異世界をスキルブックと共に

気のまま

襲撃2

アンナちゃんがいなくなっただと・・・?


「ザックさんいったいどういうことですか?アンナちゃんはどれくらい前にいなくなったんですか?」
「昨日の夜までは確かにベットにいたんです。ですが朝起こしに行くとベットにはもういませんでした。1人で起きたのかと思い家中を探しましたが娘は見当たりませんでした。まさかと思ったのですが一応近所の人にも聞いて回ったのですが娘は見ていないと・・・・ ここで私達はアンナが攫われたのではないかと思いギルドに捜索の依頼を出し何かあったときに手を貸して頂けると言っていたケンゴ殿を探しました。ですがもう日が暮れるというのに娘の手がかりどころか何も見つかっていません。最近噂の人攫いだったら今まで見つかった人はいないと聞いていたのでさすがに焦ってしまい先ほどのようなお恥ずかしい姿をお見せしてしまいました。ここでケンゴ殿に会えて本当に良かった。以前も助けて頂いてこんな厚かましいお願いはするべきではないのは分かるのですがもうあなたしか頼る人がいないのです。お願いします、アンナを助けてください。」
「わかりました。必ずアンナちゃんは見つけ出しますので安心して下さい。ザックさんは少し疲れているように見えるので少し休んだ方が良いのではないですか?」
「はい、有り難うございます。本当によろしくお願い致します。私共も休息が必要なのはわかっていますが娘が今も辛い思いをしているかと思うと休んでなどいられません。見つかるまで探します。」
「そうですか。あまり無理はしないでくださいね。アンナちゃんが無事に帰ってきたときザックさんが倒れたらアンナちゃんも悲しみますよ?」
「はい、わかっています。それでもじっとしていられないんです」


だいぶ参っているみたいだな・・・


「では私も探しに行きますのでこれで失礼します。」
「よろしくお願い致します」


そういうと深く頭を下げたザックさんを尻目に俺はギルドを後にした。


ギルドを出ると早速スキルブック漁った。
恐らくアンナちゃんが行きそうな場所は既にザックさんが探しているだろう。
何かアンナちゃんの痕跡を辿るようなスキルはないのか?
俺は焦る気持ちを抑えて漏れがないようにスキルブックを見る。
しかし何故アンナちゃんはいなくなったのだろうか?
以前守衛が言っていた一連の行方不明の事件に関係あるのだろうか?
その場合アンナちゃんは誰かに連れ去られた可能性が高くなる。
ザックさんもさっき噂の人攫いと言っていたので恐らくこのことだろう。
だが誰が何の目的でアンナちゃんを攫うんだ?
黒の外套か?
いやそれはクリフォードさんが動いているはずだ。
考えてもわからない。
取り敢えず痕跡系は思念読取りや追跡等のスキルがあった。
今回思念読取りは関係なさそうなので急ぎ追跡初期値100をlv10まで取得する。
するとこの間取得した地図化と複合し記録したマップ上に幾つかの光点が記し出された。
どうやらこのスキルは俺が一度認識した相手の場所が分かるようだ。
使い方を間違えればストーカーみたいになりそうだが今はそんなことを言っている場合ではない。
俺はアンナちゃんを想像しどの光点がアンナちゃんを示すものか調べた。
するとこの街の外にアンナちゃんを場所を示す光点があることがわかった。
街の外?
俺は急ぎ守衛の元に走りアンナちゃんらしき人物が街の外に出たか確認を取る。
しかしそんな人物はこの門を通ってないらしい。
これでアンナちゃんは誘拐されたとみて間違いないな。
俺は急ぎ門を潜りそのままアンナちゃんが居る場所に走る。
さっきからアンナちゃんを示す光点は動いていない。
誘拐されているので捕まっているだけならいいのだが最悪の事態もあり得る。
俺は逸る気持ちを抑え拠点のゴブ朗達に念話で襲撃の準備をするように伝えさらに加速した。


