異世界をスキルブックと共に

気のまま

決戦準備12

取り敢えず現状帝国の中央集団を急襲するのは無理だ。
この布陣の中を見つからずに侵入する手段が見つからない。
このまま何も為ずに帰還するか?
それだと折角苦手なスカイダイビングしたのに無駄になるから出来れば避けたい。
そういえば上から見たときに少し気になる場所があったな。
兵糧を奪うために来たのだが兵糧を運んでいるような荷物が見当たらなかったことだ。
6万人分だ、結構な量になるはずだが・・・
俺はそれを確認するためにホーク達に頼み2度目のスカイダイビングを敢行した。


ああ、やはりそうだ。
上から見るとよく分かる。
前衛を魔物を主体に構成して進軍しているせいかどうやら補給用の物資は中央の後方に配置されている。
さらに全て纏めて移動できないのか後ろに長く補給の馬車が続いているのが見える。
狙い目はここか。
しかしどう物資を奪おうか?
馬車には最低でも1人、周囲には物資を守る魔物や人間がいるかも知れない。
悠長に収納袋に物資を詰めている暇などない。
うーん、まぁ1人で考えて悩むより取り敢えず皆に聞いてみるか。
落下しながらだと上手く考えも纏まらないしな。
俺は念話で拠点の皆に現状を説明し対応策を募集しながら林の中に転移して戻った。


《それは普通に襲撃して奪取しては駄目なのか?》


いや難しいんじゃないか?
バレて包囲されたら何かあるか分からんだろうし、それに物資を収納している間に攻撃されるぞ?
襲撃した場合はもし奪えても馬車数台程度だ。
出来ればもっと奪って帝国にダメージを与えたい。


「それでしたらケンゴ様が馬車ごと転移で拠点に連れてきて皆で襲撃するのはどうでしょうか?それなら周囲を気にせずゆっくり収納することが可能です」


おお、それは結構いいんじゃないか?
俺が馬車間を飛び回ればその分だけ物資を奪える。
難点は何が拠点に付いてくるか分からないところだな。
まぁほとんどないだろうが拠点が壊滅するような物が付いてきたら一巻の終わりだ。


「それでしたらその物資の流れの元を襲撃しては如何ですか?」


流れの元?帝国まで物資を奪いに行くのか?


「いえ、私が黒の外套に所属していた時から帝国の略奪は話題でしたので恐らく襲撃した街か集落を拠点にしていると思われます。そちらを襲撃すれば帝国の物資の略奪と流れを一時的に絶つことができます」


良し!それでいこう。
動いていないなら俺がこっそり行って奪うことも可能だしな。
さすがはジャックだ。


《いや駄目だ。敵地に主様だけを侵入させる事など認められん》


でも恐らく俺1人の方が見つからず穏便に奪うことが出来るぞ?


《それでもだ。万が一にも主様に危害が加わる事は避けねばならん》


相変わらず過保護すぎな気がするがだったらどうするんだ?


《いつもどおり俺達が行こう。ゴランの装備とアルバートの移動装置の確認も必要だからな》


ん?アルバートはもう魔道具を完成させたのか?


《ああ、主様に頼まれてからどうやら興奮して寝てないらしいぞ?昨日粗方の製造は終了して後は多数の生き物の移動試験を残すだけだ》


多数?1人なら問題ないのか?


《余程興奮していたのかあの男は勝手に広場で1人で実験していたようだから問題ないだろう》


おいおい、あいつは何をやっているんだ、空間を弄るような代物を1人で実験したら駄目だろう。
何処かに飛ばされたら俺でも見つけられるか分からないぞ?
せめてそこら辺の魔物を捕まえてきて実験して欲しい。


《ではまた拠点を見つけたら報告しろ。ホーク達よ主様に手間を掛けさせるなよ》
《わかってるよ!!》《了解しました!》《りょ、了解です!!》


そうゴブ朗に声を掛けられたホーク達は素早く空に向かって羽ばたき飛んで行った。


1時間ぐらい経っただろうか、ホーク達から連絡が来て転移してみると遠目に街とまではいかないがそれなりに大きな集落が林の中に存在しているのが見える。
ここからではよく見えないがホーク達が見つけて来たのだから恐らくジャックの言うとおりここが物資の中間拠点になっているのだろう。
さて、ゴブ朗この後はどうする?


《主様に渡していたワイバーンの魔石があるだろう?それに時空間魔法の属性を付与してくれ。その後適当に円形か四角に囲いを作ってその中央に魔石を置いたら後はこちらからやろう》


ふむふむ、取り敢えず魔石は直ぐにできるから囲いをどうにか作ればいいんだな?
俺は周囲を見渡すが小さな枝位しか見当たらない。
こんな物でも良いのだろうか?


《収納袋の中に以前剥ぎ取った魔物の骨が残っていたと思うがそれを使えばいいじゃないか?》


おお、確かに魔物素材は収納袋の中に眠ったままだったな。
流石はゴブ朗だ、気転が利く。
その後30分位で作り終わっただろうか、俺は魔石を骨組みに嵌め込みゴブ朗に作業が終了したことを告げる。
しかし自分でいうのもなんだが少しやり過ぎたな。
今俺の目の前には魔物の骨で出来た囲いがあるのだがなんだろう、物凄く物々しい。
以前から物作りは好きな方をだったので作っている途中から楽しくなってしまい必要以上に凝りすぎてしまった。
ぱっと見何処かの魔界とか地獄と繋がってもおかしくない作りだ。
繋ぎも砂鉄を溶かし溶接しているのでちょっとやそっとでは壊れない自信がある。
この囲いからゴブ朗達が出てくるのか・・・
俺がゴブ朗達が出てくる姿を想像して戦々恐々としている時、突然骨組みに嵌めた魔石が光出した・・・

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