異世界をスキルブックと共に

気のまま

誘拐

「誘拐するって事は誘拐した後何か使う目的があったのかな?」
「はい、王女を使い王国を脅しナミラ平原での決戦を有利に進めた後も王国が帝国に滅ぼされるまで利用する予定でした」


あれ?帝国は勇者を召喚して正義の名の下に魔王を討伐するために各国が保有する前魔王の魔石を求めているんだよな?
王女を誘拐して国が滅びるまで使うなんてどこぞの魔王より非人道的なんじゃないか?
召喚された勇者は大丈夫なのだろうか?
一時はちゃんとした国に召喚された勇者を羨ましいと思ったがこれは召喚場所が海辺で良かったのかもしれない。


「それで俺が助けたお姫様以外の誘拐は成功していたのかな?」
「はい、第一王女の誘拐に成功した報告は聞きましたが、第二王女は第三王女と襲撃が同じ時期でしたので詳細はわかりません」


第一王女は捕まっちゃってるのか。
これは第二王女も捕まってると考えた方がいいな。
しかしこれでナミラ平原の決戦の時に何か問題が起きるのは面倒だな。
うちの拠点の奴らが邪魔されたり怪我したりしては一大事だ。


「ジャックは第一王女が捕らわれている場所は分からないよね?」
「はい、以前の場所なら分かりますが定期的に場所を変えているので現在何処に捕らえているかは分かりません。王都の拠点に戻れば分かるかも知れませんが私が誘拐に失敗したことは既に知れ渡っているでしょうから少し厳しいと思います」


うーむ良い方法はないかな?
第一王女も第二王女も知らないから追跡も使えないしな。
第三王女、あのお姫様が捕まっていてくれたら場所が分かって助かるのだがまさかあそこから捕まったりはしていないだろう。
そう言いながら物は試しと追跡を起動する。
検索をお姫様にセットしマップと併せて表示するとお姫様は問題なく王都の中に居た。
そう上手くはいかないよな。
しかしお姫様は城じゃなくて城下町で何をしているのだろうか?買い物かな?


「これはおかしいですね。普段王女達は城を出ることはあまり有りません。私達ですら今回決戦の為各領主へ援軍を要請する為に特別に外部へ出た所を襲撃しました。ましては今は戦時中です、王女が城下町を出歩くとは考え辛いです」
「だとしたら王女は城下町で何をしているんだと思う?」
「恐らく私が失敗した後もしもの時の予備にと控えさせた部隊が王都に入る前に王女を捕獲し王都の隠れ家へ連れ帰って拘束しているのだと思われます」


マジか・・・結局お姫様あの後捕まったのか・・・
俺が助けた意味がなくなったな・・・
早く王城に戻りたいからって護衛の大部分を置き去りにしたりするから捕まるんだよ。
日頃あまり王城を出ないから少し危機感に疎いのだろうか?
しかしこれで恐らく王女達は全員捕まってることになるけどどうするんだよこれ。
黒の外套だったジャック達が優秀すぎる。
アルカライムでも俺達が介入しなかったら問題なく誘拐を成功させていただろうし実は黒の外套はかなり優秀な集団なのだろうか?


「ご主人様、もし助けに行くのでしたら本日の夜に襲撃を掛けるのが良いと思います。私であれば一度王都に捕縛した後闇夜に紛れ外の隠れ家に連れて行き翌日には帝都に向け移動し始めます。王都を抜け出す際も黒の外套のみが使える抜け道で抜けますので誰にもバレることはありません。先ほどご主人様はナミラ平原の決戦に参加されると仰っていたので王女は助けておいた方が有利に事が運ぶ可能性があります。どうかご一考をよろしくお願い致します」


やはりジャック達は優秀だ、間違いない。
これから黒の外套と対峙するときには注意するようにしておこう。


さてそうなると今晩は王都に王女を助けに行かないといけないな。
一応ゴブ朗達にも相談するが王都の中だ。
ゴブ朗達は連れて行けない。
王都に魔物が入った事が分かったら一大事だ。
しかも黒の外套は優秀な集団だということが分かったから油断は禁物だ。
どうしようか?
取り敢えず折角なのでこの間エレナに聞いた代表を集めて会議でも開くか。
そう考えていると広場に走ってくるゴブリンが見えた。
どうかしたのだろうか?


「ゲギャ!ゲギャギャ!!グギャギャ!!」


うん、何言っているか全然わからない。
だが手に持った魔石を差し出してくるのでこの魔石をどうにかして欲しいのだろう。
俺がそれを見て首を傾げていると。


「ゴブ朗先輩と言う方から先日得た収穫物をご主人様に召喚して貰うように指示を受けているみたいですね」


ジャックがすぐに翻訳してくれた。
この洞察力で黒の外套では幹部止まりなのか?
恐ろしいな。我が拠点ではトップクラスの人材だ。
これから拠点のために頑張って貰おう。
しかしゴブ朗から?
あいつが態々召喚を願い出るなんて珍しいな。
何か変わった奴でも倒したのだろうか?


俺はジャック達をその場で待機させゴブリンから受け取った魔石を召喚していく。
数は16個ほどだ。
次々にいつも通りよく分からない魔方陣から召喚されていく。
だがいつもはもっと高い所まで召喚が続くのだが今回はかなり低い位置で召喚が終わった。
背丈からして子供だろうか?
だが髭を生やしたおっさん顔の奴もいる。
なんだろう?小人だろうか?


「ドワーフですか。珍しいですね」


ドワーフ?
俺はそのジャックの台詞に驚きながら召喚されていく小人を見守った。



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