異世界をスキルブックと共に

気のまま

山賊2

北に進むと少し小高い丘に木で作った立派な拠点があった。
凄いなこれ、一から作るの大変だったろうに。
俺は感心しながら気配察知で索敵を行い先ほど同様土魔法を作動させ捕獲しようとしたらゴブ朗から待ったがかかった。
え?今回は自分たちがするから何もするなって?
ゴブ朗達が素振りや牙を見せやる気をアピールしてくる。
大丈夫だろうか?心配で胃が痛い。


俺は拠点が見える位置に待機しいつでも魔法が発動できるようにしゴブ朗達の動きを観察する。
するとゴブ朗達が動き出したようだ。
まずホブゴブリンの一匹が弓で見張りの一人を射貫いた。
弓なんていつの間に作ったのだろうか?
そのまま二人目も射貫いた。
そこから熊五郎が陽動に走り、威嚇の声を上げた。
さすがに気づいたのか拠点内が騒がしくなってきた。
あの声を急に聞いたらかなりビビるからなー、俺ならパニックになる。
熊五郎が注意を表に引きつけたところで裏から本体が突入した。
凄いな、あいつらウルフに乗ってるよ・・・
大角うさぎが拠点の壁を突き破りそこからウルフに乗ったゴブリンが突撃していた。
その間を零れた獲物をエレナやカシムが狩っている。
さらにその間も残りの角うさぎとゴブリンで捕らわれた人たちの確保も同時に行っているようだ。
タイミングや連携が凄いな。
どうやら念話でお互いの状況を確認し合い行動しているようだ。


何の心配もいらなかったな・・・やっぱりこいつら優秀すぎる。


拠点はものの1時間もせずに陥落した。


俺はエレナから制圧の報告を念話で受け拠点へ向かった。
拠点の中には死体が並べられており、中央には捕らわれていた人たちが集められていた。
俺の気配察知にも他に反応は見受けられない、完璧だな。


俺は死体から魔石と服の剥ぎ取りを指示し中央に向かった。
捕らわれた人たちは一応近くにエレナがいるが周囲を魔物に囲まれている現状がよく理解できないのか縮こまっていた。
まぁ捕まっている先が山賊から魔物に変わっただけだから安心できるわけないよな。
俺は捕らわれた人たちを安心させようと声を掛けた。


「もう大丈夫ですよ、この後みんな元の集落に帰します」


「ヒッ!」「神様、神様、神様」「あぁもう終わりだ」


優しく声を掛けたのに酷い言われようだ。
やはり俺の容姿はこの世界では受け入れづらいのだろう、これはどうにかしないといけないな。
俺はエレナとカシムに村人への状況説明、取られた物資の選別を指示し「スキルブック」を開いた。


容姿をどうにか出来そうなスキルは認識阻害か偽装があった、認識阻害は取得したら人と会話が出来そうにないので今回は偽装初期値150をLV10まで取得した。
俺は早速スキルを使用してみたが自分では何が変わっているのかわからない。
あとで村人に話しかけてみるか。
それにしても日本人顔が受け入れられないなら召喚された勇者達は大丈夫なのだろうか?
俺は会ったこともない勇者達の心配をしながら物資の選別が終わるのを待った。


物資の選別が終わり空間収納に納めたら俺はエレナとカシムを連れ集落に戻った。
移動の最中に村人の子供に話しかけたが手のひらを返したように感謝された、問題なく偽装の効果は発揮されているようだ。
集落に着いて村人を解放したら各自家に向かい走って行った。
家に入らず皆家の前で泣きながら抱き合っている。
こういう姿を見ると助けて良かったなと思えてくるな。
俺は資材を集落の中央に置きそのまま静かに集落を出た。


山賊の拠点に戻るとゴブ朗がうさ吉とポチに向かってドヤ顔をしている。
詳しく聞くとどうやらゴブ朗だけLV上限まで達したようだ。
先に進化されるポチとうさ吉は悔しそうだ。
まぁまぁ心配しなくてもいずれ皆進化できるって、
俺は2匹を慰めながら拠点の中を進んだ。

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