俺の周りの女性は全員美少女なんだが必ず何か重大な欠点がある!

サクえもん

37話 厄介ごとのフラグが立ったようです!

 「ハッ! 何か今ものすごく気持ちの悪い光景を見た気がする!」
 「急に大きな声をだしてどうかしたんですか?」
 「いえ、 ただ俺と千鶴が恋人同士で、 しかも俺が千鶴に対して好きとか気持ち悪いことを言っている。 そんな光景が急に頭の中に浮かんできて、 あまりにもありえない光景だったので少し鳥肌が立ってしまっただけです」
 「そ、 そうなんですか。 もし体調が悪かったらいつでも言ってくださいね」
 「はい!」


 本当にラピスさんは優しいな!
 全く。 千鶴も少しは見習って欲しいものだな。
 

 「シュンシュン! あそこに村が見えるのだ!」
 「本当だな。 こんな山の中に村があるなんて隠れ里とか何かか?」
 「シュン様はあの村に行ってみたいのですか?」
 「そうですね。 俺達が王都を出てから二週間たったわけですし、 少しぐらいゆっくりしたいですからね」
 「わかりました。 それじゃあ中に入りましょうか」
 「いいんですか?」
 「だってこのパーティのリーダーはシュン様なんですよ? それなら言うことを聞くのは当然じゃないですか。 それにこの子たちも最近走りっぱなしで疲れているでしょうし……」
 

 ラピスさんはそう言いながら今俺達の馬車を引っ張てくれている馬を指さした。
 ちなみに今馬車を操作しているのは俺だ。
 馬車の操作は俺が思っていたのよりかなり難しかったためまだラピスさん程うまくできないし、 スピードもあまり速くは出せないが一応操作できる程度にはなった。


 「それに食料もそろそろ底をつきそうですので買い物もしたいんです」
 「なるほど。 それならあの村で二日程度滞在するのはどうですか?」
 「そうしましょうか」
 「私もその意見に賛成なのだ」
 「さてそうと決まったら早く中に入るか」
 「わかりました」 


 俺はラピスさんの返事を聞くと村の中に入っていった。
 村は山の中にあるということもあり、 自然が多く畑が沢山あった。
 だがなぜか村の中には若い男だけあまり見られなかった。
 これは何か面倒ごとの気配を感じるな。


 「さてと村の中に入ったわけだけど馬車と宿どうしましょうか?」 
 「旅のお方がこんな山の中にある村に一体何用ですかな?」


 俺達にそう声をかけてきたのは六十代と思わしき男性だった。


 「ええと俺達は、 港町サファイアをめざしている途中なのですが、 その道中で偶然この村を見つけたものですから立ち寄ってみた次第です」
 「そうなのですか」
 「それで一つ質問なんですがこの村に俺たちが泊まれるような場所ってないでしょうか?」
 「この村には旅のお方が泊まれるような宿屋はないのです」


 おっとそれは弱ったな……


 「ですがちょうど一件空き家があるのでそこをお貸ししましょう」
 「ありがとうございます! それと馬車なんですが……」
 「それは私が預かっておきますので、 ここに置いておいてください」
 「お願いします」
 「ではこちらについてきてください」
 「あ、 もう少しだけ待ってください!」


 俺はそう言うと馬車に乗っている千鶴達の元へと向かった。


 「おい! お前たち降りろ!」
 「ちょっと俊。 急に降りろっていうのは女性に対して少し失礼なんじゃない?」
 「せめて事情ぐらい説明して欲しいですよね~」
 「事情は後で説明してやるから今は頼むから俺の言うことを聞いてくれ」
 「わかったわよ。 全くしょうがないわね」
 「本当に仕方ないですね。 ここは俊さんの言うことを聞いてあげましょう!」
 「あ、 ありがとう……」


 多分こう言ったときの俺の顔は相当引きつっていたと思う。
 主にこの二人に対する殺意でな!


