異世界をスキルブックと共に

気のまま

お姫様救出大作戦5

「お姉様!!」
「クリス!!ああ、本当に無事で良かった・・・」


その後エレナ達は無事に俺達と合流した。
今目の前の王女様方は余程不安だったのだろう、再会を果たし熱い抱擁を交わし合っている。


「ケンゴ様!!如何ですか?私はご期待に応えられたでしょうか?」


ああ、さすがエレナだよく王女を無事に助け出してくれた。
しかも無傷とは期待以上だ。さすがだな。
俺がそうエレナを褒めるとエレナはとても嬉しそうにマリア達の方に戻っていった。
しかし今日のエレナはいったいどうしたのだろうか?
先程の嬉しそうな顔とか年齢相応にとても可愛らしかった。
いつもそうしてくれているといいんだがな・・・
そう思いながら振り返ると王女様方が抱擁を終えこちらに向き直っている。


「あの・・・この度は妹共々助けて頂いて有り難うございました」
「私に関しては2度も命を救って頂きました。このお礼は必ず致しますので是非この後王城にいらして欲しいのですが・・・」
「ああその件に関しては既に第2王女様に話をさせて頂きましたが、私があまり目立ちたくので代わりにこのモーテン達が王女様を助けた事にして欲しいんですよ。報酬も全てモーテン達にお願いします」
「ですがそのような替え玉のような行為は了承しかねます」
「そうですか、では報酬等は辞退させて頂きます。お約束したナミラ平原の決戦の時に多少便宜を図って頂ければ良いですよ」
「辞退・・・何故そのように頑なに表に出ることを拒むのですか?」


いや逆に聞くが何故そんなに表に出そうとするんだ?
俺は元来あまり目立つのが得意ではない性分だ、
ゴブ朗達にも王様に祭り上げられそうなのにそういうのは拠点の中だけで十分だ。
できれば拠点の片隅でひっそりと暮らしていきたい。


「クリス、別に良いではないですか。私達を助けて頂いた方がそう望み、そして私達も王族としてこの方に連なる人物にお礼を渡せる。それに彼はちゃんと私達の感謝の言葉を受け取っていくれていますよ。貴方はそれ以上に何を望むのですか?」
「ですがお姉様・・・」
「それに貴方は今回以外にこの方に助け頂いているのでしょう?その件と先程仰られていたナミラ平原での決戦の便宜について詳しく説明して頂けますか?」
「そ、それは・・・」
「あら?何か私に言えないことでもあるのですか?それはますます聞き出さないといけませんね。ケンゴ様申し訳ありませんが少しお時間を頂けますか?」
「ええ、それは構いませんがさすがにこの騒ぎを聞きつけ周囲が騒がしくなってきているので手短にお願いしますね」
「分かりました、少々お待ちください」


そういうと王女達は俺達から少し離れた場所で話し合いだした。
しかし驚いたな、
この第2王女、俺達と話をしている時と第3王女と話をしている時じゃ雰囲気が全然違うな。
先程まで少し自信がなさそうに見えたがしっかりと自分の考えを持っている。
第3王女は第2王女に頭が上がらないようだし、交渉は第2王女とした方が良さそうだ。
俺は王女達を横目にエントランスに備え付けられている窓から外を覗くがやはりこの騒動を聞きつけ人が集まりだしているようだ。
気配察知にもこの敷地の周囲に集まっている数多くの人が引っかかっている、
直に衛兵もやってくるだろう。
俺が視線を窓から戻すと王女達も話し合いが終わったようだ、
第2王女を先頭にこちらにも戻ってくる。


「あの・・・ケンゴさん、大事な妹を助けて頂いた事は確かに有り難いことなんですが戦争を出汁に妹の全てを要求するとはいったいどういうことですか?」


ああ、ナミラ平原の話ではなくそっちの方に話がいってしまったか。
どうしよう、一度約束してしまったしこの約束は俺だけの問題じゃない。
最低でもゴブ朗達拠点にいる奴らにも確認を取らなければならない。
まぁいずれこんなことになるとは思っていたが面倒くさいことになったな、第2王女からは若干怒気が発せられている気がするしどう切り抜けようか・・・


「その件に関しては私がお話ししましょう」


その声に横を見てみるといつも通りエレナが通訳さんとして活躍しようといつの間にか立っていた。
いやいや、ちょっと待て最近エレナが交渉するとあまり良くない方にいっている気がする。
さっき拠点の皆の誤解を解いたからあまり強引な交渉はしないだろうがどうなるかはわからない。
しかも相手は王女様だ、
これ以上ややこしいことになるのは避けたい。


「あなたは・・・?」
「私はエレナと申します。ケンゴ様が外部で活動をする際の護衛をさせて頂いています」
「私とケンゴさんは今大事な話をしているんです。護衛であれば場を弁えなさい」
「いえ、私は交渉役としてもケンゴ様の側にいるので口を出させて頂きます」
「なら最初からそう言ってください。ですが今話をしているのは私とケンゴさんです。口を挟むのは構いませんが出来れば控えていてください」
「そういうわけにはいきません。貴方こそ何故最初からケンゴ様と交渉できると思ったのですか?立場は対等ではありませんよ」


ああ、これはかなり怪しい、
取り敢えずジャックにヘルプを頼もう。
俺は念話でジャックに会話の雰囲気が怪しくなったら隙を見て会話に混ざるように指示を出す、
すると・・・


「王女様、大変申し訳ありません。私も会話に混ぜて頂いてもよろしいでしょうか?」


まさか直ぐに混ざりに行くとは・・・そんなにヤバかったのか?


「ジャックさん・・・ええ貴方であれば構いませんよ」


あれ?突然会話に混ざってきたのに承諾したぞ。第2王女のジャックへの信用度が凄く高いな。


「ジャック、貴方は黙っていなさい」
「お断りします。エレナさんこそ黙った方が良いのではないのですか?ご主人様の期待を裏切るような発言は控えて頂きたい」
「っ!!貴方に何が!!」
「先程の会議を聞いていなかったのですか?ご主人様は基本的に相手の意見を尊重し穏便に事を運ぶように仰られていました。それなのに貴方の態度ときたら見ていられませんよ。それに今回ご主人がいつ貴方に交渉を頼みましたか?出しゃばるのも大概にしないといつかご主人様に見限られますよ?」


そう言われ思うところがあったのかエレナは俯いて黙ってしまった。
俺の顔を伺うようにこちらを見てくるが申し訳ないが今回ばかりはジャックが正しい。
俺の同意が得られないと分かった瞬間泣きそうな顔をしたエレナはそのままマリア達の方に下がっていった。
なんか罪悪感が凄いな、
まぁさっき誤解を解いたばかりだから直ぐに改善されないのはしょうがない。
ゆっくり皆で直していこう。
俺が未だ向こうで俯いたままのエレナへのフォローの方法を考えていると再びジャックが喋りだした。


「ご主人様、王女様との交渉は私にさせて頂けませんか?」


ああそれは構わないぞ。
恐らく第2王女との交渉がお前が一番上手く纏められそうだしな。


「ありがとうございます。不肖な身でありますが精一杯尽力させて頂きます」


ジャックはそう言いながら王女と交渉するために改めて王女に向き直り頭を下げてから喋り始めた。





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コメント

  • ペンギン

    ハーレムのヒロイン枠が分かりません...一体誰なんですか...

    0
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