俺の周りの女性は全員美少女なんだが必ず何か重大な欠点がある!

サクえもん

38話 これ以上ヤンデレ属性は勘弁してください!

 俺は男性の家の前につくと扉をノックをした。
 

 「どうぞ」


 俺はそう返事を返されると恐る恐る中に入っていった。


 「よく来てくださいました。 どうぞお掛けください」
 「は、 はい!」


 なんかこういわれると高校に入学する時にした面接試験を思い出すな。
 

 「どうぞ」


 俺がイスに座ると二十代と思われる綺麗な女性が俺にお茶を手渡してくれた。


 「あ、 どうもです」
 「それではごゆくっり」
 

 女性はそう言うと奥に消えていった。


 「あの今の方は?」
 「私の娘です」
 「そうなんですか。 とても美人な方ですね」
 「ははは、 ありがとうございます。 それで本題なのですが……」
 「ちょっと待ってください。 まず初めに互いの名前など自己紹介しませんか?」
 「これは失礼しました。 私はこの村の村長をやっているフリートと言うものです。 それともっと楽に話してもらっても構いませんよ」
 「ならお言葉に甘えさせてもらうな。 それで俺の名前だが俊と言う」
 「シュン様ですか。 少し変わった名前をしていらっしゃるんですね」
 「まあな。 それでそろそろ本題に入るとしようぜ」


 フリートはお茶を一口飲むと、 ゆっくりとした口調で話し始めた。


 「シュン様はこの村に来てどう思いましたか?」
 「そうだな。 まず圧倒的に人を見かけないと感じた」
 「その通りです。 実は今この村の近くにある神殿にある魔物が巣を作ってしまったのです。 その魔物と言うのが問題でして」
 「ふむ。 何が問題なんだ?」
 「その魔物の名前はフォレストスパイダーと言うのですが、 奴らは人を襲い食べてしまうのです」
 「それは確かに深刻な問題だな」
 「この事態を深刻に思った村の若い男性たちが退治に向かったのですが……」
 「帰ってきてないのか?」
 「はい。 おそらくもうすでに……」


 そう言うフリートは目から涙を流していた。
 その様子を見て俺はこの依頼を引き受ける事を決めた。
 俺は正義の味方などでは断じてない。
 だが流石にこんな状況の村を見捨てることの出来るような人でなしでもない。


 「わかった。 お前の依頼引き受けよう」
 「いいのですか?」
 「ああ。 ウインドスパイダーがどれほど強いか知らんが、 このままだとこの村が滅ぼされそうなんでな」
 「本当にありがとうございます!」
 「ただし今日はもう疲れたから討伐は明日にさせてもらうぜ」
 「それで構いません。 それとシュン様。 つかぬことをお伺いしますが」
 「なんだ?」
 「シュン様は結婚はもうなされているのですか?」


 俺はそう聞かれた瞬間、 口に含んでいたお茶を吹き出してしまい、 そのお茶はフリートの顔へと降り注いだ。


 「すまん! あまりに予想外な質問だったもんだから……」」
 「いえ、 お気になさらず」
 

 フリートはまるで何もなかったような顔でハンカチで顔を拭いていた。
 

 「ええと、 それで俺が結婚しているかって質問だったか?」
 「はい」
 「俺は結婚していないよ」
 「それじゃああの女性方はシュン様の恋人か何かですかかな?」
 「あいつらは唯の仲間ですよ」
 「そうですか。 でしたら私の娘を嫁にもらう気はありませんか?」
 「はい? なぜ急にそんな話になるんだ? それに俺はお前の娘の事についてさっき少し見ただけでよく知らないんだぞ? そんな女性を急に嫁にしないかと言われても戸惑うだけなんだが?」
 「お父さん話は終わった?」
 「おお、 ちょうど今お前の話をしていてな」
 「私の話?」
 「お前今まで好きになった男いないのだろう? それならこの方はどうだ?」
 

 こいつ何勝手に話を進めてるんだよ。
 まあ今はそれよりも自己紹介をしないとな。


 「どうも。 俺は俊と言います」
 「これはご丁寧にどうも。 私はカレンと言います」
 「では私はこれで失礼させてもらいます」
 「おい! ちょっと俺の話を……」
 

 フリートは俺の話も聞かず、 奥に消えていった。


 「ええと、 その……」
 「ふふふ、 そう緊張なさらないでください」
 「ううう……」


 クッソ! まじで何を話せばいいのかわからない! リア充共はこういう場合一体どうしているんだ! 
 俺が何を話していいのかわからないと察してくれたのかカレンさんは話題を提供してくれたのだが……


 「あのシュン様は女性に何を求めますか?」


 なんでこんなヘビーな話題なの!
 でもせっかく話題をだしてくれたわけなんだし、 ここは何としても答えないと!


