異世界をスキルブックと共に

気のまま

決戦1

やはり予想通りお互いの降伏勧告は拒否で終わったのか勧告に向かった使者が中央軍に戻ってきた。

さぁ戦いが始まるがゴブ朗、準備はいいか?


《準備?俺達はいつでも主様のお力を示すために日々研鑽を積んでいる、問題ない》


そうか、決戦に向けて各自小隊を組んで練習していたのも知っているしゴブ朗が問題ないというのなら本当に問題はないのだろう。


そうこうしていると中央軍からレルドが兵士を鼓舞する声が聞こえる。

やはり拡声器などの魔道具がないとここまで聞こえづらいな。

この世界には拡声器に似た魔道具はないのだろうか?


「「「おおおおお!!」」」


どうやら話が終わったようだ。

こちらの兵士達は聞こえていないのもいるがこういう時は士気とかどうするのだろうか?

中央付近だけテンション高いぞ。


「聞け!!エスネアート王国の兵士達よ!!」


ああ、ガスタール将軍もやるのか。


「帝国の侵略から我が王国を守るのは貴君ら1人1人の力だ!!先の帝国の略奪は既に聞いていると通りだ。家族を、王国を決して帝国の野蛮ら奴らに触れさせるな!!ここを死守して必ず生きて帰るぞ!!」


「「「おおおおお!!」」」


決して勝てないと言っていたのに生きて帰ると言い切ったな。

少しは信用して貰えたのだろうか?

視界の端では中央軍が進軍し出したのが見える。

さぁ俺達も行くぞ!

俺がそう言うとゴブ朗を先頭に我が拠点の集団が飛び出した。

おっと、俺も遅れないようについて行かないとな。

後ろを見ると約束通りガスタール将軍は動いていない。

これで右翼の被害は気にしなくていいな。

さてゴブ朗達はどう動くのかな?

俺が補助するためにゴブ朗達の観察を始めると早速動きがあった。


《直に接敵する、各自戦闘準備。魔法が使える奴らは展開を開始しろ。俺が到達する前にエレナの指示に従い打ち込め》

「聞きましたね!各自10秒後最大の魔法を前方に打ち込みなさい!!的は腐るほどあります。気にせず行きなさい!!」

「「「了解!!」」」


ゴブ朗達がそういうと先頭を走るゴブ朗達の後に各属性の魔法展開し始め直ぐに前方に向かって放たれた。

おお、こうして沢山の魔法が展開している様子は初めて見るが凄いな、圧倒される。

あの一際大きい火球はエレナだろうか?他にも氷や土、水に風などが色々な形状がある。

風は分かるがどういう理屈であの質量の物体が浮いて飛んで行くのだろうか?謎だ。

それにうちの拠点は魔法が使える人間が意外と多いんだな。結構な数がある。

俺が魔法に見とれていると展開した魔法が敵に着弾した。

やはり敵の魔物はこちらの動きしか見ていないな。

魔法が迫っても避ける素振りすら見せない。

魔法が着弾した周囲は見るも無惨に魔物の死体が散っている。

敵の魔物がその空いたスペースを埋める前に先頭を走っていたゴブ朗達が敵に斬りかかった。


《熊五郎》

「グガァァァァァァッ!!」


ゴブ朗のその合図で昨日同様戦場に熊五郎の威嚇の声が響き渡った。

相変わらず味方だというのに身が竦む。

横を見ると中央の敵と魔物まで少し動きを止めている。

ああ。これは後で怒られそうだな。


《各自打ち合わせ通り小隊で離れず扇形に戦線を広げていけ、中衛以降は囲まれないように敵を牽制し可能なら殲滅しろ。巳朗お前らは補助と死体の回収だ》


「《了解!!》」


こう改めてゴブ朗達の戦闘を見るがやはりこいつらは強いな。

一撃一撃が重そうだ。

こいつらに硬い装備なんて必要なのか?全然当たっていないぞ。

それと巳朗は今回は補助か。

確かに巳朗達は毒主体で戦うイメージがあるからアンデット相手には相性が悪い。

さて俺が補助するのはここら辺か。

早速俺は敵の魔物がゴブ郎達の裏に回り込まないように土魔法を使い2階建て程の壁を横に長く作り出した。

今回は魔力ポーションがある。気にせずガンガン使っていくつもりだ。

これで敵は壁を超えない限りゴブ郎達の裏へは回れない。

まぁもしガスタール将軍が進行することになったら邪魔になるがその時はまたどうにかしよう。

後は波状攻撃対策だな。

どうしても俺たちの人数の方が少ないから何度も攻めてこられたらゴブ郎達が疲弊してしまう。

俺が魔法で全て蹴散らせてもいいがそうなるとゴブ郎達に経験値がいかなくなる。

せっかくの稼ぎ場だ。こちらの被害が大きくなるまでなるべくゴブ郎達に任せたい。

そうなると魔物の動きを阻害するほうがいいか・・・

俺はまた土魔法を発動させゴブ郎達が接敵していない部分の魔物の足元を液状化して敵を飲み込んでいく。

その後ある程度沈んだのを確認したら再び地面を硬化し敵の動きを封じる。

これで後でゴブ郎達が首を跳ね飛ばしに来れば問題ないだろう。

それにしてもこの方法は懐かしいな。

ゴブ郎、うさ吉、ポチの3匹も最初この方法で捕獲した。

あの時は3匹とも暴れて大変だったな。

しかし今回はこの方法はかなり有効そうだ。

魔物の密度と動きが単調なせいか抜け出そうと必死にもがく魔物も少ない気がする。

このまま地面に埋まっていてもらおう。


《ホーク、こちらの動きを見て落とし始めろ》


ん?ホーク達が何か落とすのか?

あまり重たいものは持てないと思うが。

俺がそう疑問に思いながら空を見上げると空を飛んでいるホーク達が次々に何かを落とし始めた。

あれは・・・岩か?

それが岩だと分かった瞬間、岩は大きな音を立てて地面へとぶつかった。

それも立て続けに幾つも落ちてくる。

岩が落ちた周辺は土埃と魔物の死体で凄いことになってるな。

それにしても岩か、あの大きさの岩をホーク達が持つことは不可能だから恐らく収納袋に入れて落としているのだろうがなんて恐ろしいことを考えるのだろうか。

確かに敵の動きが攪乱されて攻めやすくなったがもし間違って俺たちに当たったらどうするんだ?

あんなのが当たったら100%死ぬぞ?

しかし岩にビビッているのは俺だけのようでゴブ郎達は先ほどと変わらぬ様子で敵を切り伏せている。

あいつらは死ぬのが怖くないのだろうか?

俺がそんなことを考えていると・・・


「全員上空警戒!!11時の方向10秒後に投石来ます!!」


え?まさかホーク達が本当に間違えて落としちゃったのか?

俺は岩に潰された魔物の死体を思い出し絶望しながらマリアが指示した方角の空を見上げた。



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