異世界をスキルブックと共に

気のまま

E級ダンジョン

あれからさらに1日経った。
俺は今E級のダンジョンの前に居る。
昨日モーテン達が冒険者ギルドで冒険者証の発行手続きを行ったのだが冒険者証が出来上がるまでどうやっても1日かかるらしい。
やはりリアナさんがずば抜けて優秀なのだろう。
ちょうどE級ダンジョンも街から南西に徒歩1日かかると言うことなので昨日モーテン達はエレナも含め街で好きに行動してもらっている。
俺はその間1人でダンジョンに向かったのだが折角なので馬を1頭転移で取りにいき人生初の乗馬と洒落込んだ。
召喚したからこちらの言葉は理解してくれているようで方向や移動は問題なかったのだが、ただ鞍とか馬に付ける装備がなかったので少し乗りづらかったのが難点だ。
だが日頃自分が見ている景色より高い位置で風景を楽しめたのでとても良かった。
その日は久しぶりに外で1人で野営をした、いや違うか馬が居る。
念話でモーテン達から問題ない報告とエレナからマリアとリンがヘレン夫婦にもみくちゃに可愛がられているとの報告が入った。
良かった、みんな馴染めているようだな。
俺はそのまま馬に背を預け眠りについた。


そして朝起きてから移動を再開し今に至る。
E級ダンジョンは洞窟型のダンジョンらしく目の前に大きな洞窟がある。
全15階層と小さくあまり人気がないため周囲には誰もいない。
俺はさっそくエレナとモーテン達に連絡し転移で迎えに行った。


ダンジョンに入ってみると洞窟型だからだろうか以外と狭かった。
上に3メートルもなく横は5メートルぐらいの通路でたまに分かれ道がある程度だ。
未だ魔物との遭遇はない。
このまま皆で移動していても魔物と遭遇したら動けなさそうなのでモーテン達と分かれて探索することにした。
モーテン達は初めてのダンジョンということでかなり張り切っているように見える。
多めにポーションを渡しているが無理はするなよ?
俺たちはそのまま別れ最深部を目指し移動した。


どれぐらい移動しただろうか、ふと俺は気づいた。
これ最深部に行っても無事に帰れるのだろうか?
もう何回分かれ道を経由したのか覚えていない。
ヤバい。
俺は焦りながらエレナに説明しちょっと転移してみることにした。
いっそのこと拠点まで戻ることを意識しロングワープを発動した。
結果は無事に拠点に戻れて急に現れた俺の顔に奴隷の子が驚いて失神したぐらいだ、失礼な。
そのままエレナ達の所に戻ったのだがやはり道が分からず迷子になっている感じは精神的によろしくない。
俺はスキルブック開き地図化初期値100を取り敢えずLV5まで取得し地図を作ることにした。
使用してみるとこのスキルは意外と便利で俺が認識した場所を自動的に記録していってくれるようだ。
鑑定さんによるとLV10で行ったことのない場所までわかるらしいがそれだと面白くないので今のところは取得する予定はない。


1つ下り坂を下りたところでようやく初の魔物と遭遇した。
気配察知に引っかかり遠目で確認すると蟻型の初めて見る奴が3匹いた。
俺は早速土魔法で拘束しマリアとリンの熟練度上げを行おうとしたら問題が発生した。
土魔法先生の反応が鈍いのだ。
俺は驚愕しながら再度土魔法を発動するがやはりいつも通りいかない。
恐らくダンジョンの構造を変えるような使い方はできないのだろう。
ここに来てまさか俺の最大の攻撃手段の一つが封じられるとは思ってもみなかった。
俺が手を拱いているとエレナが急に飛び出し蟻を3匹切り焼き尽くしてしまった。
俺は一瞬の出来事に呆気にとられていると。


「申し訳ありません、ケンゴ様が何かなさろうとしていたのは分かっていたのですが初見の魔物でしたので気づかれたら何があるか分からないのでその前に討伐させて頂きました。差し出がましい行動かと存じますがゴブ朗先輩にも強く言われているためどうかご容赦ください。」


いや許す以前に助かった。
あのままだと普通に遭遇してパニックになりまた角ミサイルを連射する恥ずかしい自体になる可能性があった。
しかしエレナは強いな。
この子がグレーターベアに食べられていたなんて考えられないな。
もうグレーターベアぐらいなら1人でいけるんじゃないか?
だが今問題なのはゴブ朗だ。
いったいエレナに何を吹き込んでいるのだろうか?エレナに対し影響力が強すぎる。
帰ったら一度話し合う必要があるな。
俺はエレナにお礼を伝え先に進んだ。


蟻型の魔物と遭遇してから少しづつ魔物との遭遇率が上がってきた。
前回の失敗から事前にマリアとリンを前衛に出し遭遇次第戦闘でユニークスキルを使用して熟練度を上げ
中衛としてエレナが補助を行い。
俺が後衛で索敵だけを行うというものだ。
そう俺の役割は前衛で索敵ではなく後衛で索敵だけを行うことだ。
エレナにマリアとリンのユニークスキルの熟達の話をしたらそれを条件にエレナが補助指導しダンジョンを攻略していくことを認められた。
なんだろう、これ俺必要かな?
ここ急な曲がり角とかないし恐らく俺がいなくても問題なさそうな感じがする。
俺は1人落ち込みながら3人の戦闘を見る。


マリアとリンはさすがユニークスキル持ちということなのかかなり動けている。
マリアが先読みし牽制や行動を阻害させる動きを取りリンが今まで奪ったスキルで攻撃を行い討伐していく流れだ。
エレナは余程の事がないかぎり手は出さないようだ、
手は出さないようだが厳しい叱責は結構飛んでいる。


「どうしてそこでもう一歩踏み込まないのですか!!ほらあなたが遅れたせいで後衛に迷惑がかかっています!!2人でたった1匹の蟻にここまで苦戦するような輩はケンゴ様の側にいる必要はありません!!拠点に戻り芋でも掘っていなさい!!」
「「はい!申し訳ありません」」
「謝っている暇があったら前を見て敵の頭の一つでも落としなさい!!ゴブ朗先輩ならもう全て討伐してケンゴ様に魔石を献上している時間ですよ!!」
「「はい!!」」


そういうと2人はさらなる獲物を求め奥に向かって進んでいく。
少し厳しすぎるのではないだろうか?
後衛である俺は全く困っていない。
もう少し優しく教えた方が良いんじゃないかな?離職しちゃうよ?


「いえ、私はこれでもかなり優しい方だと思います。私がゴブ朗先輩達に連れられ森を探索していた時はそれはもうこれとは比べられないぐらい地獄でした。それにこのくらいで根を上げるようであれば初めから居ない方がマシです。こちらから解雇しましょう。」


ゴブ朗・・・あいつら何やってるんだよ。
しかしゴブリンとウルフ、角ウサギしかいない森で地獄を見せるっていったいどうやるんだろうか?
俺は口を出すことを諦めエレナの指導を見ながら奥に進んだ。





「異世界をスキルブックと共に」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

  • ノベルバユーザー326339

    ゴブ郎視点またやってほしい

    0
  • ペンギン

    ゴブ朗の指導の仕方気になる...w

    0
コメントを書く