最強暗殺者、冒険者になる

kou(こう)

最強暗殺者、雇い主と(肉体言語で)『OHANASI』する 前編


     俺はイーサン様に部屋に案内された。ここは防音の部屋だったはずだ。

    「レイン、大事な話がある。部屋にお前だけを入れる意味がわかるか?私はお前を信用しているからこそ、大事な話をする。いいな?」

    信用されるのは嬉しいがそこまで信用されると胃が痛い...

    「はっ」

 深刻そうな顔をしてイーサン様は言った。

    「実はな...娘のアリスは...ーー」


    










ーーお前に惚れているんだ。











   「すみません。意味がわからないです。もう一度言っていただけますか?」


   「え!?今の流れで!?今、俺一世一代の告白したつもりだったんだけど!?」

   「申し訳ございません...」

    「うほん。まあそれはいいとして。
なぜアリスはお前を『王立剣魔学校』に入れようとしたか分かるか?」

    「......申し訳ございません。わかりません...」

    「だろうな。アリスはな。護衛が必要...という名目でお前を連れて行きたいんだ。ほら、学校は寮生活だろ?」

    「アリス様からはそう聞きました」

    「んで、アリスが『うえぇーん。レインと会えないのは悲しいよぅ。ふぇーん』と言っていたからお前を1ヶ月間勉強漬けにして無理矢理連れていこうとしたんだ」

    「は、はあ...」

    「と、言うことで試験、受からなかったらうち首な!!」

    命がかかった受験か...ゾクゾクするな
(主に首筋が)

    「それと。クラスは同じになるように学校に圧力...じゃなくてお願いしといたから、今までどうり仲良くしてやってくれ」

   サラッと『公爵家』の権力乱用が発覚したが黙っておくことにする。

    「それでーー」

    一気にイーサン様の目が鋭くなる。

    「ーー私のウルトラスーパーハイドロアルティメットビッグバン可愛い娘を護衛するんだ。『それなりの力』が無いと務まらないよなぁ!?」

    イーサン様はオリュンベール家当主兼、S級冒険者として、数々の武勇を打ち立ててきた。

    そんなお方の『それなりの力』は嫌な予感しかしない。絶対に模擬戦とか模擬戦とか模擬戦とかを提案してくるだろう。

    「『それなりの力』を証明するために俺とーー」

 
ーー模擬戦、しようや。



 
    絶対こうなると思っていた。


コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品