無欲、転生させられ世界をとる
凶獣襲来
聖なる大樹周辺に生息している脅威となる動物たちについては事前にナーファからきいていた。
もちろん空竜についてもだ。
だからこそ、遭遇したときからその遭遇は異常事態だったのだとわかっていた。
もしバハムルたちから話して来なかったら無理矢理にでもこの異常事態について聞いていたところだ。
「我々空竜は本来聖なる大樹のさらに上空、『空竜都市バハムート』に住んでいる。
ナーファの情報通りだ。
「もちろん知っている。俺はそんな遠くからはるばる下層に降りてきた理由を知りたいんだ。」
俺はズバリと本題に切り込んでいった。
「我々の生態については既にある程度知っていそうだな。話が早い。人間よ、我々に力を貸してはくれぬか?」
「あなたたちに何があったの?」
これまで聞くことに専念していたリリムが会話に参加てきた。
「バハムル、俺たちは人間なんて名前じゃない。俺はタイガ、こっちはリリムだ。」
「ふむ、先に名を聞かなかったのは失礼だったかな?我の右隣が『ギレス』、左隣が『リゼッティ』だ。」
「ギャルルガリリー!!!」
「タイガ、リリムよろシク頼むゾ」
ギレスは全く話せず、リゼッティはなんとか聞き取れる程には会話できるらしい。
「なあバハムル、手を貸すってのは理由を聞いてから考えるんだが、なんで俺たちなんだ?」
疑問に思っていたことをようやく質問できた。
「タイガ、リリムお前らは魔力を隠しているようだが実はかなり強いだろう?空竜は魔力を感知する力に長けているのだ。」
「よく分かったな。俺たちはヒッポグリフの尾が欲しいからここまで来たんだ。」
「下手に魔力を放出したまま近付いたらそんなつもり無いのに警戒されてしまうでしょう?」
リリムが補足してくれた。
「我々がここに来た理由、それはヒッポグリフの凶獣化だ。」
予想した中にあった答えだった。しかも1番最悪の……
「だからヒッポグリフと空竜では戦力が拮抗しているはずなのにお前らが逃げていると……」
「その通りだ。」
「面目ないナ……」
「グギャリュリュリュ……」
神獣の凶獣化、全生物に災厄と恐れられることが現実に起こってしまった。
「別にあなたたちが悪いわけではないわ。」
「リリムの言うとおりだ。だから自分のことを責めなくて良い。」
「やはり人間という種は優しいものが多いな。」
「ありガトウ、すき……///」
「ギャー、ギャルルーリリー!!」
ん?なんか1匹変なことを言っていたやつがいたような……?
「リゼッティちゃん、なにを言っているのかな?」
「ニャ!?な、ナンでもないゾ。」
リリムが少し怖かった。
「で、お前らはどのくらいの被害を受けたんだ?」
「9割だ。」
「え!?」
耳を疑った。
「我々は総数の9割を失った。5匹の凶獣化したヒッポグリフ共によってな!」
バハムルは語気を強めて言った。
(おい、お兄ちゃんよ。聞こえているか?)
突然ナーファからの念話が届いた。
(どうしたナーファ?)
(ヒッポグリフの尾の入手は諦めろ。今すぐ聖なる花畑の転移ポイントに戻れ!)
ナーファは妙に焦っている様子だった。
(放ってはおけないだろ。今度は人間にも被害が出るかもしれないんだぞ!最悪家族だって……)
(お兄ちゃんの気持ちもわかる。でも5匹はまずい。残される人の気持ちを考えて……)
(もう家族を失うのは嫌なんだ!)
