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気のまま

お姫様救出大作戦2

「おいおい、エレナ達はえらく派手にやってんじゃねーか、ここまで音が聞こえてくるぞ」
「ええそうですね、上手く敵を誘導出来ているようです。それでは巳朗さんこちらもそろそろ動きましょうか」
「あぁ俺らが遅れたらエレナが後でうるせーからな。さっさとお姫さん見つけてづらかろうぜ」


そういうとジャック達は王都の路地裏にある寂れた倉庫のような家屋に入っていった。
家屋の中は辺りを見渡しても木箱や袋が無造作に積み重ねられいるだけで特に変わった様子は見受けられない。さらによく見てみるとうっすらと埃すら積もっている。


「おいジャック、本当にこんな所が目的の屋敷に通じてんのか?」
「ええ大丈夫ですよ、巳朗さんのようにこんな所にあるわけないと思わせるのが目的で作られていますから。ほらこの木箱見た目は他と変わりありませんが下から持ち上げられるように中身がないんですよ」


そういうとジャックは一つの重そうな木箱を軽々と持ち上げ横にずらしはじめた。
ずらした後に現れたのは他と変わらない只の地面だがジャックがおもむろに地面のくぼみに手を掛けたかと思うといきなりそれを引き上げ地面に蓋をするように置かれていた四角い敷き板を持ち上げた。
すると人が1人通れるような小さな穴が敷き板の下から現れた。


「ここを下りて少し歩けば直ぐに屋敷の地下に行き当たります、通路は少し狭いので気をつけてくださいね」
「俺は蛇だぞ?お前らが狭く感じようが俺から見れば広すぎるぐらいだ。俺が先行するからお前らは後から付いて来い」
「ええ、よろしくお願いしますね」


巳朗達が地下に下りてみるとそこは周囲を掘ったまま土がむき出しになっており人が2人横に並べば窮屈に感じるほど狭い通路が奥に続いていた。
明かりはなく用意した松明の明かりのみが通路を照らしており注意して見なければ数m先も見えない。
だがそんな暗闇も巳朗達には関係ないのかジャック達を置いてどんどん先に進んでいく。


「おいジャック、通路の先の方からなんか人らしきものが来るけどやっちまっていいのか?」
「人ですか?では恐らくエレナさん達の騒動を受けて逃げてきた連中でしょう。もしかしたらお姫様もいるかも知れないので黒の外套のみ倒すことは可能ですか?」
「いくら俺の熱源探知が優れているからって言っても知らない人間を選別するなんて無理だぞ?取り敢えずお姫様は女なんだから男だけ殺せばいいか」
「ええそれで構いません。女だけ捕縛して後で私が選別を致しましょう」
「了解だ。じゃあちっと行ってくるわ。一応逃すつもりはねーが警戒しといてくれ」
「分かりました。」


そういうと巳朗達は勢いよく男達の方へ移動していった。


「うわっなんだ?今足下に何かいたぞ!!」
「なんだと?こんな狭いところで何か居るわけないだろう」
「痛っ!!噛まれた?今足を何かに噛まれたぞ?」
「俺もだ!絶対何か居るぞ!!」
「全員警戒しろ!!」


男達が警戒をするために立ち止まって明かりを増やしながら辺りを見渡しているが一向に何に襲われているのかもわからないようだ。
その間も次々に噛まれていく人間は増えていく。


「クソッ!!いったい何が居るんだ!!」
「俺なんだか気分が悪くなってきた・・・」
「ああ俺もだ。もう立っているのも辛い」
「おい!!大丈夫か!?まさかこれは・・・毒か?」
「毒だと・・・?敵襲!!敵襲だ!!全員動ける者はターゲットを連れ屋敷まで一旦後退しろ!!」


男達は焦りながら急いで後退しようとするが通路が狭さと暗さ、さらに毒にやられた人間が座り込んでいるのが邪魔をして上手く後退できないようだ。
その間も少しづつ巳朗達に噛まれていった。
しばらくすると通路には横たえる人間ばかりで埋め尽くされていた。


「おいジャック終わったぞ!!結局女っぽいのは1人だけだったがこいつが例のお姫様か?」
「ああちょっと待ってください、私は巳朗さんと違ってこの暗闇だとある程度近づかないと見えないんですよ」
「人間も大変だな、この程度の暗闇で明かり一つないと身動きも取れなくなるなんて」
「それは巳朗さん達が特別なんですよ。大体の生物は明かりがないと暗い場所では活動できません」
「そういうもんか?あと一応まだ生きてる奴もいるから気をつけろよ」
「分かりました、それにしても巳朗さん達の毒は本当に怖いですね。全員同じ種類の毒なのですか?」
「いや毒持ちは俺だけだ、こいつらは俺から抽出した毒を使わせてるから毒の種類自体は1種類だな」
「そうなんですか、ですが恐ろしいことには変わりはありません。あとで私にも少し貰えませんか?」
「ああそれはいいがあんま悪用するなよ」
「ええ大丈夫です。今私が第一に優先することはご主人様以外にはありませんから拠点の害になるようなことには使用しませんよ」
「ならいいが、それでこいつは例のお姫様であってるのか?」
「ええ、こちちらの方はエスネアート王国の第2王女様ですね。やはり一緒に捕らわれていましたか」
「だけどおかしくねーか?ケンゴ様が追跡していた第3王女がいねーじゃねーか。こいつらが逃げ出した奴らだとして第3王女は連れて逃げなかったのか?」
「それはこれから第2王女に事情を聞いてみないことには分かりませんね」


その台詞を聞いたせいか第2王女の顔に怯えた様子が見える。


「ああ、大丈夫ですよ。私達は貴方たちを助けに来ました。猿ぐつわを外しますから落ち着いて話を聞いてくださいね」


そういうとジャックはゆっくりと王女の口に嵌められていた猿ぐつわを解いた。


「あの!!クリスが!!クリスがまだ屋敷に捕らわれているんです!!お願いします助けてください!!」
「落ち着いてください。助け出すためにも正確な情報が必要です。第3王女が何処に行ったか教えて頂けますか?」
「はい・・・私も正確には分からないのですが大きな音が聞こえてくる前に男達に何処かに連れて行かれてしまったので・・・お役に立てず申し訳ありません」
「いえいえ素晴らしい情報を有り難うございます。これで恐らく無事に見つけることが出来ますよ」
「本当ですか!?」
「ええ、私達もこのまま屋敷に向かいますので王女様は私共と一緒にご同行ください」
「はい、分かりました」


ジャックがそう言いながら歩き出す横をすり抜け先ほど同様に巳朗達が先行して地下通路を走りだした。


「あの・・・この蛇たちはいったい・・・」
「安心してください、私達の心強い仲間ですよ。彼らが先行することで私達の安全が保証されます。さぁあんまりゆっくり移動していると置いて行かれますよ」


そういうとジャック達は屋敷に向かうため地下通路を歩いていった。



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