ようやくアンナちゃんがいるであろう場所に着いた。
もう日は暮れており目の前には洞窟がぽっかり口を開けている。
洞窟の入り口には見張りらしき人物も見え、アンナちゃんを示す光点はこの先だ。
恐らくここで間違いないだろう。
俺は事前に知らせていたゴブ朗達を転移で連れきてどう攻め込むか相談する。
そうしたら一対その他全員で俺の後方待機が決まった。
何故だ?洞窟見つけたの俺だぞ?
しかし今回ばかりはアンナちゃんの命が掛かっているので俺も参加させて貰う。
そういうとゴブ朗達は渋々後衛に混ぜてくれた。
しかしなんでこいつらはこんなに俺を後方に追いやろうとするんだろうか?
ダンジョンじゃないから俺の土魔法先生は凄いぞ?
俺が後衛で不満そうにしていると前衛部隊が動き出した。
ゴブリンアーチャーが弓を放ちその矢が相手に突き刺さった瞬間ゴブリンアサシンが見張りの首を落とし一瞬で収納袋へと回収してしまう。
もの凄い手際の良さだ。
この暗い中弓矢を正確に当てたのも驚いたがいつの間に移動したのだろうか見張りの首を落とすまで一切の音もなく仕事を終わらせている。
俺は呆気に取られながら移動するゴブ朗達について行った。


洞窟内に入ると中は以外と広めの構造をしていた。
ゴブ朗達はどんどん気にせずに奥に進んでいる、大丈夫だろうか?
俺が疑問に思っていると・・・


「索敵持ちのうさ吉先輩が前にいます。うさ吉先輩がさらにその前にいる巳朗やゴブリンアサシン達に念話で指示を出し見つかる前に殺し収集しています。さすがですね音もそうですが血痕すら残していません。私も精進しないといけませんね」


こいつらはいったい何処を目指しているのだろうか?
それより問題はこいつら念話から俺をだけを弾き会話しているっぽいことだ。
たまに目線だけで会話しているように見えるが確実に念話をしている。
だが一切俺には聞こえていない。
前回のミノタウロス戦からマリアの指示が念話なら相手にバレずに確実に伝わるということからマリアとリンにも念話を導入しているがこの2人も念話会話に参加しているようだ。
あれ?マリアとリンはゴブ朗達と言葉が通じない筈だが会話しているのか?
謎は深まるばかりだ。


そうこうしているとようやく開けた場所に着いたようだ。
奥をみると広場で何やら酒盛りをしている集団がいる。


「ほんと今日は間一髪だったな!!」
「あぁまさか街のアジトの場所がギルドにバレているとはな!初め聞いた時は信じられなかったが仕事を前倒しにして助かった」


話し声が洞窟内に響いてよく聞こえる。


「だがギルドも内部に裏切り者がいるとは思わないだろうな!!あいつら今頃誰も居ない場所を襲撃してるんだろうよ!!ガハハハハ」
「だがなんでバレたんだろうな?誰かこっちにも裏切り者がいるんじゃねーか?」
「いるわけねーだろ、いたら今頃ギルドにいるあいつも捕まって俺達も無事じゃねーだろうしな」
「まぁなんにせよ仕事は上手くいったんだ、朝一ゴミを燃やして王都に戻るぞ!!」
「あぁやっとこんな辺境とおさらばだ!!お前ら今日は飲むぞ!!」
「おお!!」


どうやらギルドに内通者がいるようだな。
おかげでクリフォードさんは失敗したようだ。
後で帰ったら教えてやろう。
しかし黒の外套はあの街にこんなにいたのか。
気配察知だけでも40人近く引っかかっている。
ここに来るまでにもいたので全部で50人以上いたことになる。
いったいどうやって街を出たのだろうか?
それに奴らの近くにはアンナちゃんは見当たらない。
俺は辺りを見渡して広場の様子を観察していた時にそれを見つけてしまった。
広場の端に無造作に積み重ねられた人間達を。
その中に良く覚えている顔があった。


アンナ・・・ちゃん・・・?





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