ふと濁った魔力を上に感じたため仰ぎ見た。空竜たちも感じているらしい。
2匹の怪物が急降下してきていた。
200メートルほどの距離をその怪物たちは1秒ほどで詰めてきたのだった。
勢いそのまま2匹はそれぞれその鋭い鉤爪でギレスとリリムを狙っていた。
どちらとも狙われいることに気付いていないようだった。
「危ない!」
「ギレス!」
リリムを俺が、ギレスをバハムルが同時に庇った。
俺は即座に抜刀し、ヒッポグリフの鉤爪を弾いた。
長剣はカキンっと激しい音と火花を散らした。
一方のバハムルは無防備にギレスを突き飛ばしただけだったので背中に深い傷を負ってしまっていた。
すぐにリリムが回復魔法をかけていたがあまり芳しくない様子だ。
「タイガ、傷が深いわ。塞ぐのにかなり時間がかかりそう……」
「パパ!いやダ、死なナイデ……」
俺はこの声を聞き、ついにキレた。
「おいてめぇら、俺の仲間に手を出してんじゃねぇよ!絶対に殺す。」
リリムは治療に専念しており、ギレスとリゼッティは戦える状況ではないため俺の凶獣2匹との戦いが幕を開けた。
『あとがき』
冬休みを満喫していて投稿が遅れてしまいました。楽しみにしてくれていた方々申し訳ないです……お詫びといってはなんですが、今回はかなり長く書きました。楽しんでくれたら幸いです。
もちろん空竜についてもだ。
だからこそ、遭遇したときからその遭遇は異常事態だったのだとわかっていた。
もしバハムルたちから話して来なかったら無理矢理にでもこの異常事態について聞いていたところだ。
「我々空竜は本来聖なる大樹のさらに上空、『空竜都市バハムート』に住んでいる。
ナーファの情報通りだ。
「もちろん知っている。俺はそんな遠くからはるばる下層に降りてきた理由を知りたいんだ。」
俺はズバリと本題に切り込んでいった。
「我々の生態については既にある程度知っていそうだな。話が早い。人間よ、我々に力を貸してはくれぬか?」
「あなたたちに何があったの?」
これまで聞くことに専念していたリリムが会話に参加てきた。
「バハムル、俺たちは人間なんて名前じゃない。俺はタイガ、こっちはリリムだ。」
「ふむ、先に名を聞かなかったのは失礼だったかな?我の右隣が『ギレス』、左隣が『リゼッティ』だ。」
「ギャルルガリリー!!!」
「タイガ、リリムよろシク頼むゾ」
ギレスは全く話せず、リゼッティはなんとか聞き取れる程には会話できるらしい。
「なあバハムル、手を貸すってのは理由を聞いてから考えるんだが、なんで俺たちなんだ?」
疑問に思っていたことをようやく質問できた。
「タイガ、リリムお前らは魔力を隠しているようだが実はかなり強いだろう?空竜は魔力を感知する力に長けているのだ。」
「よく分かったな。俺たちはヒッポグリフの尾が欲しいからここまで来たんだ。」
「下手に魔力を放出したまま近付いたらそんなつもり無いのに警戒されてしまうでしょう?」
リリムが補足してくれた。
「我々がここに来た理由、それはヒッポグリフの凶獣化だ。」
予想した中にあった答えだった。しかも1番最悪の……
「だからヒッポグリフと空竜では戦力が拮抗しているはずなのにお前らが逃げていると……」
「その通りだ。」
「面目ないナ……」
「グギャリュリュリュ……」
神獣の凶獣化、全生物に災厄と恐れられることが現実に起こってしまった。
「別にあなたたちが悪いわけではないわ。」
「リリムの言うとおりだ。だから自分のことを責めなくて良い。」
「やはり人間という種は優しいものが多いな。」
「ありガトウ、すき……///」
「ギャー、ギャルルーリリー!!」
ん?なんか1匹変なことを言っていたやつがいたような……?
「リゼッティちゃん、なにを言っているのかな?」
「ニャ!?な、ナンでもないゾ。」
リリムが少し怖かった。
「で、お前らはどのくらいの被害を受けたんだ?」
「9割だ。」
「え!?」
耳を疑った。
「我々は総数の9割を失った。5匹の凶獣化したヒッポグリフ共によってな!」
バハムルは語気を強めて言った。
(おい、お兄ちゃんよ。聞こえているか?)
突然ナーファからの念話が届いた。
(どうしたナーファ?)
(ヒッポグリフの尾の入手は諦めろ。今すぐ聖なる花畑の転移ポイントに戻れ!)
ナーファは妙に焦っている様子だった。
(放ってはおけないだろ。今度は人間にも被害が出るかもしれないんだぞ!最悪家族だって……)
(お兄ちゃんの気持ちもわかる。でも5匹はまずい。残される人の気持ちを考えて……)
(もう家族を失うのは嫌なんだ!)
ふと濁った魔力を上に感じたため仰ぎ見た。空竜たちも感じているらしい。
2匹の怪物が急降下してきていた。
200メートルほどの距離をその怪物たちは1秒ほどで詰めてきたのだった。
勢いそのまま2匹はそれぞれその鋭い鉤爪でギレスとリリムを狙っていた。
どちらとも狙われいることに気付いていないようだった。
「危ない!」
「ギレス!」
リリムを俺が、ギレスをバハムルが同時に庇った。
俺は即座に抜刀し、ヒッポグリフの鉤爪を弾いた。
長剣はカキンっと激しい音と火花を散らした。
一方のバハムルは無防備にギレスを突き飛ばしただけだったので背中に深い傷を負ってしまっていた。
すぐにリリムが回復魔法をかけていたがあまり芳しくない様子だ。
「タイガ、傷が深いわ。塞ぐのにかなり時間がかかりそう……」
「パパ!いやダ、死なナイデ……」
俺はこの声を聞き、ついにキレた。
「おいてめぇら、俺の仲間に手を出してんじゃねぇよ!絶対に殺す。」
リリムは治療に専念しており、ギレスとリゼッティは戦える状況ではないため俺の凶獣2匹との戦いが幕を開けた。
『あとがき』
冬休みを満喫していて投稿が遅れてしまいました。楽しみにしてくれていた方々申し訳ないです……お詫びといってはなんですが、今回はかなり長く書きました。楽しんでくれたら幸いです。
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