異世界をスキルブックと共に

気のまま

一ヶ月後

あれから一ヶ月は経っただろうか。
拠点ではいろんなことがあった。


まず拠点のみんなが一段階進化した。
ゴブ朗はゴブリンリーダー、ポチはグレーターフォレストウルフ、うさ吉は2角うさぎ、巳朗はファングスネークに。
他のメンバーはホブゴブリン、フォレストウルフ、大角うさぎになった、まだ見分けはつかない。
ただ性別がはっきりしてきた、男は男らしく女は女らしく筋肉や見た目でわかるようになったのは大きい。
あと強化は成功したのだが種族が変わらなかったのがエレナだ。
人族の進化はないのだろうか?情報が足りない。
一人進化出来なかったエレナは落ち込んでいた。


次に3週間前だろうか巳朗が探索時に卵を拾ってきた。
手のひら大の卵を4つもだ。
巳朗が一つ咥えて持ってきた時は口の倍以上の大きさの卵を丸呑みでもするのかと驚いた。
食べようかと思ったが夜に光魔法で明かりを当てると既に卵の中で成形が始まっていたので孵化させてみることにした。
温めは角うさぎ2号が率先してやってくれていたので先日無事に4つとも孵化した。
卵から現れたのはヒヨコだ、鑑定の結果はホークという鳥類だった。
ヒヨコに以前仮説を立てた従属化スキルを試してみたところ問題なく受け入れられた。
第一回従属化計画の時暴れ狂っていたゴブ朗はなんだったのだろうか。
やはり生まれたての状態が従属化スキルの条件の一つらしい。
無事ヒヨコ達にもタトゥーが現れ従属化が完了する。
これからみんなで育てていこう。


次は拠点の人員関係だ。
なんとゴブリン3号と4号が妊娠したのだ、おめでたい。
人間と違って3ヶ月ほどで出てくるらしいので楽しみが増えた、3ヶ月後が待ち遠しい。
さらに今回召喚スキルをL3まであげて熊と人の召喚を行った。
行ったのだがそこでも少し事件があった。
熊の、正式にはグレーターベアを召喚した時は拠点内が湧き上がった。
さすが8等級だ風格が違う、熊五郎と名付けた。
問題は人を召喚したときだった。
魔方陣から少しずつ身体が構成されて行くときに思い出した。
服を用意していないことを。
俺は全てを諦め敷いている毛皮を握りしめた。
だが本当の問題はそんなことではなかった。


無事に召喚を終え目の前には一人の男性が裸体で存在していた。
見た目は40代だろうかタトゥーが顔にまで伸び渋い顔つきにアクセントを加えている。
俺が毛皮を握りしめ近づこうとしたとき・・・


「お父さん!!」


お父さん!?


後ろから叫ぶような声が拠点に響いた、そうエレナだ。
エレナが駆け寄り男性と抱き合う。
端から見たらうら若き乙女と裸の男が抱き合っている、大丈夫だろうか?
俺がどう声を掛けていいかわからずにいると向こうが動いた。


「初めましてご主人様、カシムといいます。またこの世界に蘇らせてくれたこととても感謝しています。おかげでまた娘に会うことが出来ました。以後少しでもお役に立てるように身を粉にして働き、尽くさせていただきます」


彼は眩しいほどの笑顔を俺に向けて語りかけてきた、そう全裸でだ。
俺はなんとか衝撃から立ち直り、握りしめた毛皮を彼に渡した。


詳しくエレナから話を聞くとカシムはエレナが幼い頃に亡くなったらしい。
死因はダンジョン攻略中に魔物に殺されてしまったようだ。
一緒に攻略していた仲間が死体を持ち帰りその死体から剥ぎ取れた魔石をお守り代わりにエレナが所持していた所エレナも熊に殺され俺に回収されたというわけだ。
運が良いのか悪いのかよくわからないとこだな。
しかしこの世界にはダンジョンがあるのか、いつか入ってみたいな。


最後に俺のポイントがかなり貯まった。
現在はゴブ朗組、ポチ組、うさ吉組と3グループに分かれ日代わりでエレナと巳朗が各組に加わり外に収集に行っている。
狩りの効率も上がっており最近は森の中心部に向かってどんどん探索を進めているらしい。
魔石も多く持ち帰り一日平均で500ポイントを超える。
しかし問題があり収集物の運搬が大変らしくあまり拠点から離れて探索ができないらしい。
そこで俺は「スキルブック」から魔道具制作初期値150をLV5まで取得後、収納袋を制作しゴブ朗、うさ吉、ポチ、エレナに渡した。
この魔道具は魔石を使用し制作するのだが、どうも魔石の等級によって能力が決まるらしい。
できた収納袋は時空魔法LV1と同じ10坪分ぐらいの収納しか出来ない、いずれ等級の高い魔石が手に入ったら作り替える予定だ。
さらにどんどん探索を広めるこいつらの為に回復ポーションを大量に作り各自持たせている。
俺は安全マージンはいつも多めに取らないと不安で眠れない派なんだ。
錬金術は初期値150だったが今の俺はポイントに余裕がかなりある、いつも通りLV5まで取得した。
そして今日俺はついに計画通りに時空魔法をLV5まで取得し、一応何かあっては悪いので念話スキル初期値100をLV10まで取得した。
この念話は任意の相手にマーカーを打ち込み念話ができるというものだ、LVに応じて距離が変わるらしい
これで拠点に何かあっても直ぐに戻ることが出来るだろう、抜かりはない。


俺は明日辺りに西に向け出発しようかと考えつつみんなに伝えるために招集をかけた。



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