 「シュン。 その顔かなり不気味だぞ」
 「シュン様。 何事も我慢が大事ですよ」 
 「そんなことより早く私は降りたいです……」
 「ん? なんでだ?」
 「そ、 それは……」


 何か俺に言おうとしている葵は、 足を内股にし、 何処かもじもじしている様子だった。
 俺はその葵の様子を見て察した。
 きっと葵はトイレに行きたいのだと。


 「あ~葵。 何も言わなくていい。 大体お前の言いたいことは察した」
 「あ、 ありがとう……」
 「もうしばらく我慢できそうか?」
 「多分大丈夫……」
 「了解。 それなら早く行くか」


 俺はそう言うと、 男性の元へ戻り、 案内を再開するようお願いした。
 

 ~十分後~


 「つきました。 ここです」


  男性が指さしたのは、 木でできた小さな家だった。


 「鍵はこちらですのでお渡ししておきますね。 それとすみません。 この家を貸すにあたり一つだけお願いがあるので後でこの中の誰かひとり私の家まで来てもらえないでしょうか?」
 

 やっぱり俺の予想は当たっていたようだ。
 だが背に腹は代えられん!


 「わかりました。 それでは後で俺がうかがいましょう」
 「ありがとうございます。 私の家はあそこですので手が空いたらいつでもいいのでおこしください」
 

 そう言って男性が指さした家はこの村の中で一番大きな家だったのでそのことから察するに、 彼はきっとこの村の村長なのだろうと俺は予想した。
 俺がそう予想を立てているうちに村長と思われる男性は消えていた。


 「さて俊。 今の状況について説明してもらいましょうか」
 「わかってる。 でも先に葵」
 

 俺はそう言った後、 葵に家の鍵を投げた。


 「い、 行ってきます……」
 「アオイ様どうかなされたんですか?」
 「えっとそれは……」
 「トイレでしょうね」
 「そうなのか? それならそうと早く言えばいいじゃないか」


 流石ハク。 獣とだけあってその辺の恥じらいは一切ないのな。


 「ははは……」


 クリスはお姫様と言うだけあってか葵の気持ちがよくわかるようで、 ハクの発言に対しては苦笑いをしている。


 「そんな事よりも早く説明してよ!」
 「葵が戻ってきたらな。 だから今はとりあえず家の中に入らないか?」
 「賛成なのだ!」
 

 エルザはそう言うと走って家の中に入っていった。


 「ほらお前たちも早く行くぞ」


 俺がそう言うと千鶴は渋々といった様子で俺についてきた。
 

 「へぇ~案外おしゃれじゃないか」


 家の中には一通りの家具があり、 木の匂いがしていて、 俺としてはかなり気にいった。


 「なかなかいい家じゃない」
 

 どうやら千鶴も気にいったようだ。


 「私も将来こんな家で俊さんと幸せな家庭を築きたいです!」
 「安心しろルビー。 そんな未来は一生来ない」
 「え? もしかして俊さんもっと大きな家がよかったんですか?」
 「違うわ! 俺とお前が結婚する未来がありえないって否定したんだよ!」
 「またまた~とぼけちゃって~」
 「人の話をちゃんと聞け!」
 「あの~この家。 寝室が一つしかないんですがどうしましょうか?」
 「それなら俺はここで寝るから女子組は寝室をつかっていいぞ」
 「俊がこっちで寝るなら私もそうするわ」
 「お前だけは絶対に来るな!」
 「私も俊さんの隣で寝たいです!」
 「もし朝起きたとき俺の隣にお前がいたらその時は、 一日中この家の屋根から地面に向かって吊るしてやるからな!」
 「なんですかそれ! 今すぐして欲しいです!」
 「皆さんお待たせしました……」
 

 何処か申し訳なさそうな様子で葵は俺たちのいる部屋の中に入ってきた。 


 「大丈夫だったか?」
 「う、 うん……」
 「それならいい。 さてとそろそろ説明するとするか」


 俺はそう言うと馬車に乗っていた組に向けて今の俺たちの状況について説明した。


 「なるほどね」
 「その理由なら納得です」
 「私もだ。 正直少し体を動かしたい気分だったからシュンの意見は名案と言えるだろう」
 「クリスも最近ずっと馬車の中に乗っていて疲れていたので、 シュン様の意見には大賛成です!」
 「私は言うまでもないです……」
 

 どうやら皆馬車の中にずっといたことに少なからずストレスが溜まっていたようだ。
 まあそうだよな。


 「さてと俺は今からあの男性の家にいってくるけど千鶴たちはどうするんだ?」
 「私はラピスとその奴隷を連れて買い物に行くつもり」
 「私は少しこの村の周りを走ってくる」
 「私はお留守番しているのだ」
 「クリスも不本意ながらこの吸血鬼と一緒にお留守番しています……」


 やっぱりクリスはエルザの事が嫌いなのね。


 「了解。 それじゃあ行ってくるわ」


 俺はそう言うと家を出て男性の家へと向かっていった。
   


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