異世界をスキルブックと共に

気のまま

お姫様救出大作戦3

「これで粗方2階は掃討しましたか」


エレナがそう言いながら土で出来たショートソードを腰帯へと仕舞った。
周囲を見渡すとエレナ達を迎撃しようとしたのか何人もの男が倒れている。


「私の気配察知にも何にも反応がないから間違いないと思うよ」
「私の予知にも対象が見つかりません。残るは3階のみですね」
「ええ、ジャック達の王女救出を成功させる為にも私達がなるべく多くの敵を倒さなければなりません。急ぎましょう」


エレナ達が残る3階を見据えて階段を上ろうとしたとき・・・


「あーもしもし、エレナさんとご主人様聞こえますか?」


突然ジャックからの念話が聞こえてきた。


「ん?ジャックか、何か問題でもあったのか?」
「いえいえ、こちらは無事に第2王女を確保致しました」
「おーでかした!さすがだな!それで第3王女は?」
「それが念話をした理由です。第2王女の話だと私達が襲撃する直前に他の男達に何処かに連れ去られたらしいんですよ。それでご主人様、第3王女の場所は追跡できますか?」
「了解だ。ちょっと待っててくれって・・・あれ?王女さん襲撃する前に念の為確認した場所から動いてないみたいだぞ?」
「でしたら第3王女はエレナさん達の方に居る可能性が高いですね」
「私達は今2階まで敵を掃討しましたが現時点で王女は確認できませんでした。恐らく残る3階にいるのでしょう」
「そこでエレナさんにお願いがあるのですが、もう少し攻撃の規模を狭めて頂けませんか?万が一第3王女に被害があった場合ご主人様に迷惑が掛かります。先ほどからもの凄い音がしていますよ?」
「それは貴方たちから意識をこちらに向けるために仕方なくやっていることです。わかりました、これから貴方たちのほう敵が向かっても知りませんからね?」
「はいはい、ケンカしないケンカしない。エレナはこれから3階に行くなら第3王女がいる前提で行動してくれ、ジャックは今どこにいるんだ?」
「私達は今屋敷の地下に着いた所です」
「ならそのまま上に上がって一度合流しようか、王女様にお願いしたいこともあるし俺もモーテンを連れて1階に向かうよ」
「分かりました、直ぐに向かいます」
「私達も早急に第3王女を確保しそちらに向かいます」
「いやいやゆっくりでいいからな?エレナ、良い報告を期待しているぞ」
「・・・はい!!必ず期待に応えてみせます!!」


念話が終わりエレナがマリア達の方に振り返る。


「貴方たちも聞こえましたね?下でケンゴ様が待っています。早急に第3王女を確保しケンゴ様と合流しますよ」
「分かりました。それにしてもエレナさん、まだ王女を確保していないのに口元が少し緩んでいるように見えますよ?」
「ケンゴ様に期待してるって言って貰えて嬉しいならちゃんとそう言えばいいのに」
「減らず口を叩いている暇があるなら1人でも多くの敵を切り倒しなさい。さぁ行きますよ」


2人にそう言葉を掛けながらエレナは階段を上っていった。
エレナ達が3階に上がってくるとそこには一つだけ大きな扉が存在していた。
周囲を見渡すが他に扉等の入り口は見当たらない。


「どうやらここが最後の部屋のようですね。リン、中に何人いますか?」
「私の気配察知には6人反応があるよ。ケンゴ様みたいに気配察知に反応しない人はいないと思うけど一応警戒しておいてね」
「大丈夫ですよ。そのために私の予知があるんですから2人が私の視界内に有る限り不意打ち等はあり得ませんよ」
「問題はないようですね。では開けますよ」


そう言うとエレナは扉をゆっくりと開け部屋に入るとそこには王女の首にナイフを当てた男達が入り口から離れた位置に陣取っていた。


「全員動くな!!少しでもおかしな事をしたら王女の首をかっ切るぞ!!」
「それは困りますね。それで貴方たちはこれからどうするつもりですか?もう逃げられませんよ?」
「お前達は何者だ!!何故ここに王女がいるとわかった!?目的はなんだ!?」
「質問が多いですね。私達はただ王女が捕らわれたというので解放しに来ただけですよ。あなた方が邪魔をするので排除をしたまでです。あと情報はジャックが快く教えてくれましたよ」
「っ!!やはりジャックさんを殺したのはお前らか!!何故我々の邪魔をする!?」
「それはこちらのセリフですよ。貴方たちもケンゴ様の邪魔をして何のつもりですか?死にたいのですか?」
「どういうことだ!?お前らは王国の人間じゃないのか?」
「違いますよ。急いでいるのでそろそろ問答は終わりにしましょうか。マリア?」
「動くな!!本当に王女を殺すぞ!!」
「はい、駄目です、駄目です、それも駄目ですね。」


慌てる男達を横目にエレナとリンは剣に触れたり走り出す挙動をするフリなどを繰り返し出した。


「おい!!動くなと言っているだろうが!!」
「ああ、それならいけそうですね」
「では行きますよ」


エレナのその一言を皮切りに突然リンが威嚇の咆哮を上げ男達に突撃しだした。
男達はリンの咆哮に怯んだのか誰1人としてその場を動けないでいる。
リンが王女を捕らえている男に後数歩の位置に来た瞬間周囲に居た男達がエレナの火球により吹き飛んだ。
その爆風にリンも含め王女や男も吹き飛んだかのように見えたがいつの間にか男やリンの周辺には薄い氷の壁が出来ていた。
その光景に驚いていた男が思い出したかのように急いで王女にナイフを振り下ろそうとした瞬間・・・


「遅いよ!」


リンが男の顔面へと蹴りを打ち込み後方に吹き飛ばした。
そのままリンは王女の前に着地し倒れている王女に手を差し出す。


「王女様少し乱暴にしてごめんね?もう大丈夫だよ。動けるかな?」
「え、ええ、有り難うございます」


王女はその手を取りゆっくりと立ち上がった。



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