異世界をスキルブックと共に

気のまま

通訳さん

女の子は頬を赤く染めながら言われたとおりに毛皮で所々を隠してくれる。


「ごめんね、ここに服はないからあとで他の毛皮で代用品を作るから今は我慢してね」


「お見苦しい所をお見せしました、ご主人様」


驚いた・・・
まさか俺がご主人様と言われる日がこようとは。
だが恥ずかしいからやめて欲しい。


「申し訳ないが恥ずかしいからご主人様はやめてくれないかな?できれば健吾と呼んで欲しい」


「はい、ではケンゴ様とお呼びいたします」


「喋り方ももう少しフランクな感じでお願いしたいんだけど駄目かな?それと君の名前を伺ってもいいかな?」


「はい、エレナとお呼びください」


フランクの部分はスルーされたようだ。


「エレナさんですね、わかりました。目覚めていきなりで申し訳ないのだけれどエレナさんは生前の記憶があるんだよね?できればエレナさんが住んでいた付近の情報やこの世界の話を聞かせて欲しいのだけれど大丈夫かな?」


「エレナとお呼びください」


「いやでも」


「エレナとお呼びください」


一体何が彼女の事をここまで頑なにするのだろうか、
話が進まないので俺は彼女の提案を受ける。


「じゃあエレナがわかる限りの情報を教えてくれるかな?」


「はい、ケンゴ様」


エレナの話によるとどうも今俺たちがいるのはこの大陸の最南端らしい。
この森はフルネール大森林というらしく中心部に行くほど魔物は凶悪になり中心部には竜が住むと言われている。
拠点は海沿いの外周部にあるので周囲の魔物もあまり強いのは出てこないと言っていた。
さらに森を西に抜けていくとエレナの故郷のエスネアート王国、隣国にグラス帝国という国があり、そのまま森を囲むように獣人の国や奥には魔族の国もあるらしい。
しかも森には他に多くの亜人が各所に拠点を築いているとのことだが、
結構探索している気がするのに全然見たことない。


一番驚いた情報はこの世界に黒髪黒目の勇者が召喚されているらしい。
エレナも噂程度しか聞いていないらしいが帝国が勇者を召喚した時期も大体俺と被る。
同じ地球からの転移者なのだろうか?
一度会ってみたいな。
神様は数千年に一度と言っていたが複数人転移させていたのだろうか?
それにしても方や勇者で俺は大陸最南端の海辺か・・
神様なにか俺に恨みでもあったのだろうか?
神様に感謝していた日々が懐かしい。


エレナから粗方情報を聞き終えた俺はエレナの寝床作りと新たな住人を3匹に紹介しにエレナを連れ寝床を出た。
3匹にエレナを紹介したが問題なく和気藹々と話している。
俺の時とはえらい違いじゃないか、ものすごい疎外感だ。
しかも普通に話している、エレナは3匹の言うことがわかるのか?3匹とも言語違うぞ絶対。


「はい、普通に会話ができますよ?とても優しい人たちです」


優しい?こいつらが?なら何故俺を仲間にいれてくれないのだろうか?


「ケンゴ様にはとても感謝していると言っています、除け者にしているわけではなくケンゴ様の手を煩わせて迷惑をあまりかけたくないらしいですね」


なんだと・・・すべて俺の勘違いか、良かった反乱はないようだ。
エレナ(通訳)さん、我が拠点に来てくれてありがとう。
俺はエレナの寝床を丁寧に作り明日手狭になった拠点を拡張することを心に決め寝床に戻った。



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