異世界をスキルブックと共に

気のまま

ザック商会

俺は馬車の人達をエレナに任せ外で野盗の死体を並べていた。
死体は全部で17体、内馬が2体あった。
馬か・・・魔石もらえないかな?


俺が馬の死体を物欲しそうに見つめていると馬車から人が降りてきた。
全員顔色は良さそうだ。
既にエレナから説明を受けているらしく出会い頭から感謝された。


「ありがとうございます。私はザック商会を営んでいるザックといいます。こちらは妻のメアリーと娘のアンナと申します。この度は襲われているところを助けて頂いてありがとうございます」


まさかここまで初めから感謝されるとはさすが通訳さんを一度挟んだだけはある。
話を聞くとどうも隣街に買い付けに行った帰りでアルカライムに戻る途中に襲われたらしい。


「こちらも間に合って良かったです。私はケンゴと言います。それでこれからどうしましょうか?馬車は1台壊れているようですし馬も死んでいます。積み荷の移動でしたらお手伝い出来ますよ?」
「いやいや、助けて貰っておいてそこまでして貰うわけにはいきません、それに何のお礼も出来ていませんし」
「こちらは特にお礼などは必要ありませよ。困ったときはお互い様ですし荷物についても私達もちょうどアルカライムに行く途中ですしついでに運ぶだけです、気にしないでください」
「そうですか・・では申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。本当に何から何までお世話になってしまい面目ありません」
「いえいえ、お気になさらずに。あとこの遺体はどうしましょうか?不要でしたら私達の方で処分しますが」


できれば黒の外套とかいうのが気になるから街に着く前に召喚して情報を得たいが現状厳しいので取りあえず俺たちが処分し持って帰る方向で話す。


「この野盗達の所有権はケンゴ殿にあります、馬も処分して頂いてかまいません。しかし出来ればこの馬車を護衛していた5人の遺体だけ譲っては頂けないでしょうか?この5人はいつも護衛してくれていた冒険者達でして手厚く弔ってやりたいのです」


良し!馬が手に入った、これで多少移動が楽になるぞ。
遺体も手に入ったし後で拠点に戻って召喚しよう。
俺は笑顔で今後の計画を練っているとふと視線を感じザックさんを見たら訝しげな視線送っている・・・気がするので、俺は慌てて思わずガッツポーズしそうになった腕を押さえながら下ろした。


「わかりました、では残りの遺体と荷物を収納してしまいますね」


俺は遺体を、エレナに積み荷を収納するように指示すると後ろで目を見開き驚いているザックさんたちがいた。
どうしたのだろうか?


「まっまさかそれはアイテムボックスですか?」
「いえいえ、これは私が制作した見た目より少しだけ多めに入るただの収納袋ですよ、それにしてもアイテムボックスとはスキルの名前かなんかですか?」
「アイテムボックスをご存じないのですか?遙か昔この世界に召喚された黒髪黒目の勇者が万物を無限に収納できるスキル、アイテムボックスを使用し魔王討伐の助けとしたお話は有名だと思っていたのですが、街の図書館に行けば過去の勇者の冒険譚にも載っていますよ」
「へーそうだったんですか、私つい先日まで田舎暮らしをしてましてそういう世相毎には疎いんですよ。勉強になります。」
「こちらも急にスキルの事を聞くなんて常識知らずなことをしてしまい申し訳ありません。ただケンゴ殿が伝承通りの黒髪黒目だったのでてっきり今話題の帝国に召喚された勇者様かと思い口が滑ってしまいました。それにしてもその収納袋は羨ましいですね、一つ融通してもらうことはできませんか?」
「これはそう数が作れないので申し訳ありませんが無理です、それに皆勇者の事を話しますがそんなに黒髪黒目は珍しいんですか?」
「私は一度も黒髪黒目の人には出会ったことがありませんね、ケンゴ殿が初めてです」


ほうほう、そんなに黒髪黒目は珍しいのか、目立ちたくないしこれは髪を染めた方がいいかな?


「それに今帝国の勇者は皆が噂していますからね、ケンゴ殿が街に行けば間違える人もいるでしょう」
「それは困りましたね、ハハハ」


早急になんとかしよう面倒事の匂いしかしない。


「しかも帝国は今勇者召喚で勢いに乗って魔王の魔石を集めるために戦争の準備をしているとの噂もありますので街での何かするときは気をつけてくださいね」
「戦争ですか?それは怖いですね、それに魔王の魔石とはなんなんですか?」
「魔王の魔石の事も知らないんですか?これも勇者の冒険譚に載っていますが、その昔勇者が魔王を討伐したときに魔石を4つに割り今ある4つ大国で保管封印しているんです。1つの欠片でも絶大な力があるとの噂です」
「そんなことになっているんですね。色々教えてくれてありがとうございます、とても助かります」
「いえいえ、こちらこそ助けて頂いているのでお互い様です」
「さてそろそろエレナも荷物を収納し終えるので街に向かいますか」


俺は余計なフラグを立ててしまったのではないかと心配しながら街に向かった。



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