異世界をスキルブックと共に

気のまま

久しぶりのゆっくり拠点生活(仮)

さてさて、やっと拠点に帰ってこれたな。

まぁ戦争も実質2日程しかしていないし他にもちょくちょく帰って来てたからやっとと言うほど離れてはいないんだがな。

だが取り敢えず戦争も切りがついて王都に王が帰還するまでの間は予定は特に決まっていないから久し振りにゆっくりできる。

実際にはまだまだやらないといけないことは多いのだが明日からでも問題ないだろう。

俺だってたまにはゴロゴロしたい。

俺はエレナと別れた後早速ゴロゴロするために酸っぱい果実の木の横に作った寝床へと移動を始めた。

そう、あんなデカイ木造の屋敷じゃない、自分が作った小さい寝床にだ。

あの寝床は土魔法で作ってあるせいで誰も解体できないから俺の屋敷が完成した後でも拠点の端にひっそりと残っている。

解体の要望が以前から上がっているが決して壊す訳にはいかない。

そもそも誰だ、俺の憩いの場所を解体しろとか言い出したのは。

俺は狭い所が好きなんだよ。

俺が今日は何個酸っぱい果実を食べようか考えて歩いていると何やら広場の方が騒がしい。

あれ?今日なんかイベントでもあったかな?

昨日夜通し拠点のみんなに協力してもらって大量のアンデットを移送したばかりだからみんな寝不足のはずなんだが……

取り敢えず一度気になってしまったからには見に行かないと落ち着かない。

俺は恐る恐る広場の方に顔を出して見るとそこには土ショートソードを持った村人達がアンデットと向かい合っていた。

険しい顔をしながらアンデットを睨んでいるがこいつら何をやっているんだ?


「ゲギャゲ!!ゲギャ!!」


俺がその光景を疑問に思っていると突如聞こえてきたゴブ朗の声に村人達は一斉にアンデットに攻撃をし始めた。


「おりゃ!!」

「てい!!」

「こ、この!!」

「ちょ!ちょっと動かないで!!」


ああ、昨日話した村人達非戦闘員のLV上げか。

早速行っているとは関心だな。

だがアンデットは沢山いるし朽ちない限り消滅しないから時間はたっぷりある。

今日はみんな寝不足だろうしゴブ朗が態々指揮を執ってまでやらせる必要は無いんじゃないか?


「ギャギャゲギャ!!ゲギャゲ!!」

「ひっ!」

「ごめんなさい!」

「そいや!!」


ジャックがいないからゴブ朗の言葉が分からないがどうやら怒っているように見える。

村人達を見てみるとアンデットを上手く倒せている人間は広場にいる一割程しかいない。

あとは手先を切り落としたり尻込みして少し傷を付けている程度だ。

やはり戦闘経験がない村人達がいきなり剣を持って敵と相対してもこんなものだろう。

俺でも初めての戦闘ではかなり距離を取って攻撃したしな。

そもそも相対しているアンデットは少し攻撃を躱すように動いているように見えるぞ。

LVを上げるだけなら動かす必要はないと思うが何で動かしているんだ?

俺はアンデットを動かしている張本人を探すように広場を見渡すと広場の端の方に案の定リンがいた。

取り敢えずあいつに聞くのが早いか。


「おーい、リン今何しているんだ?」

「あっ、ケンゴ様!お疲れ様です。今ですか?今はゴブ朗先輩が村人強化を行うと言うのでお手伝いをしています」

「そうかそうか、それで強化するだけならアンデットを倒すだけで良いと思うが何で動かしているんだ?」

「どうやらLVだけ無理矢理上げても意味が無いそうなので少しづつ戦闘訓練も同時に行っていくと言っていました」


ほうほう、けど村人に戦闘訓練する必要があるのか?

俺はLVを上げた方が何かあっても死に難くなるだろうし生活も楽になるから非戦闘員LV上げを提唱したんだが……


「ゴブ朗はLVだけ上げても意味が無いと言うが無理に村人達に戦闘訓練させる意味はあるのか?というかリンはいつからゴブ朗の言葉が分かるようになったんだ?」

「いえ、私はゴブ朗先輩の言葉は理解できないですよ?なのでそこまで深くこの訓練の事は詳しく聞いていません」


ん?それならどうやってゴブ朗のやろうとしていたことを理解したんだ?


「それならどうやって……」

「それは俺が通訳してやったんだよ」


俺がその声に振り向くとそこにはメルドが立っていた。


「メルドが?これはまた珍しい組み合わせだな」

「いや何、この拠点では朝からゴブ朗達が強化計画について話し合っていたからな。俺はその話しに乗ったまでだ」

「話しに乗る?」

「ああ、村人と一緒にリアムの強化ができると聞いたからな。俺とムランもいつまでも一緒にいる訳にはいかないからその話に乗って俺が今回ゴブ朗の指示をリンに伝えている」


おお、そうだったのか。というかこの中にリアムがいるのか?


「リアムもこの強化に参加しているのか?」

「ああ、あそこにいるだろ?」


メルドが徐に指さした方向を見ると一人の少女がアンデット相手に一生懸命剣を振っているのが見える。


「てい!!そいや!!」


うん、全然倒せそうな感じはしないな。

本当にこの子がLVを上げれば強くなるのだろうか?少し不安になってきた。


「それで、ゴブ朗達は何で朝から強化計画について話し合っていたんだ?」

「それは知らんが内容なら聞いている。主な内容は魔物を含め拠点内の全生物戦力化についてだな」


全生物戦力化?

ちょっと待て、なんでそんな物騒な話しになったんだ?

ゴブ朗達の話しだとこの拠点にいるミミズやハニービーなどの戦闘に向いてない奴らや子供とかまで戦力化することになる。

これはもう少し詳しく話しを聞く必要があるな。

俺は久しぶりの寝床での休養を諦めながらメルドにもう少し詳しく話すように促した。


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