
最後の王位戦が始まる。 ガルガンスが舞台に上がり、片手で剣を構え、マリーヌ王と同じ構えをとる。
「最終戦、始め!!」
マリーヌ王は動かない、かなり疲れているんだろう、相手の出方を待っている。
・・・・・スゥゥゥゥ・・・・・ハァァァァ・・・・・カチンッ・・・・・
ガルガンスは剣を納め、舞台上を降りて行く。
「そんな状態の者に勝ったとしても自慢にすらならんわ。 次の王位戦は俺が一番手で戦ってやるぞ。」
「け、決着!! ガルガンス様不戦の為、マリーヌ様の勝利となります!!」
マリーヌ王が王位戦の終わりを告げる。
「数々の死闘の末、天より賜りし幸運の為、私はこの場で勝利した!! さあ国民よ、この勝利を称えよ!! そして今よりこの場は宴と化す、存分に食べて騒ぐが良い!! さあ宴の始まりぞ!!」
「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」」」」」
王位戦が終わり、数々の料理が運ばれてくる。 俺達はそれを食い漁り、存分に宴を楽しんだ。 そういえばジュリアンには悪い事をしたな、結局勝てなかったからなぁ。 まああれだけ活躍したんだ、許してくれるよな?
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