異世界をスキルブックと共に

気のまま

拠点の強化2

あれから3日経った。
ようやく奴隷の子達の欠損も回復し終わり今では皆拠点で楽しそうにお手伝いしている。
ただ問題なのが奴隷の子達とゴブ朗達魔物達の言葉が通じないことだ。
やはりゴブ朗達と会話するには従属化が必要らしい。
だがどうしようか、
一応従属化は可能だろうがこの子らは一応この世界の法律で保護された奴隷だ。
全員で金貨1枚だから労働期間にすると1ヶ月もない。
一度従属化してしまうと現状解除の仕方がわからないのでこの俺に縛られてしまうことになる。
どんな理由で奴隷になったかはわからないがまだ皆まだ若い、
親元に帰りたい子もいるだろう。
取り敢えず一ヶ月後解放するときに考えよう。
そうなると急ぐのがマリアとリンのユニークスキルの熟達だ。
またスキルを制御できないと以前と同じようになってしまう可能性がある。
これはどうにかしないといけない。
後でダンジョンに行くとき一緒に連れて行くか・・・
俺は奴隷達の事を考えながら足下に散らばった3日間の成果を見た。
そこには床に所狭しと魔道具と各ポーションが転がっていた。


この拠点は土しかない。
まぁそれは俺のせいなのだが人が増えてきたのに文明のレベルはかなり低い。
日が暮れてしまったら油もないので火で明かりを作ることもできない。
広場で薪をする程度だろう。
そこで俺は今回魔道具を大量に作り拠点の生活を充実させようと計画したのだ。
まずは9等級の魔石もあるので各収納袋の更新と増産を行い、
次に光り魔法と魔石を掛け合わせて作った外灯、
火魔法と魔石で作ったコンロ、
水魔法と魔石で給水器を作り、
さらに火魔法と水魔法でと魔石で温水器まで作ってみた。
これで念願のお風呂が作れる。
いままで水魔法で貯めた水か遠くにある川に水浴びに行かないといけなかったのだから皆喜んでくれるだろう。
後最後に生活には関係ないが風魔法と魔石で拡声器を作った。
最近たまに話が聞こえていないのか皆にスルーされることがあるので大事な時はこれを使おうと考えている。
俺は皆が話が聞こえていないだけだと信じたい。
あとは今回作ってなくて後悔した魔力ポーションの作成と回復ポーションの増産、
さらに解毒ポーションを作った。
巳朗がポイズンスネークになったことから普通に毒を持つ魔物がいることが判明したからだ。
何かあってからでは遅いのでストックは多めに作っておいた。
今日の午前中は皆に魔道具の説明と設置に費やすことになるだろうな。
皆の喜ぶ顔が楽しみだ。


昼前になりようやく全ての魔道具の設置が終わった。
俺を辺りを見渡すが外灯があるだけで街らしく見える。


あとこの3日で変わった事と言えば昆虫組の働きである。
ワーム達は農家組と話し合い畑を耕し害虫の駆除や土に埋まっている野菜の収穫まで行っている。
スパイダー達はこれまた農家の人と連携し糸を紡ぎ出し生産している。
早くもこの2種類は農家組から増員の要望が出ておりゴブ朗達に見つけ次第狩るように指示を出している。
さらに一番驚いたのはバトルビー達が何処からか小さい蜂を連れてきた。
鑑定するとハニービーと言う名前だった。
ハニー?まさか蜂蜜が取れるのか?
従属化は失敗したので今はバトルビー達がハニービー達を管理しているがいずれハニービーの子供が出来たら再度従属化を行う予定だ。
この拠点初の甘味処の誕生が待ち遠しい。