 「俺が女性に求めるのは自分の事を愛してくれていることですね。 そう言うカレンさんはどうなんですか?」
 「そうですね。 私は決して自分の事を裏切らない人ですかね」
 

 ん? なんか雲行きが怪しくなってきたぞ。


 「ええと、 それってどういう行為が裏切りに値するんですか?」
 「まず絶対的な条件としては私以外の女性には決して近づかないことですかね」


 うん! やっぱりこの人ヤンデレだ!
 

 「それと私の手料理はちゃんと全部完食すること。 それとお風呂にも一緒に入ること。 それからそれから……」
 

 もうこの時点で俺はこの人とは絶対に結婚できないというかしてはいけないと感じていた。
 てかヤンデレ属性とか千鶴一人でさえ嫌なのにこれ以上は絶対に無理だ!
 

 「カレンさん」
 「それから子供は……」
 「カレンさん!」
 「へ? は、 すみません。 私一人だけこんなに話して……」
 「いえ、 気にしないでください。 俺女性と話すのがあまり得意じゃないので、 カレンさんが色々話してくれてとても楽しかったですよ」
 「シュンさん……」


 間抜けか俺は! 何ヤンデレが喜びそうなこと言ってるんだ!
 ああ、 完全に手遅れだよ! だって今のカレンさんの目完全に恋する乙女の目してるもん!
 てかなんでこの人こんなに惚れっぽいの! これで好きになった人がいないって絶対に嘘だよね!


 「シュンさん。 今日はぜひ泊まっていって……」
 「あ、 もうこんな時間だ! それじゃあ俺は失礼しますね!」


 俺はそう言った後カレンさんにお辞儀をし、 急いで家から出た。 


 「お帰りなのだ!」
 「シュン様お帰りなさい」
 「た、 ただいま……」
 「シュン様どうなされたのですか? とても疲れたような表情をなさっていますが……」
 「実はちょっと厄介な女性に好かれてしまってな」


 本当なら今すぐにでもこの村を出たいが、 討伐してやるといった手前のそんなことはできない。
 とりあえず明日の朝一で魔物をぶっ殺して、 早々に立ち去るとしようかな。


 「またなんですか! なんでシュン様はすぐに女性を口説くんですか!」
 「今回ばかりは不可抗力なんだよ……」
 「シュン元気出すのだ。 私がよしよししてあげるのだ」
 「エルザは本当に優しいな……」
 

 あぁ~心が浄化されるような感覚がする~。
 ヤバい。 ロリコンになりそう……


 「ん? クリス。 下唇を噛んでどうかしたのか?」
 「別に何でもありません!」
 「きっとクリスもシュンの頭撫でたいのだ」
 「ちょっとそんなわけ……」
 「ただいま! おお、 シュンも戻っていたか」


 どうやら散歩からハクが戻ってきたようだ。
 それとクリス。 頭撫でたいのなら撫でてもいいんだぞ?


 「お帰りハク。 それでストレスは解消できたか?」
 「うむ。 途中フォレストスパイダーが出てきたのは驚いたが、真っ二つにしてやった!」
 「それって村の中で出たのか?」
 「そうだが?」


 おいおい。 それって相当深刻な事態じゃないか。
 これって寝てる間に襲われる可能性もあるってことだよな?
 そう考えると今回のハクの功績かなり優秀だな。


 「私の顔じっと見てどうかしたのか?」
 「いや、 今回お前がいい働きをしたものだからついな」
 「そ、 そうか。 えへへ……」


 何この可愛い生き物! ハクって顔がクールな顔立ちだから、 笑顔って破壊力高すぎなんだよな。


 「ただいま俊!」
 

 どうやら千鶴達も帰ってきたようだな。


 「お帰り」
 「今から食事の準備するわね」
 「それなら私は風呂の準備をしよう」
 「風呂なんて入れるのか?」
 「外に五右衛門風呂があったわよ」
 「そうか! そう言えば城をでてから風呂なんて久しぶりだな」
 「シュン。お前も手伝ってくれ」
 「了解」
 「あ、 俊さん。 それなら私が私が火をつけますね」
 「お前その程度の事は出来るんだな」
 「一応女神ですから」
 「変態だけどな」


 結果俺達が風呂を沸かしてる間に千鶴達が料理を作るという役割が自然と決まった。
 




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