異世界をスキルブックと共に

気のまま

エッジの強さ

あの後は結局メルドとムランを召喚した。
やはり甦ることができるなら未練をより解消しやすいという理由かららしい。
召喚されたムランとメルドの見た目は共に筋骨隆々の30代というところか。
顔は……イケメンだ。
この世界に来て感じていたのだがイケメンや美女率がかなり高い気がする。
俺がいつも平凡と言われるのも納得できる。

「私達の願いを聞いて頂き感謝する」
「ああ、やはり自分の身体ってのはいいな、動きやすい」

そうか、喜んで貰えて何よりだ。

「それで復活させて貰った上で申し訳ないが俺達は一時リアムの側にいても構わないか?」
「それについては私からも頼む」

それは構わないが何か理由があるのか?

「リアムは俺達がいなくなったらただの子供だ。今までの恩もある。代わりの契約者が見つかるまで側で守ってやりたい」

なんだそんな理由か、いいぞいいぞ。気がすむまで側にいてやれ。
それにしてもリアムはこれで戦力としては計算できなくなったな。
まぁ子供を戦争に出すのもどうかと思うし、拠点に子供が増えれば賑やかになるから問題ないか。

「リアムの側には一人いれば足りる。今回の戦争にはどちらかが手を貸そう」

お?そうなのか?それは助かる。
それじゃ粗方話も纏まったし皆の強化をするか。

「強化?なんだそれ」

俺の強化という台詞にエッジが食いついてきた。
ああ、俺のスキルでな、魔石に等級があるだろ?
俺に従属した奴限定だが等級を上げて強化することができるんだよ。

「なんだと?んじゃ今よりもっと強くなれるのか?どれぐらいだ?こいつより強くなれるのか?」

そう言いながらエッジはゴブ朗を指差した。
それはどうだろう?ゴブ朗は強いし努力次第じゃないか?
それに今回ゴブ朗も強化するから等級はエッジと同じになる。
強化はlv上限に達しないとできないからゴブ朗を追い越したいなら頑張ってlvを上げないとな。

「チッ、やっぱそう簡単に強くなる方法はねぇか。んじゃいまから早速帝国に奇襲をかけに行こうぜ」
《お前は馬鹿か?敵の戦力も分からないのに奇襲をかけ包囲されればまた主様に迷惑が掛かるだろうが。》
「あ?それは問題ねぇよ。今回の遠征は俺より強い奴は殆どいないからな。マーリンもいれば簡単に逃げられる」

なんだと?まさかエッジが帝国の最高戦力の一角だったのか?
てっきり中堅処かと思ったが衝撃の新事実だ。

「何を驚いているんだ?俺は一応S級冒険者だぞ?マーリンはA級だがそんじょそこらの帝国兵士と一緒にして貰っちゃぁ困る」

いや、そのS級冒険者というのも初耳だしな。
そもそもS級冒険者って強いのか?

「ああ?舐めるなよ?日頃から高LVダンジョンや野生の魔物を狩っているんだ。この世界に俺より強い人間なんて数えるぐらいしか知らねぇよ」

まさかエッジが帝国ではなく世界有数の強者だったとは……
いや確かにこの世界に来て野盗や山賊、さらに黒の外套や帝国の兵士等多くの人間を殺してきたがそこまでの強さは感じていなかった。
ガスタール将軍ですらマリアに負けていたしな。
エッジ達が俺達の会った初めての強者だと言える。
だが魔物はどうだろうか?
ゴブ朗達を見るからにまだ7等級でこの強さだ。
これが2等級とか3等級の魔物が出てきたら人類はどうなるんだろうか?
それにこれがこの世界の平均だとしたらどうやって魔王を倒したんだ?
勇者が強かったのか?
いやエッジが言うにはそこまで強そうじゃなかったらしいし何か特別な手段があったのだろうか?
わからない。
まぁいずれ他に情報が出てきたら考えよう。
俺達のやることは変わらないしな。
しかしそれにしても朗報だ。
エッジが強者なら仲間にできたことは戦力的にかなり大きいし、そのエッジと互角に戦ったゴブ朗や他のメインの戦闘メンバーであれば帝国の兵士程度であれば問題無いことがわかった。
これは明日の戦闘でかなり心理的に楽になる。
これは……数が多い魔物を抑えれば帝国の本陣にまで行けるかもしれないな。
まぁ何が起こるか分からないから無理をせず勇者の捕獲を最終目標に行動していこう。
無理なら明日以降だ。
この戦争は帝国を追い返すのが目標だからな。
戦線を維持できるなら敵を多く倒せる手札がある俺達が最終的に勝つだろうし帝国は兵糧の問題もある。
焦らず行こう。

「何を考えてるんだ?それで奇襲は行くのか?行かないのか?」

ああ、そうだったな。
今夜の奇襲はなしだ。
2人で行ってもできることは知れているしまだ魔物の数が多すぎる。
お前は逃げれると言っているが囲まれ続けたらマーリンの魔力が先に尽きる。
その先は火を見るより明らかだ。
人間いくら強いと言っても疲労はするからな。
それに今日はみんなの強化もある。
奇襲は明日以降勇者が見つからなかったら考えよう。
俺はエッジにそう言うと拠点の皆を強化するために移動を始めた。

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