最強暗殺者、冒険者になる

kou(こう)

暗殺者、学校へ通う(ために勉強をする)


   「なあレイン。学校へ行ってみないか?」
  
   「学校...?」

   「ああ。時期的にもちょうどいい。来月には『王立剣魔学校』の入試があるだろう?」

   「そこって確か国内最難関じゃ...」

    「だから一ヶ月前にレインを呼んだんだろう?」

    「1ヶ月で国内最難関に合格しろと?」

   「ああ、レインなら行ける。その間暗殺の仕事は無いだろうからしっかり勉強しておいてくれ」

    「はい...わかりました...」

   お嬢様が鬼畜すぎる...

   「じゃあ1ヶ月後。この部屋に朝7時だ。忘れるなよ?じゃあ...勉強、頑張ってくれ」


   「...わかった」


   この『分かった』の一言でどれほど苦労するか、この時はまだ知らなかった。



    こうして俺は地獄の勉強生活を送ることになった。


1ヶ月で国内最難関の学校に受かるには、今まで皆がやってきた以上に勉強が必要だ。

   と、言うことでお嬢様が家庭教師を着けてくれた。どうやらアリスお嬢様のお姉様だそうだ。

「アリスの姉の『ミリス』です。レインさん、どうぞよろしくお願いします」

   といういかにも真面目そうな自己紹介をして下さった。

そしてミリスさんは教えるのがとても上手かった。

  自分でもだんだん分かっている気がして、最初の一週間は楽しかった。だが、

ーー本当の地獄はここからだった。


3週間俺が過ごしたスケジュールを書いてみようと思う。

6:00  起床

6:30  朝食

7:00~12:00 勉強

12:05 昼食

12:10~6:00 勉強

6:05 夕食

6:10~11:00  勉強

11:20 入浴等

11:30 就寝



俺、自分でも本当に頑張ったと思う。

3週間これで過ごした。

脳が破裂するかと思った。








そしてついにーー地獄の日々が終わった。





    「ミリスさん、1ヶ月、本当にありがとうございました」

   「いえ、お気になさらないでください。でも...1ヶ月、つきっきりで教えたのですから絶対に『王立剣魔学校』、受かってくださいね?」

  「うっ...なるべく頑張りますけれども...」


  「あら、もう6時50分じゃない。アリスのところに行ってきたらどうですか?」

   「はい。そろそろ行かせていただきます。
改めて1ヶ月間、本当にありがとうございました」

  そう言って俺はミリスさんの元を離れた。

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コメント

  • kou(こう)

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