午後一番俺は拠点に活気が出てきたことに満足しながらエレナとマリアにリン、さらに元山賊のモーテンとモーテンと仲の良い4人を連れてアルカライムの外に移動した。
今回の目的はダンジョンの資料を閲覧することと、マリアとリン、さらにモーテン達5人の冒険者登録だ。
身分証を作りたいのもあるがマリアとリンは俺たちとダンジョンに入るため、モーテン達は外貨を獲得するために冒険者をしてもらう予定だ。
取り敢えず俺とエレナは守衛を通らず街を出てきているのでモーテン達と一緒に門は潜れない。
モーテン達に街に入る為の列に並び入街したら冒険者ギルドで登録するように指示を出し俺とエレナは街の路地裏に転移する。
転移後はさっそく俺たちも冒険者ギルドに向かった。
中に入ると午後だからか人が少なく見える。
閲覧コーナーにも誰も居ないので今なら読み放題だ。
俺はお金がないからエレナに拠点で解体した魔物の素材を売るように指示し閲覧コーナーに向かった。
ダンジョンの本を手に取ると内容はかなり詳しく書いてあるようだ。
ダンジョンのタイプや階層、出現モンスターや大まかな罠の位置まで書いてある。
持ち出しは禁止されているので覚えていくしかない。
無理だ。
俺にそんな記憶力はない。
俺は大まかな出現モンスターと何階層あるかを確認しそっと本を閉じた。


その後エレナを迎えに受付に行くとまだ素材の査定に時間がかかるようでエレナが受付の前で待っていた。
おかしい・・・
いつもならカスミダイブをくらい床で一悶着している頃だ。
今日はカスミちゃん休みなのかな?
エレナと一緒にただ待っているのもなんなのでリアナさんに会いに行くことにした。


「こんにちわケンゴさん、本日のご用件はなんでしょうか?」
「クリフォードさんいますか?少し話がしたいのですが」
「マスターですか?少々お待ちください」


リアナさんはそう言うと頭を下げ奥の扉に消えていった。
と思った瞬間に戻って来た。


「お待たせしました」


相変わらず待ってはいない。
いやもうリアナさんはこういうものなんだろうと思うことにした。
周囲を見ても誰1人驚いている人が居ないしね。


「マスターがお会いになるそうです。奥の部屋にどうぞ」


俺は促されるまま奥の部屋に向かった。
ノックをし入るとやはり以前同様に殺風景な部屋に男が1人いた。


「こんにちわかな?僕に用があるらしいね?何かな?」
「こんにちわクリフォードさん。そんな性急に聞かなくてもいいじゃないですか、少しは私と雑談とかしませんか?」
「僕は無駄なことが嫌いなタイプでね?」
「嫌われたものですね。クリフォードさんは黒の外套という組織をご存じですか?」
「何処でその名前を聞いたんだい」
「内緒です」


クリフォードさんはあからさまに不快な顔をする。


「君はその話をするためにここに来たんじゃないのかい?」
「その為にクリフォードさんにご存じか訪ねているんですよ」
「黒の外套の事は知っているよ。僕も手を焼いている存在でね。中々尻尾を掴ませない」
「そうですか、この街にいることもご存じなんですね。なら話が早い。この街の地図はありますか?あと何か書ける紙をください」
「どういうことだい?」
「口頭じゃ説明しづらいので」


そういうとようやく机から紙とペンそして地図を出してくれた。


「こことここ、それにここもですね、後は・・・・これだけですね」


俺はそういうと地図の中に丸を描きさらに紙に幾人かの名前を記す。


「この印はまさか・・・」
「はい黒の外套のこの街での拠点ですね。あとこれは何人かの黒の外套のメンバーの名前ですね」


クリフォードさんは目を見開きさらにその後険しい顔で俺を睨んでくる。


「これは・・・この情報はどこで手に入れたんだい?」
「内緒です」
「巫山戯ているのかい?黒の外套の話ならこの街だけの問題じゃなくなる。しかも闇夜に紛れて尻尾も掴ませないことから黒の外套を名乗っている奴らの情報をここまで正確に把握しているとか異常だ。是非情報源を教えて欲しい所だね」
「私にも喋れることと喋れないことがあるんですよ。そんな事より街が大事なのでしょう?対応は早急にお願いしますね?」
「君は僕を苛つかせるのが本当に旨いね?」
「いえいえそれほどでもありませんよ。これからも良い関係を築けていけたらと思っています。それでは用も済みましたので私はこれで」


クリフォードさんにこれだけ情報を渡せば確認も含めて早急に対処してくれるであろう。
モーテン達にこの街で活動してもらうのだ、不穏分子はない方が良い。
俺はそういうとそのまま部屋を後にした。


部屋を出て受付を見ると既にエレナは査定を終え待っていた。
さらにマリア、リン、モーテン達も受付に居りギルド証の発行の手続きをしているみたいだ。
問題なく終わりそうだな。
俺はそのまま皆が受付を終えるまでエレナと一緒に依頼の掲示板を見ながら待った。

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