異世界をスキルブックと共に

気のまま

とあるゴブリンのお話

俺はこの森の外周部をテリトリーにしているゴブリンだ。
名前はまだない。
最近この周辺で仲間が消える事件が起きている。
原因はわかっていない。
俺は仲間を2匹連れ原因を探るため周囲を探索している。
森を警戒しながら進んでいると急に足下の地面がなくなる感じがし、急いで下を見ると先ほどまで普通の地面だった場所がまるで底なし沼みたいに俺を飲み込んでいた。
慌てて出ようと試みるが暴れるほどどんどん沈んでいく。
何か脱出する術はないかと考えようとした瞬間今まで沼みたいだった地面が一瞬で堅くなった。
あまりの堅さと圧迫に地面に飲み込まれていた部分が悲鳴を上げる、全く動けない。
自分が全く動けないことがわかり後ろの2匹に助けを求めるために首だけで振り返ると自分と同じ状況であろう2匹が後ろにいた。
ただ問題は自分とは違い後ろの2匹は頭がはじけ飛んでいた。
一体何が起こったんだ?俺は現状何ひとつ理解できず困惑した。
俺が困惑し途方に暮れていると・・・


「どうもこんにちは!佐藤といいます!急に捕縛して申し訳ありません!」


!?


周囲には何もいなかったはずなのに目の前から急に声が聞こえた。
慌てて目線を上げるがそこには化け物がいた。
目の前の生き物は人の形こそしているが存在感が尋常ではない。
俺は目の前の存在を認識した瞬間から顎が震え、汗が噴き出し生命の危機を感じた。
いやだ、いやだ、いやだ!まだ死にたくない!
俺は叫ぶがこの生き物には伝わらない。
だが俺が目を離した瞬間その存在は急にいなくなった。
あまりに突然いなくなったことに目を見開きながら驚き安堵の息を吐こうとした瞬間・・・


「今回従属のご相談に伺ったのですが私と契約して頂くことは可能でしょうか?」


また目の前から声がした。
駄目だ、全然理解できない。
唐突にこれほどの存在が目の前に現れるだけで自分の周囲の空気が重くなり息ができなくなる。
もう自分の腕や身体が千切れてもかまわない、この存在の目の前にいたくない。
俺は叫びながら死ぬで捕らわれた地面から逃げだそうとするがびくともしない。
しかもまた暴れている最中に消えた。
もういやだ。
あの存在がまだ周囲にいないか警戒するが見つけることができない。
俺があの存在がまた現れないかと怯え震えていると・・・


「ワタシノ ハナシ スコシ キイテ ホシイ」


また目の前から急に声が聞こえ、あの存在が話しかけてきた。
あまりのストレスに気が触れてしまいそうだ。
なぜこの存在は俺苦しめるのだろうか。
俺はこの理不尽を全く理解できないまままたあの存在を見失った。
全てを諦め上を向いた瞬間俺は意識を失った。



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