異世界をスキルブックと共に

気のまま

決戦2日目3

俺は予定通りにエレナの元に転移をした。

転移した後俺は自分が何処にいるのか確認するために周囲を見渡すがここは……帝国軍の裏側か?


「ケンゴ様お疲れ様です。上手くいきましたか?」


俺が周囲を見渡しているとエレナがそう声を描けてきた。


「ああ、問題なく話ができたよ。直に王国も動き出す。そういえばこっちの現状はどうなってるんだ?」

「はい、リンはアンデットの操作に慣れてきたようなので移動が終われば少し攻撃に回せます。

ゴブ朗先輩、ポチ先輩、うさ吉先輩は引き続き帝国中央軍を挟撃しています。現在はかなりの優勢です。やはりアンデットがいなくなったことでポチ先輩達が中央軍の攻撃に回れた事が大きいですね」

「あれからエッジみたいな強敵は出てきてないのか?」

「はい、帝国の本陣を抜くときに少し例の魔力を纏う兵士が何人か出てきた程度です。この段階で出て来ないところを見ると帝国軍にはもう我が軍を脅かすような存在はいないと考えられます」


おお、それは朗報だ。

強い敵がいないのならばゴブ朗達もやられることはないだろう。

昨日のエッジ戦でゴブ朗がやられそうなときは本当にハラハラさせられたからな。

身内がやられてる姿を見るのは本当に心臓に悪い。


「そうか、それと王女やはり見つからないのか?」

「はい、帝国本陣にもそれらしい姿は見られませんでした。」


これは本格的に王女は戦場に連れてきていない線が濃厚だな。

いったい帝国はどうやって王女を利用するつもりだったんだ?

まぁ戦場にいないなら手の出しようがない。

何かアクションがあってから対応しよう。

さて目的であった勇者も捕獲したしこれから俺はどう動こうかな?

取り敢えず帝国の後ろに逃げないように壁は作るが出来ればゴブ朗達を手伝いたい。

どこか俺の助けを必要としているところはないだろうか?

俺は仕事を求め早速ゴブ朗に念話を送った。


「ゴブ朗、そっちは問題ないか?」

「こっちは問題ない」

「それは良かった。手が空いたんだが何か手伝うことはあるか?」

「特にないな。それより主様よ、少し聞きたいことがあるんだがいいか?主様はどうやって勇者を……」

「問題がない?問題ありありじゃねぇか!さっきエレナと話してからお前動きが悪いぞ!調子悪いんじゃねぇのか?このままじゃ俺の方が余裕で討伐数勝っちまうぞ?」

「黙れ、俺はお前と違って忙しいと何度も言っているだろうが。主様すまないが急用ができた、話は後だ」


ゴブ朗はそう言うと念話を切ってしまった。

戦闘中にも平気で念話できるゴブ朗が念話を切る程の急用とは珍しい。

それに相変わらずエッジと仲が良さそうだな。羨ましいぞ。

しょうがない、ゴブ朗は忙しそうだから次はポチ達か。


「ポチ、うさ吉そっちは問題ないか?」

「問題ない」

「そうだね、アンデットもいなくなったし王国も動き出したから後は包囲して終わりだと思うよ」

「だがたまに出てくる魔力を纏った奴らは王国の兵士では対処は不可能だろう」

「そうなのか?」

「でも数がいないし、時間的に制限もあるみたいだからそこまで問題じゃないよ」


ふむふむ、なら俺はその魔纏着を使用した奴を倒していけばいいのか。


「なら俺が……」

「ダメです。ケンゴ様はここで私と壁を作った後は待機です。ケンゴ様はこの気絶した勇者を放置するつもりですか?」


ぬぬ……確かに勇者は放置できないが魔纏着を使用した奴等もどうにかしないと被害が増えるぞ?


「だが魔纏着をどうにかしないと被害が……」

「大丈夫です。先程のうさ吉先輩が仰っていたように少数が魔纏着を使用したところで大勢には影響ありません。それに被害が出たとしても王国軍だけで我が軍には出ません」

「いや王国軍に被害が出るなら少しでも減らした方がいいんじゃないか?」

「ですがそれでケンゴ様が直接動く必要はありません。貴方は我が軍の大将なんですよ?わかっていますか?お願いですから少しは自重してください。被害が増えるようならゴブ朗先輩達が臨機応変に動いてくれます」


そうか?ゴブ朗は忙しそうだったぞ?


「主様よ、その通りだ」

「そうだね。王国の動きは僕が把握できるから何かあったらこっちで対処するよ」


さすがにそこまで言われたら動き辛いな。

まぁ問題がないことは良いことなんだがなんだか寂しいな。


「これが普通なんですよ。いつもケンゴ様が動きすぎなんです。たまには心配する此方の身にもなってください」


おかしいな……俺はそんなにいつもエレナに心配をかけていたのだろうか?

しかしいつも俺を後方に追いやろうとするお前達もどうかと思うぞ。

お前達が俺を心配するように俺もお前達が心配なんだ。

だがまぁこれからはなるべく自重するように心掛けよう。

取り敢えず帝国にプレッシャーをかけるためにも壁を作るか。

初めから全てを壁で囲めたら楽だったんだが流石にこの数を一気に囲む程の壁を作るとなると俺の魔力が尽きる。

魔力ポーションにも限りがあるしあまり無駄にはできないから節約しないとな。

俺はそう一人ごちながら土魔法で帝国軍の後方に王国側に作ったような横に長い壁を出現させた。


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